後輩が私の目の前で吐いた話【アルハラはやめよう】

仮名使ってます。

私はAというサークルに入っていた。

別段活動が活発なサークルでは無かったが、たま〜に思い出したように焼き肉パーティーしたり、餃子パーティーしたり、まあ割と遊んでいたといえば遊んでいた。 

しかし、すごく仲良しサークルでもなかったため、次のサー長を決めるのにすごく手間取った。お互いがお互いのことをあまり知らないため、誰が相応しいか選びようがなかったのだ。

現サー長は、何を思ったのか、私、サー長の右腕的な存在の男の子(仮名りょうくん)、すごく真面目な後輩の男の子(あんま登場せんので名前いらん)、そしてサー長候補である後輩の女の子(仮名えみちゃん)を集めた。

どうやら、次のサー長を誰にしようか?というのを話し合いたかったみたいだった。

待ち合わせ場所は新宿だった。 

私達はかなり無計画で、待ち合わせたときはちょうど夕飯時だった。
ご飯を食べながら話そう!!ということになり、
居酒屋に入った。

ん?なぜ居酒屋???話し合ってご飯食べるならごはん屋さんでいいやん。って思いません?私は思いました。

もうここから疑問だった。

一休という(みんな知ってるかな!大学生御用達の居酒屋だよ!!!)居酒屋に入り、こぢんまりした椅子にぎゅうぎゅうになりながら話をした。

意外と、真面目に話は進んだ。(多少脱線はしたが)
サー長は、サークルの名簿と、誰々はここが長所だがここが短所、などをまとめたメモを見せつつ、誰がサー長としてサークルを引っ張っていけるかを私達に問うた。

まあ、長所短所の話は完全にサー長目線であって割と独断と偏見でしたが……。

ある程度話はまとまって、おそらくサー長はえみちゃんで決定の流れとなった。サークルへの参加率も高いし、コミュ力もある。真面目でもある。サー長として申し分ない。

私はここで帰る気満々だった。

確か次の日にバイトが控えていたので、さっさと帰ってゲームでもしながら寝たかったのだ。

しかし、ここでなぜか二軒目に行こうという流れになった。

????????????????

話まとまったやんけ、わいは早く帰りたいんや。私はそう雰囲気で訴えた。

あまり、口で帰りたいんやアピールをしすぎても失礼なので懸命に目で訴えた。明日もバイトあるし今度遊ぼうびたいなぁ、的なことを言った。

そうしたら、サー長はこう言った。(印象的すぎて一字一句覚えてます)

「俺も明日インターンあるから平気だよ!」

?????????

それはあなたが平気なだけであって私は全く関係ないのですが?????

私はなんとしてでも帰りたかった。
もしカラオケに行くなら割と乗り気であったが、既に9時を回っており二軒目に行ったら終電ギリギリになることを危惧してのことである。

しかし、ここでえみちゃんを一人ぼっちにしていいのだろうか。

私が帰ったらえみちゃんは一人。女の子一人であるし、彼女はまだ成人したばかりである。

サー長達を信用していないわけではないが、正直1女1人対男の子3人はちょっと心もとない。

それに、あまり断り続けても雰囲気が悪くなるため、私はここで帰ることを断念し、二軒目についていくことにした。

ここで、サー長は恐るべき言葉を発した。

「今からダーツ行きたい」

私は、スポーツが死ぬほど苦手である。
スポーツの種目を聞いただけでも中学生時代のトラウマが蘇るほどだ。(スポーツできなさ過ぎて体育の先生にめちゃくちゃ馬鹿にされてました。許さん。)

ダーツなんて、スポーツ(?)を、お金を払ってまでやりたくない。お金を払ってまでなぜ己の醜態を晒さねばならないのか。

(運動音痴の人なら共感してくれると思ってます)

ここでテンションが地に落ち、私は本当に本当に本当に帰りたいと言った。えみちゃんには悪いけどさすがにダーツは無理やて‥‥‥(多分空気悪くなりました。ごめんね、、)

でも、行こう行こうと押され、結局ダーツバーに入った。そこまで押されて行かないのもさすがに悪いかなと考えたからである。

案の定、私はダーツが下手くそだった。

ダーツの楽しさはまずどこでもいいから的にあたってから始まると思うの。

私は的にすら当たらず、私の放つ矢は虚しくも放物線を描いて地面に落ちていった。

当然ヤムヤム(死ぬほど嫌いです)や数字を減らしていくやつ(名前でてこん。300とかから始まるあれや。)もできない。めちゃくちゃつまんなかった。

それとは対象的にえみちゃんの才能は凄まじかった。お酒飲んで覚醒したんとちゃうか?と思った。いや本当に、アマチュアですか?と聞きたいくらいにはうまかった。えみちゃんすげー!!!、って感動していた。

えみちゃんはグッパー(グーとパーでチーム決めるやつ!)でりょうくんとペアになり、コンビニで買ってきたお酒をぐいぐい飲んでいた。

割と勧められていたのもあるし、自分でも多少飲んでいたところもあると思う。(ちなみにりょうくんは割とえみちゃんに好意があった)

とにかくその小さな体に入るんですか?ってくらいの量のお酒を飲んでいた。途中でお酒がなくなり、私が追加で買いに行ったくらいだ。

ダーツもできて飲めるとかえみちゃん最強やん!!!!と思いながら私はダーツを懸命に練習していた。

結構時間が経った時、えみちゃんの足元は既に覚束なかった。居酒屋でよくいる酔っぱらい程度だったのでそんなに気にせず話を続けていた。

あるとき、えみちゃんは全く話さなくなった。
こちらが何を問いかけても話さないのだ。私はえ?そこまで酔った?飲ませてきたりょうくんに対して怒ってるんか??と思いを巡らせた。

酔っ払って一言も話さない人間と出会ったのは初めてで、まさに未知との遭遇だった。大きい声出してダル絡みしてくるやつより怖すぎる。
本当に心配になってきた。

急に、怖いよえみちゃんが立ってあるき出したので私は慌ててついて行った。(急に先輩ぶるやん)(ごめん)

ダーツの店員さんも訝しげに見ていた。

えみちゃんはトイレに入るなり、なぜか水道の蛇口をひねった。

私はパニックになった。

最悪トイレで吐くのかな?とかそっちを想定していたので、蛇口をひねるとは思わなかったのだ。


蛇口をひねって手を洗うなら百歩譲ってわかる。

でも、流れ出す水には何もせず、えみちゃんは眠そうにしていた。

いやまて、これほんとにやばいやつや。



わたしはやっと気づいた。
多分えみちゃんは来てはいけないラインまできている。

次の瞬間、なぜかえみちゃんは流れる水で顔を洗い出した。

??????

いや、トイレの水道で顔洗う女子おる?

怪奇現象の連続に私はただただビビっていた。
とりあえず大丈夫??など声をかけはしたが、それにも一切反応しないのだ。

怖すぎる。これはダーツなぞやっている場合ではない。と判断し、ビニール袋を用意し、みんなに報告して店を出た。

かなり酔っ払ってから店を出るその間、えみちゃんは一言も声を発さなかった。

そして、某新宿の某ゲームセンターの前にある椅子のようなところに座った瞬間、えみちゃんは吐いた。

私の中での人が吐くときのお決まりは、「あ、気持ち悪い吐く!」とか「待って‥出る」とかそういう枕詞が必ずついているのだと思っていたので、こうも静かに吐かれて私はますますパニックになったし、りょうくんたちも唖然としていた。

一言も発さず、いまいち何を思っているのかわからない表情でえみちゃんは吐き続けた。
私はえみちゃんの生命に危機が迫っていないか本当に不安で救急車を呼ぼうかと思った。

えみちゃんは短時間で吐き終え、その後も一言も声を発さなかった。

私達は懸命にティッシュやタオルで嘔吐物を拭いた。当たり前だけど道行く人たちにガン見された(そりゃそうや)

私は矢を的に当てることに夢中で全然気づいてなかったが、エミちゃんたちはヤムヤムも何回もしていたし、一軒目ですでに結構飲んでいるにも関わらずスト缶を何缶も開けていた。

(ストロングゼロは悪酔いします)

お酒にまだ不慣れな後輩の監督をできなかった自分の責任だと感じた。ダーツ、練習している場合ではなかった‥‥‥。

酒、怖いよ‥‥‥。
適度に飲むぶんにはいいけど、エミちゃんのような経験をする若い子が少なくなりますように‥‥‥。


お酒は適度に飲もうね‥‥。そして我々先輩は飲みすぎてないか適度にチェックしようね‥‥。

※その後、えみちゃんの体調に問題はありませんでした。