名前で損してるような気しかしない「岩井」ウイスキー
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マルス信州のウイスキーであーる。これは鹿児島の本坊酒造さんの設立で、時期は比較的最近の1985年にマルス信州蒸溜所は設立されているようだ、が、しかし本坊酒造は1950年、つまり戦後すぐくらいからもうウイスキー産業に入っており(当時の情勢よろしくインチキウイスキーだったようであるが)、なかなかの老舗感を感じると同時に、九州の焼酎蔵にしては当時からして既に拡張路線なんだよなーと思い知らされる。
本坊酒造について話が逸れるの巻
本坊酒造といえば「桜島」「さつまおはら」など焼酎ブームでは正直あまり注目されるような焼酎をリリースしていなかった印象で、それでも屋久島には「屋久の島」や「屋久杉」などの銘柄を抱えていたり、あとは「錫釜」という特約限定のものもあってこれはそれなりの人気を博したりしていた。実際以下の蒸留所を供えるようである(wikipedia調べ)
鹿児島工場
知覧蒸留所
津貫工場
屋久島伝承蔵
山梨マルスワイナリー
マルス信州蒸溜所
でだ、最近では「マルス津貫蒸溜所」ってのもあるんだねこれが。まあいいや、このように幅広くやっているという中で、この岩井は信州の蒸留所である、って最初に書いたやんけ。。。でかい蒸留所は前置きが長くなるな。
ちなみに「津貫」というシングルモルトのウイスキーは10,000円くらいするが、比較的レア目で人気が高い。これはその名の通り、九州の蒸留所で作っているのだが、さらに「MARS The Y.A」つのもある。これは信州と津貫の原酒をバッティングさせて屋久島の蒸留所で熟成させたとかいうのでまあやっぱり10,000円くらいする上に限定品ですぐ消滅する。ここまでくるとも何でもアリなんじゃねーかと思うんだが、実はこれも結構うめえんだよな…(あとは値段との相談だろうな)
スペック
2,200円 という激安価格である。この時点で上で書いたようなコストの問題は一掃されるのだが、しかし、量販店で見掛けるかというと結構ムズいようだ。結局、本坊酒造と特約があるような店に並んでいる事が多い予感がする。つまり焼酎オタは「錫釜」を売っている店を探すべし。
原材料: モルト、グレーン
原材料産地名: 英国製造、カナダ製造、国内製造(グレーンウイスキー)
アルコール分: 40%
とラベルには書いてある。要するにモルトはイギリス、カナダで、グレーンを国内にまかせているという事だろう。オタクとしては国内のグレーンはどこから買ってんのかってのが気にはなるんだが…
グレーンに話が逸れるの巻
実は国産グレーンを作れるところはあんまりない。ざっと検索すると
北海道: 苫小牧蒸溜所 (未稼動)
仙台: 宮城峡蒸溜所
茨城: 八郷蒸溜所
栃木 :小山蒸溜所
新潟: 吉田電材蒸溜所 (熟成中)
静岡: 富士御殿場蒸溜所
愛知: 知多蒸留所
山梨: 富士北麓蒸留所/Fuji-Hokuroku
広島 桜尾蒸留所
鹿児島: 火の神蒸溜所 (計画)
とかぐらいしかないんだって、漏れがあるかもだけど。グレーンの話もまたどっかでやりたいですね。グレーンって、結構下にみられがちだけど「知多蒸留所」とかは見学も超限定で行っていたりとか難易度がかなり高い「謎の酒」やからね…
レビュー
とにかく2,200円(税抜)の安さと、モルト/グレーンのバッティング、それも海外モルトだし、まず「岩井」っていう漢字2文字がもうなんかヤベー酒なんじゃねーのって気がするやろ。損だよなあ…騙されたと思って1本引いてみよう。結構うまい。すげーうまいわけでもねーけどな。値段相応、コスパ酒。
飲んでみると、かなり甘い。ノンエイジ(熟成年度非開示)だけあって、やや若いテイストであるが、それでもアルコールのトゲトゲしさをそこまで感じないので、実際には結構熟成された原酒を使っているまであるのかもしれない。液色は確かに濃さが見られるが、液色に関しては正直着色の可能性を捨てきれないので、ここは度外視していいんじゃないだろーか。
2000円くらいの価格帯だとバランタイン12年や、あるいはホワイトホース12年あたり、国内ならサントリーオールドあたりと戦わないといけないのだが、それでも個人的には負けてないと思う。実際飲み比べてみてもホワイトホース12年といい勝負しているし、オールドともまたいい勝負である。オールドはウッディー、ホワイトホースはドライなら、岩井はスイートって感じで、何となく一番甘い気がするんだよな。
ロック
ここまではストレートでの総評であるが、ロックは甘味がキュっとシマる感じ。甘味の良さはやっぱりストレートの方が強く感じるが、焼酎なんかでもそうなんだけど、やや冷たくなった甘さが好きって人もいるだろうから、これはいろいろ試してみて欲しいけど、個人的にはストレートかな…
総評とこぼれ話
価格に対してうまい(真理)
ソーダは試していないが、このスペックだとガイアフローMとかイチローズ白までを射程に捉えるだろう。
こぼれ話として、ワインカスクフィニッシュというのが年に2度リリースされるようだ。冬と夏である。夏に出たら買ってみたいものである。今ネットを見たら2倍くらいの値段で売られていた。当然スルー案件である。時期があえば買う事もできるんじゃねえかな〜。まあマルスで作ったワインの樽でやってるんだろうなーとか。
イチローズは今欠品なのでガイアフローMと比べてみっか〜