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UberEatsとコスパの話(エッセイ)

僕は天才だ。
というよりお買い物名人という表現が近い。

僕は今とても自惚れています。
でも黙って聞いてください。

何言ってんだこいつはと思った方は
以下の内容を見れば「こいつは天才だー!」と思うかもしれません。

なんてったって僕は、『3000円』のステーキ弁当を『55円』で買った男なのだからね!

1.クーポン

ここ最近の僕はずっと悩んでいました。
悩みの種はUberEats。
1800円引きのクーポンが手元にあり、その使い道に悩んでいました。

クーポンには1つ条件がついています。
それは、商品代で1500円以上使うこと。
ただこの1500円以上というのが非常に絶妙でした。

丼ものやラーメンだと高くても1000円程度だし
ウナギやピザは2000円以上超えてしまう。
クーポンを使うために多額の自腹を切るのは僕の望みではありません。

丼もの×2で条件を満たすけど、いっぺんに食べられないし、日持ちもしない。
揚げ物だったら日持ちするけど、2日連続で大量に食べたいわけでもない。
かといってドリンクで調整しようとすると、500mlのお茶に300円の値段設定はもったいない気がする。


貧乏性の僕はいかにこのクーポンを満足に使うか思考をめぐらせましたが、答えは出ませんでした。
しかし半ば諦めかけている中、なんとなくアプリを見ていた僕に『天啓』が訪れます。

2.天啓

お買い物系アプリってトップページを開くと大体特集記事が組まれています。
『新生活応援~』とか『夏休み家電~』とか。
普段の僕はスルーしてすぐに検索窓に向かうのですが、
その時だけは違いました。

だって、素敵な7文字の名前が僕を魅了したのだから・・・


その名は【肉屋応援フェア】。

そうか、ステーキか。その手があった。
しかもタイムセール?かなにかでトップ画面に残り時間まで表示されています。
そんなんされたら人間の心理的にクリックしたくなります。
中を覗いた僕は更に驚愕することになります。


『3000円が1500円になっている…!』
なんということだ。HANGAKUである。
それも驚きなのだが、半額であってもクーポンの条件ライン(1500円)を満たしているのである…!

肝心のお弁当ですが、元がいい値段するので外れる気がしない。
写真を見てもおいしそうだし。
本当はカルビが食べたいけど、せっかくだから普段食べないシャトーブリアンにしてみようかな。名前もなんかかっこいいし。
そんなことより、「1500円ぴったり」という運命感が僕を注文ボタンへ誘いました。
手数料や配達料も追加で含まれるので実総額はもう少しかかるのですが、
クーポンを使った後の精算画面で僕はニヤニヤが止まりませんでした。

3000円+手数料-1500円-1800円
=55円

55円なのだ。笑いながらスクショまで取ってしまった。
僕は勝利を確信し、にやけ顔のままシャワーを浴びて
配達員さんの到着を待つことにしました。

3.コスパの話

僕が大学生の頃でしょうか。
若者世代に『コスパ』という言葉が流行しました。

『あの授業はコスパいい』
『コスパいいから実質タダ』

口を開けばみんな『コスパコスパ』言っていたように思えます。

そんな世相を反映してか、現代の商品広告にも消費者のコスパ思考が組み込まれているように思えます。

最近見たのは、ひげ脱毛やドラム式洗濯機の宣伝文句。

買うとまぁまぁな値段がするけど、1回で考えれば〇〇円。
1日××分も節約できるからトータルで考えれば●●時間も無駄を節約できます!なんてお得なんでしょう!!

・・・といった感じでしょうか。
僕も営業をやっていた時に『キラートーク』として先輩から教えてもらったことがあります。
昔の僕はこういった表現に感銘を受けましたが、今の僕はなんとなく好きになれません。

みんなコスパに左右されて大事なことを失っているように思えるのです。

4.オチと後語り

結論言うと、今回のステーキ弁当は失敗でした。
弁当のおかずがステーキ複数切れ(下敷きにパスタ)と副菜(もやしのナムル・漬物)だけ。
味付けは上品ですが、僕が貧乏舌なのかそこまで美味しいと思えませんでした。

正直なところ元値3000円の価値はないかなぁと思ってしまいました。
だったら多少自腹きっても本当に食べたいものを頼めばよかった。

・・・まぁ、こんな考えの時点で頭がコスパ思考に支配されているのですが(笑)。



【あとがき】
エッセイ部分を読み返していると、自分の文章が朝井リョウさんみたいな文体であることに気づきました。

朝井リョウさんは僕が唯一読む小説家で、
自分を小物っぽく見せる自伝エッセイはとってもユーモラスだ。
世代も近く、親近感があるので陰ながら応援している。

読む本から自分の文章が影響受けることもあるんだなぁ。
今度「もっちー、仕事辞めるってよ」って本でも出そうかな。
(無理やりオチを作ろうとしたけどオチてないね)

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