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過去の自分をみつめる2


初任者教員、ある日の昼休み。


ベテランの先生の周りには子どもが集まっているけど、自分の周りには子どもが集まってこない。


そんな現実と向かい合う中で、これじゃダメだと感じるようになった私がまず取り組んだのは

「他のクラスを見に行くこと」でした。

自分にはなくて他の先生にはあるものが何なのか。何か全く違うアプローチで子どもの心を掴んでいるはずだ!


そう思って、授業や休み時間、他の先生が子どもとどう関わっているのかを観察しました。(今思うとその間、自分の教室は大丈夫なんかいって話ですが…)

しばらく続けているうちにある言葉が私の頭を支配していきました。それは、

「いや、自分と同じやん!!!!」

という言葉です。

してはいけないことは厳しく叱る、良いところを見つけて褒める。子どもに話していること、コミュニケーションの取り方、何から何まで、全て同じことをしている…。

自分も同じことをしているのに!!


残念ながら同じことのように「みえていた」のです。(実際には周りの先生方が合わせてくれていたのかもしれません。)


私は目の前が真っ暗になったような気持ちでした。何をすべきかわからなくなりました。


それでも自分とクラスの子どもとの関係は悪化するばかり。

「何とかしないといけない。」

そんな思いだけが募っていきました。


2学期にはクラスの団結が試される行事がたくさんありました。体育祭や合唱コンクール。

先生の顔色を見ながら、全くモチベーションが上がらないままに取り組むクラスの子ども達を見るのは辛かったです。

というより、何をしてもうまくいかない自分の状況が悔しくて、辛かったのだと思います。

初任で担任を持たされれて、部活動の主顧問までやっている。毎日、夜遅くまで教材研究をして授業もしている。

「何でこんなに頑張っているのに成果が出ないんだ!!」

「子どもはこたえてくれないんだ!!」

「このままだと、本気で学級崩壊するかも…。」


そう思い続けていました。


初任者研修でクラスを離れられる。
そんな1日が私の楽しみになっていました。


どうにもならない現実に嘆く日々。


部活動の制度や教師の労働環境への不満をツイッターで愚痴る日々。自分でも気づいていました。こんな自分と毎日一緒にすごすなんて、子どもたち嫌だろうなぁって。

毎日、解決策を求めて何となくスマホを触っていました。そんな時、あるブログを発見したのです。


『生徒の心に火をつけるためのブログ』


少し読んで思いました。ヤバイ人や。


著者を調べてみると『藤野悠介』と書いてありました。

部活動顧問を拒否する?

何を言っているのかわかりませんでした。

「部活動顧問って拒否できるの?」

まずはそこからでした。この疑問を解消すべく、ブログ記事を遡って片っ端から読みました。
そこに書かれていたことは衝撃の連続でした。

「校長は超勤4項目以外の時間外労働を命じることはできない」


「給特法では1970年代の教員の働き方を想定していて、4%の教職調整額が支給されている」


どれも、今や書籍やネットニュースを通じて多くの教員が知るところとなりましたが、当時の私からすると未知の世界だったのです。


それは「子どものため」が絶対解だった私の常識に大きな風穴を開けるものでした。(今はそれも「子どものため」になると理解しています。)

あと、文章がとにかく面白かったんです。

部活動の顧問を拒否するために校長と何度も舌戦を繰り広げる様。しかもめっちゃ正論。


すげぇ。中学校の教員をしながらこんなに面白い?ためになるブログを書いている人がいるなんて…。


全国にはこんな面白い先生がいるんだ!!


その事実は教職について悲観的になっていた私の心を少し楽にしてくれました。


…。


しかーし!!!!


大切なのは目の前の子どもとどう向き合うのか。


心が楽になっても、目の前の現実は一切・全く・全然変わっていなかったのです。


そこからネットと教室を行き来しながら、もがく日々が始まったのです。


続く…

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