映画「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」
思っていた以上におもしろかった!これはアタリ!!「ティム・バートン色が強いと嫌だな」と思っていたけれど、ティム・バートンの個性が強く出すぎず、ダークファンタジーの世界と、現実の世界がうまい具合に絡み合っていて、いつの間にか異世界に誘われていた。
あらすじは公式サイトより抜粋。
フロリダで生まれ育ったジェイクは周囲に馴染めない孤独な少年。そんな彼の唯一の理解者である祖父が謎の死をとげた。祖父の遺言に従って小さな島を訪れたジェイクは、森の奥で古めかしい屋敷を発見。そこには美しくも厳格なミス・ペレグリンと奇妙な子どもたちが住んでいた。やがて彼らと心を通わせ、夢のような時間を過ごしたジェイクは、自らに宿っていた”力”に気づき、屋敷に迫る恐るべき脅威に立ち向かっていくのであった……
この映画は様々な「コントラスト」により物語に立体感が出て、独特な美しさが際立っていた。
ジェイクが生まれ育った「フロリダの底抜けに明るい太陽と空」と、祖父の遺言によって導かれてやってきた「陰鬱としたヨーロッパの空」は、いかにも何かが起こりそうな雰囲気。奇妙な子どもたちの「不気味さ」と「愛らしさ」。ミス・ペレグリンの「美しさや母性」と「厳しさや冷酷性」。そういった対比により、グイグイと物語の中に引き込まれていく。このあたりのティム・バートンの手腕は素晴らしいな~!
ただ、『ティム・バートン史上、最も奇妙。』このキャッチコピーは違うな。『奇妙』ということをアピールしたい物語ではない。ティム・バートン的な奇妙なものを見たいと思った人には物足りないだろう。
先祖からの遺伝や、なんらかの事情で『異型』として生まれついてしまったがために、普通の人と同じ生活を送ることができず、隠れて暮らしている子どもたち。その子どもたちを襲う脅威。自らの能力を使って、その脅威に立ち向かっていく。そして、自らの特性や、生きる場所などを子どもたち自身が掴み取っていくストーリーだと感じた。
そして、孤独で引っ込み思案な少年が友情や恋、そして使命感によって、大きく成長していくお話。エイサ・バターフィールドくんがナイーブな少年を好演していましたよ。いいね、この感じ♡
残念だったのが、もう少し登場人物たちの内面や置かれた状況などを説明してほしかった。なぜジェイクが孤独だったのか、ミス・ペレグリンがどうして子どもたちの世話をすることになったのか、奇妙な子どもたちは自分の能力に対してどのようなことを感じていたのか…。そのあたりがもう少し説明されていたら、さらに物語に深みが出ていたのではないか。もったいない…。
とはいえ、どの画面もセンスが良く、全部ポストカードにして欲しいくらいでした!
#映画 #映画評 #コラム #ミスペレグリンと奇妙なこどもたち #006
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