コロナの学生にプログラミングを教える非営利プロジェクト「CODEGYM Academy」における 25,312,500円 の収支報告、活動報告(中間レポート) を公開します。
コロナ禍になって、自分になにかできることは無いかと考えた結果、スポンサードとクラウドファンディングの呼びかけによって、高校生・大学生(※ 経済的事情により中退を余儀なくされた方、進級を諦めた方を含む)最大1,000人に、本格的なプログラミングを教えることにしました。
CODEGYM Academy スポンサー企業、後援自治体
結果的に 1次入学(5月15日)、2次入学(11月6日入学)あわせて、全国から集った有効応募数は1,000人以上となり、選考・実際のオリエンを経て、630人規模の方が入校。コロナの影響で本来のキャンパスライフを過ごせなかったり、進路が閉ざされてしまったと悩む学生と一緒に、オンラインを通じて、学び合うことが叶ったのです。
無償とはいえ、カリキュラムは難易度設定ではそれなりのコミットメント(週25時間の学習時間の確保)を求めており、ハーバード大学で実際に使われている、コンピュータ・サイエンスの教材(CS50, クリエイティブ・コモンズ)を使用しました。お金を払っているわけでもないから、学生はいつでも気軽に辞めることもできます。卒業完走率は、それでも1次募集生で 約21.5% という水準になり、僕らが当初想定していた10%よりも高い水準で終えることができました。
途中で終了届(退校届)を提出し途中退校人数は、174人。「大学の就職活動などで土曜日に出席できなくなったため」が退校者の約50%を占め、本当は続けたかった方もいらっしゃる中で、とはいえ、当社による「CS50 日本語版」の翻訳コントリビュートを通じて提供できた一定の価値があったかなとも思っています。カリキュラムの難易度を理由に退校届を提出した割合は、約35%でした。
みんな凄く頑張った結果、卒業までやり抜いた108名の方は、ハーバード大学が認定・発行する、コンピュータサイエンスの履修証明である「CS50 Certificate」を獲得できました。
学生は CS50 に限らず、CODEGYM が持っている未経験エンジニアの育成ノウハウをもとにした、プロダクトマネジメント講座や、データベース設計など、ソフトウェア工学の基礎をしっかりと学んでもらった上で、3-4人で1組つくり、チーム開発を通じたサービス開発の経験を積みました。チーム開発はすべてリモートで行われ、一度も対面では会ったことがない学生同士と4週間〜8週間にわたって取り組み、ソフトウェアの企画・設計・開発・テスト・デプロイ・プレゼンまでを経験しました。
また、様々なコミュニティイベントも実施しました。
アマゾン・ジャパン合同会社に内定を獲得した学生もいたし、新卒初任給500万円以上の水準のIT企業に内定を得た、大卒ではない最終学歴の事例も出てきた。彼らの多くは、半年前まで、コロナによって将来の選択肢が狭まり、希望が持ちづらいと不安に思っていた方々でした。
この活動をできて、本当によかったと思っています。
と同時に、2022年はどうしようか、と考えを巡らせています。一緒にコラボしたい企業さんや、自治体の方、省庁の方がいたら、ぜひ宜しくお願いします。
1次までを考慮した収支報告ではプラスですが、現在、2次募集の学生がまさに学んでいる最中で、おそらく2次募集における今回の活動を考慮すると、最低500万円ほどの持ち出し(赤字)が発生することは想定しています(LABOTが当初表明した300万円の拠出とあわせると、800万円)。
それでも、今時点における、この金額は小事、将来によって私たちの活動が社会に対して生み出していける価値は、これ以上の何倍にも上るだろうと考えています。教育とは、見えづらいけれど、社会への価値還元という意味では、投資した何倍ものレバレッジがあるものです。
改めて、教育に対するスタートアップ的アプローチのやりがいを感じましたし、テクノロジー人材に対する「投資」をコンセプトとした、ISAの事業を日本・アジアに広げていく上でのヒントがたくさん得ることができました。
2次生のみなさん、来年3月の卒業に向けて、頑張っていきましょう!
1次卒業生の感想(抜粋)
ピアラーニングを通して受講者同士で教えあうのは非常に楽しい時間であり、プレッシャーでもありました。ただ、オンライン形式での質問力向上や誰かと共に協力して一つの物事に取り組む経験を積めたことが良かったです。土曜日の時間確保が難しくなったというのが一番大きな理由です。プログラミングよりも優先してやりたいことがあり、それをより活発に行うために退校を決意しました。今後は独学にはなりますが、プログラミングの勉強を続けていこうと思います。
初学者の私にとって、このプログラムはとても難しいものでした。しかし少しずつですが理解が深まっていくのも感じたので、プログラミングのおもしろさを知りました。また、ピアラーニングで他の受講生とコミュニケーションをとることで、建設的な意見の伝え方も学ぶことができました。今後は独学にはなりますが、プログラミングの勉強を続けていこうと思います。勉強のきっかけをくださり、ありがとうございました。
コードジムアカデミーに入校させていただいたおかげで、本当に色々なことを学ばせていただきました。プログラミングとは何か、そういった初歩段階からよく分かっておらず、情報系などの理系にひたすら苦手意識のあった自分が、数ヶ月プログラミングを勉強し、同じように勉強を進める仲間に出会い、自分の将来を考え、何度も挫折しかけながらもなんとかここまでこれたのはコードジムの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。プログラミングに関わる職種につく可能性は低いかもしれませんが、今後は、毎日プログラミングに触れることを目標に、勉強は続けていこうと思っています。
企業説明会も毎回新鮮で、今後の将来を考えたり、こんな企業があるんだなとしれたり、視野が広がってとても楽しかったです。毎週土曜日はプログラミングの日というイメージが私の頭にインプットされているので(笑)、今後は新たなことにも挑戦しつつ、新たな自分も模索していきます。この度は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。お世話になりました。
今回の取り組みは、NPO法人CLACKと共同開催、呼びかけを行っており、非営利として行っていることから、その収支報告をインターネットで広く公開することにしました。
改めてこの場で、筆頭のダイヤモンドスポンサーであるGMOインターネット様、プラチナスポンサーであるスマレジ様、そして40を超える企業スポンサーに感謝の意を表明します。
以下、プレスリリースから抜粋
株式会社LABOTでは、NPO法人CLACKと共同主催し、コロナ禍にある日本全国の学生を対象にオンラインのプログラミング教育を無償提供する取り組み「CODEGYM Academy」を行っています。この度、2021年5月〜11月にわたり実施した第一期の活動が終了いたしましたので、活動報告書を発表いたします。
「CODEGYM Academy」は、40社以上の賛同企業による協賛、クラウドファンディング、渋谷区・福岡市からの後援を受けて実施しているプログラムです。卒業生は、ハーバード大学のコンピュータサイエンスの授業の履修証明書を取得できるため、経済的な事情により大学を中退せざるを得なかった方などに、将来のキャリアの可能性を狭めることをなくし、平等な機会を提供できることを目指して活動しています。 第一期の活動では、賛同企業による協賛、クラウドファンディング、LABOTからの拠出金合わせて、合計25,312,500円 の協賛金が集まりました。
「CODEGYM Academy」の活動及び、共同主催者であるNPO法人CLACKによる「コードトレイル」「Tech Runway Camp」の活動を経て得た1,038,391円の費用については、2021年9月現時点になってもなお長期化し社会情勢が不安定となっているコロナ禍の影響を鑑み、学生に対するキャリア支援の社会的意義を重視し「2次募集」として実施している第二期の募集に活用いたしました。2次募集の結果、今年の11月より新たに136名が入校しています。
CODEGYM Academy 内定実績
アマゾンジャパン合同会社 / SGホールディングス株式会社 / 株式会社アカツキ / 株式会社エヌティ・ソリューションズ / 株式会社スマレジ / 株式会社DYM / 株式会社ナビタイムジャパン / 株式会社ヒューマンシステム / 株式会社プロシップ / 株式会社マイナビ / グルーヴ・ギア株式会社 / グロースエクスパートナーズ株式会社 / シアトルコンサルティング株式会社 / 全国健康保険協会 / フィリップ モリス ジャパン合同会社
※インターン含む(五十音順)
レポートの全文はこちらから見れます
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