「翠」ジン
この製品は世の中に出てから結構経つものだし、ロングセラーとして地位が結構確立してきたものだから、何つーか結構イマサラ感は強い。これの、カテゴリーは一応「ジン」なのである。ただし、ジンっていってもこれはかなり立ち位置の不思議な「ジン」で飲み口がクリアーな方に全部振られていると思う。結構飲んでる人だと、俺の知ってるジンじゃねえなって最初は思っちゃうもんね。
そもそも、日本人にとって「ジン」というカテゴリーは地味に馴染みがあるもんでもないように思う、まあそれは「テキーラ」でも「ラム」とかでもそうなのかもしれないが、こと「ジン」に関しては、かなり元の酒の味が尖ってるっちゃ尖ってるので微妙に入り辛い所があるようにも思えなくもない。
パッケージの説明
まあこのパッケージにあるように和テイストを狙っているということは伝わってくる。なんだけども、味はどうでしょ。飲んでみよう。
味わい
ジンというと「ジュニパーベリー」という奴の香りが特徴的であって、これが何なんだっていうと説明が結構ムズい。ジュニパーベリーはamazonでも普通に売ってる、こういう種みたいなもんやね
これがまあほとんど大半を支配する味のものがほとんどなんだけど
この翠ジンはこのジュニパーベリーの味が極端に少なく、じゃあ、柚子だ緑茶だ、生姜だというと、まあ確かにそういう感じもあるんだけども、ストレートで飲むとこれ甲類焼酎とかの味なんだよね。甘味なんかも感じられるんだけど、正直ベーススピリッツの甘味が一番強いんじゃないかなという気もしますわ。
そもそもジンってどうやって作るんだって話
これは結構奥が深いんだけど、ジンつ酒は最初からジンの形をしてないんだよね。最初に極端にクリアーな蒸留酒を作っておいて、これをベーススピリッツとか、あるいはニュートラルスピリッツとか言うけれども、ここに↑で上げたようなジュニパーベリーを含む香素材と一緒に再蒸留することで香りが付く仕様になっている。まあこの辺はまたどこか別のところで深く掘り下げてみよ〜(本当か?)
炭酸に合うってことの意味
個人的にゃサントリーは炭酸を使わせると本当に他の追従を許さなくて、ハイボールだってサントリーが広めたようなところがあるわけで、今度は「ジンソーダ」を流行らせる事に目を付けたって感じなんだよね。ジンは基本的にはソーダだけで割るっていう風習はやや、レアな所があって、どちらかというと大体「トニックウォーター」って奴で割る事がほとんどと思うんすよね。まあ場合によっちゃジンジャエールで割る「ジンバック」や、炭酸を加えつつもライムなんかを絞りいれる「ジンリッキー」あたりが無くは無いって感じなんすよね。まあ、あるいはストレートにライムを絞りいれて氷を落とす「ジンライム」ってのもある。いずれにせよライム果汁の苦みと元の酒の相性が非常に良いってのが定番なのだった。
ただ、炭酸だけで飲めるってのを売りにしているということは、その辺のよくあるイギリスのロンドンジンみたいなのと異なる味わいで売り出してるってことが明確になっているわけで、その違いは↑で書いたジュニパーの濃度もあるんだろうけど、結局的に「本体が苦いか苦くないか」と思いますわ。これは全然苦くない。つまりよくあるジン感はかなり実は少ない。でもクラフトジンブームで色んな形態のジンが出てきたのもあって、こういう苦くないジンもアリなんかなあと思わされる一品に仕上がっている。苦くないのがクリアーなのかっていや、そうなのかもしれんし、単純に味が薄いのをクリアーっていうんか?といえばそうなんだけどもっていう。
結局、ジン風味の甲類焼酎みたいなのを狙っているのが明確なわけで、チューハイにせよ結局甲類焼酎が炭酸と合うわけじゃないですか。だから、ここまで炭酸に合わせたチューニングを施してくるあたりはサントリーだよなあと思いますね。実際、世の中に定着させたわけだし、企業努力の勝利といえる一品でしょう。
なお
ジンソーダに振られているからか、トニックに混ぜるとパンチの無い味になっちゃうんだよな〜、やっぱりジントニックはビターさが無いと光ってこないってはっきりわかんだね。
あと
グラスが何気にいい色をしている。ボトルのデザインもそうだし、イチイチこの辺がかっこいいのもポイントが高い。とはいえ何だかんだ40度あるので調子乗って飲むと爆死するぞ。