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カメラを選んだ話

いつにもましてひとりごとなので、尋常じゃない程暇な方はぜひお付き合いください。

今年の4月、新しいカメラを買いました。ここ数年フィルムカメラは何台か買い足してきたけど、デジタルカメラは約5年ぶり2台目の購入。

ここ1年、私のメイン機はフィルムカメラのPentax MXでした。デジタルで撮る必要性って自分にはないんじゃないか、と思い至って、日常をぽつぽつと撮っていました。(月に多くて2~3本)

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フィルム自体が廃盤になったり価格が高騰したり、ネガティブな空気はあれど、できる限りフィルムで撮り続けたいと思っていたしそれは今も変わりません。

だから、当初はサブカメラとしてのデジタルを探していました。
デジタルは一眼レフしか持っていなかったので、軽くてそれでいて写りはそこそこなコンパクトカメラが欲しかったから。調べるとすぐに有名な2台に辿りつきました。RICOHのGRシリーズと、FUJIFILMのX100F。そしてすぐに後者に絞りました。理由は①ファインダー欲しい②FUJIFILM気になる③ビジュアル、の三点。

それからは毎日価格ドットコムとにらめっこ。そう、X100Fは後継機が出たばかりだったので価格が下がってきていた、んだけど、それでも個人的にはとっても高価なカメラ。価格ドットコムを見ては、作例の載っているブログを見てはの繰り返しを1~2カ月続けていました。

そんな日々に終止符を打つきっかけは、知人女性が海外で撮影した写真だけを集めて開いた個展に行ったことでした。現地のあどけない少女。石畳の路地。街を走る不思議なバス。煙草をふかしつつこちらに目線をくれる白髭をたくわえた男性。彼女の写真は風景写真しか見たことがなかったせいもあり、そこに並ぶ鮮やかな海外の日常に度肝を抜かれました。30以上年が離れている、自分の母よりも年上の方が、英語を喋れるわけでもないのに海外でこんなに素敵な世界を見て写真を撮影されたことに衝撃を受けました。

それらは全てデジタル一眼レフカメラで撮られた写真。きっと丁寧に現像されていることは手にとるようにわかりました。


そこで不意に気付いてしまった。
わたし、フィルムに、逃げているかもしれない。

フィルムは本当に沢山のことを教えてくれました。けど、ずっと甘えていたのも事実。色だって現像所さんが素敵にしてくれているし、白とび黒つぶれがしづらいとか、多少ボケても味として許せるとか、いいんだけど、すごくいいんだけど、デジタルカメラと向き合うことなくこのまま続けていいのかな、って。

このままフィルムだけで撮り続けて、もしフィルムがなくなったら。
その時私はまたデジタルカメラに戻って写真を撮るのかな。
その頃の私は何歳で、何を撮っていて、急にデジタルに戻って写真を思うように撮れるのかな。
せっかくのたのしみが、まるっとなくなっちゃうんじゃないかな。

すごく後ろ向きな考え方だけど、フィルムにはなくなってほしくないって思っているけど、正直現実的にはどうしようもないと思っていて。今のままの自分だったらいつかフィルムごとカメラを辞めてしまう気がしたんです。

そして、FUJIFILMのX-Pro2を選びました。
これからのメイン機として。

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フィルムカメラはもちろん続けていくけど(なんなら以前より撮る枚数は増えた)、このタイミングで自分が思う通りにデジタルカメラで写真を撮れるようになりたい、と願ったのです。その願いは間違いなくX-Pro2が叶えてくれる。叶えられるよう、努力したいと思わせてくれる。

こんな風に、今年の4月、私はカメラを選びました。

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