映画「ドリアン・グレイの肖像」を視聴後のミュージカル「ワイルド・グレイ」の感想の変化
こんにちは。
さて、皆さんはミュージカル「ワイルド・グレイ」をご存知でしょうか。
こちらは新国立劇場小劇場にて、現在公演中のミュージカルです。
韓国発のミュージカルで、日本では初上演の演目になります。
演出は根本宗子さん。
ダブルキャストの演目で、
ブルーチームは
平間壮一さん
廣瀬友祐さん
福山康平さん
レッドチームは
福士誠治さん
立石俊樹さん
東島京さん
私は同じ会社が制作している某韓国発2人ミュージカル好きで、
ミュージカル「ワイルド・グレイ」なんだか同じ匂いがするという理由で観劇させていただきました。
レッドチームを1回観劇済み。
ブルーチームはこれから観劇予定です。
以下、ミュージカル「ワイルド・グレイ」ならびに映画「ドリアン・グレイの肖像」のネタバレを多分に含みます。
なんならラスト周辺の話しかしていないので、
ネタバレしたくないよーという方はブラウザバックをお願いします!
舞台を観劇後、私が思ったことは
「確かに良いものを見させてもらった。
でもロス可哀想すぎやし、
何より後半のワイルドとボジーの動きはなんだ?」
という気持ちでした。
自分を否定しないと裁判に向かうワイルド
投獄されボジーに恨みつらみのこもった手紙を綴るワイルド
出所後の「ボジーだけが自分を役者でいさせてくれた」という発言とボジーに対して憎しみというものが1ミリもなさそうな顔
自分のために父を訴えろと言うボジー
裁判のときワイルドに「逃げろ!」「今度は僕が守る!」と叫ぶボジー
そのままワイルドに会わずにいるボジー(そのままワイルドは逝去する)
裁判にて恋人関係を否定するボジー
後半にかけての2人とも言動が支離滅裂で、
なんでそうなるの???とハテナの連続でした。
ですが、このハテナは映画「ドリアン・グレイの肖像」を視聴し、ある解釈が浮かび上がったことで
私の頭の中のピースがピタッとはまって、全ての行動が理解できるものになっていきました。
その解釈とは、
「ボジーはワイルドの追い求めるドリアン・グレイになることで、ワイルドへの愛を証明し
ワイルドもそれを求め、理解し、それを体現してくれる彼を嬉しく思っていた。」
というもの。
映画「ドリアン・グレイの肖像」では、
最後ドリアン・グレイは改心し、自分の肖像画の心臓に刃を突き立てる。
そして、苦しみながらも今までの行動を過ちであったと認め神に許しを請います。
ハッピーエンドではないけれど、
バッドエンドとも言い難い。
正直ドリアン・グレイの過ちを思うと、致し方ないラストだなと、凡人の私は感じました。
ですが、このラストはミュージカル「ワイルド・グレイ」におけるワイルドとボジーにとっては本意ではなく、
ボジーは「心が導くままに生きると罪になるのか」とワイルドに投げかけます。
では、この2人にとっての本当の望むべき結末とはなんだったのか。
それは「ドリアンがどこまでも自分の心に正直に生き、身勝手に人の心を翻弄し、必要であるなら殺人も犯し、改心などせずに生きていくこと。」
ではないでしょうか。
それって本作におけるボジーそのものなのでは…
そう考えると、ワイルドとボジーの後半の言動の辻褄があってきます。
自分を否定しないと裁判に向かうワイルド
→これについては本心かな…?
投獄されボジーに恨みつらみのこもった手紙を綴るワイルド
→ボジーに翻弄されたワイルドを演じている
出所後の「ボジーだけが自分を役者でいさせてくれた」という発言とボジーに対して憎しみというものが1ミリもなさそうな顔
→ボジーが自由にワイルドに囚われず自分本位に生きること(そう周囲に見せること)こそが、ボジーの愛だとわかっているから?
役者でいさせてくれた=ボジーに翻弄されるワイルドという立場でいさせてくれた
自分のために父を訴えろと言うボジー
→ここについては本心なのか、ここも計算なのか
どちらもあり得そうで怖い…
裁判のときワイルドに「逃げろ!」「今度は僕が守る!」と叫ぶボジー
→今度は僕が守る=ドリアン・グレイを演じ続ける
そのままワイルドに会わずにいるボジー(そのままワイルドは逝去する)
→ワイルドの望むボジー(ドリアン・グレイ)の姿だから
裁判にて恋人関係を否定するボジー
→ワイルドの望むボジーの姿だから
そう考えると、
後半のワイルドとボジーって行動で「貴方を愛している」を表しているのかも…と…。
会うこともなければ、言葉を交わすこともないのに、
お互いが唯一無二な存在であることを確かめ合い
クソデカラブレターを交換し合う2人。
そう考えるとめちゃくちゃゾッとしてしまいます。
そりゃロスはボジーの代わりにワイルドのそばにいることはできないよな…。とか
というかワイルドはボジー以外の人好きになれるのか…?とか考えてしまいます。
いやあ…
ワイルド・グレイ、本当に噛めば噛むほど味がする舞台です…。
これは、いちオタクの勝手な過剰解釈で
間に受けすぎないでくださいって感じなのですが
その可能性に気づいてしまったら、もうnoteあげずにはいられませんでした…。
まだレッドチームしか見ていない人間なので
ブルーチームは全く違うかもですが、
ブルーチーム観劇する際は
この仮説が頭に入った状態なのでまた見え方が変わりそうで楽しみであり怖いです。
いや、めちゃくちゃ楽しみです。
支離滅裂駄文になりましたが、
みなさん!
よい「ワイルド・グレイ」生活を!!!