⑰5/20 Los Ingobernables de 亜蓮~12~
5月20日(日) 対ヤクルトスワローズ
先発投手 九里-S小川
Carp WIN!! 1-0 勝利投手 九里
試合を観ていて緊張する試合。
スコアレスで進む試合、
点を取ったり取られたりの展開、
リードしているが中継ぎが不安な試合。
色々な展開があるが、
一番緊張するのは、序盤に1点リードして終盤まで進む試合
ではないだろうか。
この試合はまさにそんな試合になった。
〜試合前に食べた新井さんの「チキたまカレー」
カープの先発マウンドに上がったのは九里亜蓮。
2018シーズンはここまで0勝1敗。
降雨も絡み2週間振りのマウンドとなった。
前回も勝ち負けはつかなかったが7回1失点と好投。
連続しての好投が期待される。
初回。先頭山田にセンター前ヒットを打たれるが、後続を抑える。
無失点ならオールOKだ。
2回も無得点に抑えると、その裏先頭の野間がヒットで出る。
前日のグランドスラムを放った勢いそのままだ。
続く7番會澤も強攻策でセンター前ヒット。無死1,2塁である。
続く安部は何も出来ず三振。
最低限ゴロを転がしてほしい場面だが、それが出来ないから
この打順(8番)なのだろう。
そして9番九里が最低限にして最高の仕事・送りバントを決める。
一応大学まで野球をかじったものだからわかるが、
こういうフォースアウトがある場面での送りバントというのは
本当に嫌なものである。
九里はあまりバントが上手でないがよく決めた。
そんな姿を一番近くで観ていた
田中が1ボール2ストライクからの5球目を
レフト前へ運び先制となるタイムリーヒット。
出来れば2点欲しかったが、しょうがない。
そしてここからハラハラドキドキのドキュメンタリーが
始まった。
3回は三者凡退に抑えるも、4回に先頭の西浦にヒットを
打たれると、ツーアウトから坂口に繋がれ二死1,3塁。
打席にいやらしさが光る大引きが入る。
個人的には、前々週に中崎が9回二死から
同点ホームランを打たれた場面を現地観戦していただけに
フラッシュバックしてしまう。
しかし、ツーツーからの5球目をショートゴロに打ち取り
無失点に抑えた。
ヤクルトは5回に小川から中尾へスイッチするも
カープは追加点を奪えない。
九里も粘り、7回に大引にヒットを打たれるも
ダブルプレーに抑える。
その裏に打席が回るためカープファンは
ベンチへ帰る九里へ拍手を送った。
しかし、次の裏の先頭。誰もが代打を確信したが、
予想に反しヘルメットを被った九里が打席へ向かう。
球場に流れる九里の出囃子であるプロレスラー・内藤哲也の
テーマ曲に合わせてカープファンはまたしても拍手。
三振に倒れるも、ベンチへ帰る九里へ再び拍手が送られる。
そして、8回のマウンドへ上がる九里に拍手が改めて送られる。
藤井と田代を打ち取るも2死から山田にヒットを打たれる。
すると九里が一塁への牽制球を悪送球。
焦る場面ではないが、
不器用な彼には仕方がないだろう。
ここで畝コーチが間をとる。そして西浦を右飛に打ち取り
無失点に抑えた。
8回無失点。満点回答である。
ベンチへ戻る九里へ2イニングで5回目の拍手が送られた。
9回のマウンドへ中崎が上がる。
私は(他の鯉党に比べ)中崎を物凄く信頼しているが、
この日最大のハラハラドキドキな
1イニングを彼が披露した。
先頭青木を1球で打ち取るも、続くバレンティンを四球。
続く坂口も四球…一死1,2塁。
打席には、前述の同点ホームランを中崎から放っている大引。
ショートへの内野安打、満塁。
バッターは雄平に代わる代打荒木。
勝負強い、良い仕事をするいぶし銀な選手だ。
個人的には好きだが、そんなことを言っている場面ではない。
2球で追い込むも粘られ、ツーツーからの6球目。
外高めのスライダーで三振。ツーアウト。
打席に向かうのは川端慎吾。
まだこんな選手が残っていたのかと思うと、
初球のスライダーを打ち上げてくれ、ボールはレフトの
下水流のグラブへおさまった。
スリーアウト試合終了。
結果的には「最高」の試合であったが、
途中、特に9回は「地獄を見た」試合であった。
この勝利をきっかけに、と言ってもいいほど
九里はその後のシーズンでも良い投球を続け、
トータルで8勝4敗の成績を納めた。
勝ち星こそ2017年の9勝に及ばなかったが、
内容は2017年よりも格段に良かった。
2018年の活躍で、2019年求められるのは、
「良いという印象」から「確かな結果」へと変わった。
あまり新聞などでは書かれないが、
入団時から良い投球をしていても、
周りや天候との兼ね合いでファーム落ちなどがあった九里。
よくここまで腐らずにやってきたと思う。
2019年は同期入団の大瀬良と共に「2枚看板」と呼ばれるような
働きをし、文句なしの億プレイヤーになってほしい。
<ぷちぶち九里メモ>
鳥取県出身。岡山理大附→亜細亜→カープというのは
薮田と同じ経歴である。(薮田は広島県出身)
九里の亜細亜大と私の大学は同じ連盟だったため、
神宮球場で九里亜蓮の投球をよく観ていた。
その九里がカープに入ることが決まった際は
何故か自分事のように嬉しかった。
(私は足元にも及ばないレベルであったが)