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僕たちの原画展を、暮らしを大切にしたい皆様へ届けます。
初めまして。
クラフトマンと消費者がもっと近づくサービス「CRABLE」を運営してます、mocchiの佐々木純です。
僕たちのサービスを作家・藤巻佐有梨さんに描いていただいた原画展を8/14(土)~22(日)に開催します。
『mocchi×藤巻佐有梨「ふとした野菜との暮らし展」』
《開催日》
2021年8月14日(土)〜22日(日) ※8月18日(水)は休廊です
Open 12:00~18:00
《開催場所》
Storage KOBE
〒650-0021 兵庫県神戸市中央区三宮町3丁目1-16 三星ビル
JR・阪神 三宮駅から徒歩10分 / 元町駅から徒歩3分
《情報サイト》
公式サイト:https://hutoshita-ten.studio.site/
グッズ販売:https://mocchifujirooll.stores.jp/
会場サイト:https://storage-kobe.com/events/2784/
それにあたり、僕たちがどのように考え、藤巻さんと出会い、誰を想って原画展までたどり着いたかをぜひお伝えできれば幸いです。
農家さんと消費者が、もっと繋がりますように。
※原画展のみのお話は、第2章より始まります。
0章 僕たち3人が何者か
1人目&書き手:佐々木純(mocchi)
どうも、書き手の佐々木純(mocchi)です。mocchiという団体(会社)の代表で、現在「CRABLE」というサービスを運営しています。
今回の原画展を主催いたしました。
2人目:りほ(mocchi)
そして、mocchiメンバー2人のうちのもう1人、りほさん。
3年くらい、一緒にmocchiの姿を作ってくれています。
3人目:藤巻佐有梨さん(作家) twitter
そして、今回の主役、藤巻佐有梨さん。
京都の作家さんで、今回僕たちのサービス「CRABLE」で作品を描いていただいた、スーパーマンです。
以上、この3人の今回の原画展に至るまでの出来事や思いを綴っていきます。
お見苦しい点も多々あるかと思いますが、何卒最後までお目通しいただけると幸いです。
1章 兵庫県の事業採択と「CRABLE」事業の開始。
1. 実は八百屋からの卒業をしました。
遡ること、去年の夏。
今まで、僕佐々木純が『語る八百屋』として無店舗、カーシェア利用でお野菜宅配をしていたのですが、
「僕1人が宅配をしていても見える限度があるよね」
「見たことない景色を見るためにはどうしたらいいんだろう」
という話になり、大きく舵取りをし始めたのが2020年8月でした。
mocchiとしてどういうことを体現したいんだっけ、ということを考えたときにまあいろんな案が出ました。
以下、没になった案・・・
・スムージー屋さん
・ママさん世帯へのレシピサイト
・野菜の学習サイト
様々な案を出す中で1番自分たちらしかった案が、
「リアルに美味しい野菜が実際に手元に届く体験」⇨「味わうという体験」を別の切り口で仕掛けること。
「味わい」という体験価値を軸に、いろんな広がりが見えて来るんじゃないか、という仮説がでてきました。
2. 兵庫県のポストコロナ補助金への応募、そしてコンセプト決め。
そんな中でみつけたのが、兵庫県のポストコロナ補助金(リンク先は今年の募集)。
コロナ禍での新規事業・事業拡大を支援しますよ、という補助金制度でした。
僕たちがみつけたのが去年8月頭で、締め切りがちょうど8月末。
これも運命だと感じ、「1ヶ月で準備して、応募しよう」と決めました。
『お野菜を実際に届ける×オンライン』というスコープを
まだまだ体現しているサービスが少ないということで、
そのテーマで内容を決めていきました。
その中で、どんな世界観を作りたいのか、を再度考えたときに
「農家さんと食べ手の距離をもっと近くにして、自分1人じゃ気づけないような美味しさを見つけてもらおう」といった、今までと変わらない軸でした。
・こんな野菜の美味しさがあったんだという感動
・こんな珍しい野菜が神戸に植わってるんだという驚き
・農家さんって凄いなという敬意
・農家さんってこんな育ててくれてありがたいなという愛情
僕たちは、上の体験をみんなにして欲しくて、サービスを運営したいという信念は変わっていないんだと再認識できました。
3. 僕たちの強みと、無事採択。
じゃあ、上の世界観をどう実現できるんだろうと考えたときに、
僕たちの現時点(2020年8月時点)での得意スキルを整理しました。
僕、佐々木の強みは
・お野菜を語ること。美味しさを想起させること。
・お世話になっている農家さん方から本音の話を伺えること。
そんな心から尊敬できる農家さん方がたくさんいらっしゃること。
前者は、百貨店、マルシェ、宅配と、どんなシーンでも「このお野菜がどう美味しいのか、どう育ってきたのか」を話してきて培ったスキル。
後者はもう素敵な方々に繋がれた、一緒にいろいろなことをさせていただいているというある種の幸運だと思います。
一方でりほさんの強みは
・オンラインで戦うこと、データを整理すること。
オンラインでどんな体験をしてほしいか、その人の現実の生活をどう変化できるか、を整理するのがすごく上手なんです。
そこで、2人の武器を掛け合わせ、
中長期の展望として、『一次産業の現場の本音に隠れる生きたデータを蓄積して、行政や企業と利用・タイアップすることで、ローカルに効果的な施策への橋渡しをする』ことを考えました。
そのために、僕佐々木がこれまでやってきた『お野菜販売』を卒業し、2人でこの中長期の展望につながる方法を考えていきました。
<補足>『お野菜販売』について
お野菜販売は細かい作業を含めて、リアル世界でモノとヒトが目まぐるしいスピードで動くお仕事。どれだけ効率化させたとしても絶対的に変わらない仕事量がそこにあります。加えてビジネスの構造的に低単価/薄利になりがちで、①利益率が野菜よりも高い加工品や他生鮮物に横展開するパターン、②全国展開していくパターンの大体2種類にビジネス発展形態が収束するイメージがありました。
そこで、音声コンテンツとデータを活用できる、「インターネットラジオ事業」を提出しました。
ざっくりいうと、農家さんとラジオ番組を作り、
そこに対してフォロワーを集ったのちビジネス展開を考えるというものでした。
そして、書類審査とプレゼンをしたのち、無事2020年10月に採択されました。倍率でいうと、10倍ほどという中で採択していただきました(審査員の方々で今でも僕たちのことを応援してくれる方もいます。感謝しかありません)。
今後の広報物のクオリティ向上で撮影機材を購入したり、協力していただく農家さんとの時間に当てたりする中で、サービスの方向性をより具体的にしていきました。
また、このとき、お金と僕らの時間を、サービスのクリエイティブに使おうと決めました。
そのときに偶然出会った作家・藤巻さんに僕たちのサービスを体現いただくのでした(詳しくは第2章)。
4. ラジオ事業を練り直す、「CRABLE」にたどり着く。
これから、ラジオを中心にやっていこうという中で
審査員の方々に頂いた意見として『ラジオ事業は短期でお金が回らないので、実際にお野菜を届けてその中で音声を聞いていただくのがいいよ』とアドバイスをいただきました。
そこから着想を得て、
お野菜をお届けしてラジオをきく、感動体験を作ることを目標に思考していきました。
そして、
「耳:ラジオを聴きながら作る、食べる」
「目:生産者とZOOMで繋がり、食べる」
という体験コンセプトに辿り着きました。
当初の世界観にダイレクトにつながる、かつコストも低いことから
この耳と目で美味しさを感じることができる、
『CRABLE(クラブル)=CRAFTSMAN‘S TABLE』というサービスを今年1月から開始しました。
5. 藤巻さんとの出会い
このCRABLEというサービスをやっていこうと決めた同時期、
独立して間もない藤巻さんをTwitterでお見かけしました。
藤巻さんは、青を基調としたアートを作る作家さんです。
で、青色って、実は畑にほとんど見かけない色なんです。
茶色、緑、黄色、赤、オレンジ、紫・・・なんてのはあるのですが、
青は直接的にはほぼほぼない。
ただ、藤巻さんの青を見ていると、
すごく爽やかで、気持ちがいいんですよね。植物を描いていても不思議と青がスッと染み渡って馴染んでいる。
だからこそ、僕たちが畑や野菜に感じる
「畑の朝の爽やかさ」や「自然の煌めき」を表現できるんではないか、と直感的に感じ、藤巻さんにお声がけをしました。
快諾してくださった藤巻さんには感謝しかありません。
2章 イラストは、未来を見せる手段。
このCRABLEというサービスは
お客様がお届けしたお野菜を食べ、ラジオを聴き、ZOOMでお話しした先に、農家さんとの出会いで新しい味わい方を見つけるサービスです。
この体験のイメージは、今現実にないもので未来に作っていくものだからこそ、写真や映像では表現できず、イラストでしか表現できないと考えました。
だからこそ、
藤巻さんとの初回Mtgでは、「理想する、お客さんと農家さんの最終的なゴール地点」をすり合わせていきました。12月頭だったと思います。
そして、
お話ししていく中で、
当初依頼しようとしていたメインビジュアル1枚を描いていただくのではなく、そこに至るストーリーを描いていきましょう、と自然と話が進んでいきました。
私たちのお客さんである消費者が、ただいきなり私たちの理想であるイラストを見せられても『あぁ、素敵だなぁ』とはなりますが、
今の多くの都市生活を営んでいる消費者の方々の現在地点から考えると少し非日常すぎるイラストたちになってしまうな、と思ったんです。
なので、現在の「日常生活」と僕たちが提案する「この暮らしはどうですか」という未来の暮らしの形にグラデーションをつけていく役割として、
2021年1月〜4月という1シーズンという区切りで、
各月のイラストを藤巻さんに書いていただこうとなりました。
3章 イラストのアイデア出し、何を描けばいいんだろう。
さて、具体的にそのイラストたちでどう僕たちの理想を表現していこうという段階になったのですが、
これは僕佐々木純・りほさん・藤巻さんというこの3人だからこそ「よかったな」と思える部分でした。
まず各月のイメージやテーマは、僕・佐々木純の担当。
現場を知っている僕の頭にある、その月の空気・匂い・時間の流れ・実際のお野菜の美味しさを、いかに「言葉」で表現するのかというのが僕の役割でした。
そして、それをわかりやすく伝達したり、世界を広げたり、引き出したり・・・、いろんな切り口から話を膨らませてくれるのが、りほさんが担当でした。
そして何より、
りほさんと僕の役割を踏まえた上で、
1つ1つの言葉を丁寧に汲み取り、自分の解釈を踏まえて
「葉っぱの大きさを前面に感じられる構図がいいですね」
「奥行きを感じられるためにビニールハウスの先に景色が見えるといいですね」
「人物の表情が少しちらっと見えた方がいいですよね」
と、
僕の言葉と、りほさんの壁打ちで出てきた新しい考えを、
ライブペインティングで絵に起こしてくれるのが藤巻さんの担当。
頭にあったイメージが、
どんどんキャンパスに広がっていく体験にものすごく感動しました。
本物の描き手さんの力を感じた一面でした。
そして、話を進める中で感じた課題が、
日常生活と僕たちの理想の生活にまだまだ隔たりがあるなという部分です。
そのため、「その境目を馴染ませていくイラストにする」ことが、
各月で掲げる目標になりました。
そこで、『お仕事が忙しくてなかなか日頃ゆったりする時間が取れないものの、ゆったりした少しの時間を楽しめる、神戸の20代後半の女性』をモデルにすることを思いつきました。
その女性が日頃の季節感を感じる各月の暮らしの中で、
『野菜を暮らしの中に据えたときに、心がふっと和らぐ多幸感を感じている姿』
を表現していきました。
そして
「野菜がそばにある暮らしでは、その女性の感情は季節とともにどう移り変わっていったか」という面を描くことで、
もしかしたら、見てくださっている方々の中に、
「これは私のことかもしれない」
「これは、あの人に似ているな」
とった、描かれた暮らしに少しでも親近感を抱いていただけるのではないか、と考え、女性に自己投影・他者投影できるようなイラストを作っていきました。
そこからは、
「1月は、この女性ってどんな暮らしをしているんだろうか?」
「4月って、1月からの生活を考えるとどんな生活だったら楽しいんだろうか?」
と、
この女性を3人で追っていきました。
「1人暮らしだから1つのお皿に盛り付けられたら楽だよね。」
「昼下がりに起きちゃうこともあるよね!」
と3人でこの女性の気持ちになりきって作っていけたのは、今考えてとても楽しい時間でした。
ここから、
1ヶ月3枚をひと繋がりの生活と捉えて
・野菜を食べる前のシーン
・お野菜を盛り付けたシーン
・食べた後のシーン
の3段組のフォーマットが完成しました。
以下、フォーマットにそった2月のイラストたちです。
2月 - 1枚目「八百屋さんとネギを買った女性」
2月 - 2枚目「一皿に、2月の旬の野菜を盛り付けたお料理」
2月 - 3枚目「食べ終わって、洗い物。お湯がわいてきたみたい。」
こんな風に、
1ヶ月に3枚、この女性の生活を覗き見るようなイラストたちを作成しました。
これら4ヶ月分(=12枚)とメインビジュアル1枚の合計13枚を、僕たちの原画展で公開します。
4章 原画の衝撃、データでは伝わらない生感。
こうして、1月から4月まで、ほぼほぼ毎週お話しすることで出来上がった1枚のメインビジュアルと12枚の暮らしのイラスト。
毎月毎月、
藤巻さんのイラストに驚かされるばかりでした。
そして、最後の4月のイラストのMtg中に
「終わるのが寂しいな、またこの3人で何かしたいな」と思っていました。
そんなときに、
たまたま藤巻さんのZOOMの画面に画用紙が写ったんです。
そのメインビジュアルの原画がまーーーーーーー綺麗で。
ZOOMの画面越しに、データとは全く違う感動を覚えました。
紙質のざらつきや筆の少しのブレに
「なま」感を感じたんです。
描いている対象が
・畑という有機物
・野菜という植物
・農家さん
・理想の生活をする女性
と、全て生物であり、
紙で見た時に「生」の感動が、リアルな原画だからこそ生まれてきました。
食の世界では、食欲の減退色といわれる「青」。
その青色でこれだけ素敵に食にまつわる世界を表現できている絵ってなかなかないんじゃないかと想いと、
この素敵な藤巻さんの絵をぜひ皆さんに見ていただきたいと思い、
「ぜひ原画展をやりましょう!!!!」とお二人に伝えました。
それが今回の原画展の出発点です。
*補足*
振り返ったら、今年の2月にFacebookで「個展×お野菜販売ができる場所を作れませんか?」と投稿しておりました。笑
たくさんお声がけいただいた中で、今回ご縁あって「Storage KOBE」さんと一緒に作っていくことになりました。
5章 なぜグッズを作るのか、都市生活の皆さんにとっての、原画展の役割。
最初は原画を飾って、販売することを考えていました。
しかし、話を進めていく中で
「せっかくなら、原画たちがもっと神戸の日々の暮らしにそっと寄り添えないか?」ということを考えて、
この原画展に合わせて、生活の中でふと使えるグッズを作りました。
・原画ポストカード
・お野菜を入れたくなるトートバック
・農家さんの手ぬぐい
・箱(小物入れ)
・ZINE(小説文つき)
▼ インスタライブの様子
インスタライブにて、グッズを初解禁しました。
手ぬぐいは実はいろんな使い方ができます。
オススメは、この藤巻さんデザインのトラクターを全面に見せる掛け方です
日々の暮らしの中で、
ポストカードのイラストを見る、トートバックで農家さんのお野菜を買いに行く、手ぬぐいで農家さんの暮らしを思い出す・・・
そんな暮らしに皆さんが少しでも近づいてくれたらいいな、と思っています。
また、今回、新しく藤巻さんがイラストの書き下ろししてくださいました。
僕らの繋がりが、「絵を依頼する側」、「絵を描く側」の境目を超えて、お互いと一緒にいることが心地よく、この3人が集まったからこそこのグッズたちができました。
3人が「この暮らしって、素敵だよね」という同じ方向を向いていることにすごく感動しました。
全員が20代というところで、
若いなりに、社会や暮らしを見聞きして感じることを、
この原画展で表現できればなと思っています。
《最後に》 僕たちは、原画展で待ってます。
このコロナ禍のご時世なのでおおっぴろげに「きてください」ということはできないのですが、
でも、このご時世だからこそ、
ちょっと鬱屈としていらっしゃる方もいる中で、
「日々の暮らしに立ちかえれたな」
「どう生きていこうかなと思っていたけど、少し気持ちが楽になったな」
「ああ、この生活に向けて野菜を買ってみようかな、畑に行ってみようかな」
と思ってもらえるように、少しでも力になれれば幸いです。
神戸の僕、京都の藤巻さん、コロナで来られないが心は原画とともにある東京のりほさん、
この3人でギャラリーで待っています。
ぜひ、お待ちしております。
mocchi×藤巻佐有梨「ふとした野菜との暮らし展」
《展示内容》
株式会社mocchiの食卓サービス「CRABLE」において、
作家・藤巻佐有梨さんとコラボレーション。
メインビジュアルおよび2021年1月〜4月までの各月3枚の原画を一挙初公開します。
また、今回書き下ろし新グッズも同時発売。
《開催日》
2021年8月14日(土)〜22日(日) ※8月18日(水)は休廊です
Open 12:00~18:00
《開催場所》
Storage KOBE
〒650-0021 兵庫県神戸市中央区三宮町3丁目1-16 三星ビル
JR・阪神 三宮駅から徒歩10分 / 元町駅から徒歩3分
《トークイベント》
画家と八百屋が考える、アートと農が交わるところ。
〜20代の私たちが思う、お野菜との暮らしの形〜
日時:8月21日(土)14:00~15:00
定員:オフライン:定員10名(要申込・先着)
オンライン:無制限(当日まで予約可能)
料金:1,000円(税込)
申込:https://mocchifujirooll.stores.jp/
《展示会特設サイト》
https://hutoshita-ten.studio.site/
では。
佐々木純