【徒然なるままに】今年の桜2023
毎週金曜日にパン屋さんにお願いしているライ麦パンを頂きに行くことにしているのだが、帰り道にふと思い立って近くの公園に立ち寄ってみることにした。
公園のあのベンチから川沿いに植っている桜を眺めながら一緒に買ったミラノサンドと桜餅のあんぱんでの昼食、素敵な思いつき!
途中コンビニで温かいほうじ茶を買って公園に行くと、お目当てのベンチには先客が。
70代くらいの女性二人でペットボトルのお茶をそばに置き話をしていた。
「すみません、ここいいですか?」
「「どうぞー」」
丸い柱を中心に四方を向いて座るようになっているベンチなので自分は女性たちと背中合わせになる形で腰を掛け、パンを取り出しイヤホンを装着、自分の世界に。
しばらくすると、「こんにちはー」と言う声が耳に入り、それに対して「こんにちは」と返す後ろの女性達。
振り向くと部活の帰りなのかジャージを着た二人の女子中学生の後ろ姿。
大人の自分からしたら、知らない子どもに声をかけたら不審者って思われないかな?って気をまわしてしまうのだけれど、中学生の子達の方から挨拶してくれることになんかほっこり。
会話も一段落したのか私の裏側のベンチの女性達はそろそろ席を立つ様子。カートを押しながら「お先です〜」と。
「お気をつけて」
「ありがとう」
誰も居なくなったベンチで道路側に向いて座り直しイヤホンをはずす。
春の日差しに時折頬を撫でていく風。
目の前には満開の桜達。
公園の中に目を向けると先程の女性達が足を止め、赤ちゃんを連れたママとニコニコ話している。
ママさんもニコニコ。きっと赤ちゃんもニコニコしてることだろう。
少し離れた所では挨拶をくれた女子中学生達が楽しそうに話してて、まるでこの公園全体が春の祝福を受けているかのよう。
時折車を公園の前に止め少しの間だけ花を見ては去って行く人達や、後続車のない時にスピードを落として花を見ながらなのだろう、ゆっくりと通って行く車を見かける。
親御さんと思しき高齢の人を伴って車から降りて来た人もいたし、ゆっくり通って行った車にももしかしたら桜を見せてあげたい誰かを乗せていたかもしれない。
目に触れる所には嫌なものが何一つとしてなく、桜を見ても人を見ても何を見ても嬉しくて、一人で味わうには勿体無いような時間に、でも……と、この同じ空の下でこの時にも生命の保証さえない環境に置かれている人がいる現実が心に影を落とす。
自分だけが幸せを満喫していていいものなのか、それとも自分が感じる幸せは幸せとして有り難く享受しておけばいいのか、子どもみたいだけれど、そんなことを考える桜満開の日。