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【障碍者雇用×kintone】③ 福祉DX    感覚だけでなく、数値で見えた時、支援の質があがった ~多機能型事業所Re.co.のグラフ活用~

■最初に

こんにちは!サイボウズのもっちーです😊

多機能型事業所Re.co.さんでは、kintoneを通じて就労継続支援B型と就労移行支援事業の記録を残しています。

前回は、アプリの入力や、内容についてお伝えしましたが。
今回は、その記録が、スタッフ間でどのように活用されているのか、
グラフで見える化して共有している様子を、
Re.co.のkintone担当である後藤さんにお聞きしました。


以前のutaguさんの記事(こちらは、通信制高校中心)
SNECさんとの出会い
SNECさんを1日体験
②では、就労継続B型でのお仕事も体験しています。

【今回の記事】
①kintone活用の概要
②1日を通したkintoneの活用


特定非営利活動法人utagu
Webサイト:https://utagu.org/



■スタッフミーティングにおける表・グラフの活用


「毎日の記録は、週ごとに行われるスタッフのミーティングの場面で使用されます。利用者さん一人一人にどんな支援が必要かを考える際に活用しています」

と後藤さんは話します。


ここで、活躍するのが、グラフや表です。


kintoneはすぐにグラフが作れ、保存することができます。
レコードを追加しても、追加した項目を含め、動的にグラフを確認することができます。


「視覚的にスタッフに共有できるのが便利です。kintoneを通じてグラフや表を見ることで、

感覚ではなく、『やっぱりそうだよね』と具体的な確認ができることが
有用だと、最近発見しました」と後藤さん。


Re.co.さんで活用している、具体的な例をご紹介させていただきます。
 


・面談時間の円グラフ


利用者さんとの面談は、スタッフと利用者さんがじっくり話し合い、
モチベーションを維持したり、
心配事や悩み事を共有する機会として重要
です。


そのため、面談時間の把握は、適切な支援を考える上で大切です。


このグラフからは、月の面談時間が60分だけの方もいれば、
逆に5時間半の方もいるなどが視覚的に理解できます。


このグラフを通じて、面談時間が少ない方には面談時間を増やしたり、
逆に多い方には、なぜ多くなっているのかを確認するなど、
スタッフのミーティングで話し合われています。


・出席日数の棒グラフ


多機能型事業所Re.co.は、
利用者さんの「就労したい」という気持ちを応援しています。


そのため、
就労に向けたステップをどのように踏むことができるのかという傾向を把握することが重要です。


特に、出席日数は行政への報告が必要であるため、重要な項目です。
このグラフでは、青は出席、赤が欠席を示しています。


後藤さんによれば、このグラフを通じてとあることがわかったと言います。

 
「出席日数は人によって異なりますが、
就労できていく人には明確な傾向があることががわかりました。


例えば、
通所予定日が月20日だった場合、予定通りきっちり通所する方は就労に近いと言えます。最初は20日全部通所できないこともありますが、
欠席が少なく、徐々に出席日数が増えていくことが好ましいです。


一方で、最初から、週5の予定で欠席が2日続いている場合には、
出席予定を減らし、安定してから1日増やす、
などの配慮が可能なので、大事なグラフになります」
 

スタッフ間で、当たり前のように感じていた情報も、
グラフを通じて視覚化され、それにより事実として、共有されることの重要性を、後藤さんは強調しました。


・利用者さんの状態についての表(フィジカル・メンタル)


前回の②の記事で、利用者さんの記録には「メンタル」「フィジカル」について日報を入力する場面がありました。

1(悪い)〜4(良い)で入力します。

朝礼の際に、現在の状態を入力し、帰宅時にも再度入力します。

上の表を見ると、
朝と帰りにメンタルやフィジカルの変化がどのようにあったのか、
あるいはなかったのかを確認することができます。


もちろん多くは、良くなったり、変わらなかったりするのですが、
表の赤い丸で付けたところは、朝から帰りの時点で、つまりRe.co.に通所している時間で、点数が低くなったことを示しています。


このような場合、スタッフは

「通所の中で、何か嫌なことなどがあったのではないか」

と注意を払います。


例えば、その日の日報から何かあったのではないかと見返したり、
作業の中で何かあったかスタッフ内で共有をしたり、
時には後日、利用者さんとお話しして、
何か心配な点や不安な点がないか話し合います。


日報など、文字では残していなくても、数値で把握することができるので、
安定しているのか、気持ちが下がっていないか、
日々もそうですが、月や週で確認することができます。


こうした、指標が支援を考えるときに重要だと、お話しくださいました。


・睡眠についてのグラフ・表


利用者さんが入力する、日報の中に睡眠の項目もあります。


睡眠は、利用者さんのメンタルやフィジカルの状態を考える上で重要です。


上のグラフからは、利用者さんの睡眠について、
青が「〇(眠れた)」赤が「△(あまり眠れなかった)」、
緑が「◎(眠れた)」の割合が積み上げグラフでわかります。


グラフのように、視覚的にわかると、
利用者さんへ睡眠のアドバイスが必要かどうかという指標にもなります。


上の表も、同様に睡眠に関する表ですが、
こちらは睡眠の質と、中途覚醒について集計した表となります。

この表をみることで、中途覚醒と睡眠の質の関連について数値的に気付くことができ、睡眠の助言をするかどうかの参考になります。


■まとめ:グラフ・表の活用と支援の質


最初の記事でもお話ししましたが、


kintoneを通じて、数値が見えるので、
利用者さんへの支援の質がめちゃくちゃ向上しています



という後藤さんのお話は、こうした実践が裏付けとなっていました。


以前は、Excelで表を作っていたとのことですが、
kintoneではグラフを週・月・年ごとに整理することがすぐできるため、
パッとできることが楽」と繰り返しお話しくださいました。


後藤さんにこれまでの集計と比べてどのくらい手間が省けたかお聞きすると、
「1つの表やグラフを作るのに、30分〜1時間は短縮できました。
『先月』とか『先週』などの感覚的なものが設定できるのがめっちゃいい
と思っています」
と、「kintoneの推し機能はグラフです!」おっしゃっていただきました。


加えて、
「面談時間や業務時間、メンタルやフィジカルなどの推移については、
いままではグラフ化できていなかったので、
新しい指標としてさらなる支援の充実にめちゃくちゃ役だっています!!!



と、後日後藤さんから力強いメッセージをいただきました。


■最後に


最後までありがとうございました!
 
グラフにしてみることで、傾向を確認したり、利用者さんの状況をより理解していて、kintoneのパッと作れるところがとても好きと言ってくれました。


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次回は最後の記事では、多機能型事業所ではかなり重要な行政などへの報告資料でkintoneがどのように活用されているか、ご紹介いたします。

また見てもらえると嬉しいです😊