〜青春映画の決定版かも〜映画「ジュマンジ ウエルカム・トゥ・ジャングル」
土曜日だし、一人だし、なんか気楽に見れる映画はないかしら?と思い、ピッタリな映画を発見。それはジュマンジ! 頭を使いすぎず、思い入れて苦しくならなくてよさそうな映画……と思っていたけれど、なかなか、いや、とっても良い映画だった。ナメてかかってゴメンよ。自分の個性や人間関係に悩んでいる中学生や高校生に見て欲しい映画である。
ストーリーは、4人の高校生男女が、懲罰により高校の物置で作業をさせられていた時、古いテレビに設置されていたテレビゲームを発見して起動させたところ、自分が選択したキャラクターになり、テレビゲーム「ジュマンジ」の世界に吸い込まれてしまう。生きて現実の世界に戻るためには、自分たちが持つスキルを使って、ゲームのミッションをクリアしなければならない——というもの。
基本的な主人公は4人(+1人)。
1人目。現実の世界では気弱でゲームオタクのスペンサー。一緒にジュマンジの世界に入ったフリッジとは幼馴染だが、友達だったことを隠され、代わりに宿題をやらされるなどパシリ扱いをされている。
ゲームの中では、リーダー格であるスモルダー・ブレイブストーン博士に。このキャラは弱点がなく、〈スキル〉は勇気・クライミング・スピード・ブーメラン・キメ顔というもの。
2人目。高校の花形であるアメフト部に所属し、ガタイもよくイケているフリッジ。もちろんモテるが勉強はさっぱり。スペンサーをパシリにしている。
ゲームの中ではムース・フィンバーとなり、〈スキル〉動物学・荷物運び、〈弱点〉ケーキ・スピード・強さというヘタレキャラになっている。
3人目。現実の世界ではガリ勉で融通のきかないところがあるマーサ。頭が良いので思ったことをズバリと言ってしまい、煙たがられたりしている。
ゲームの中ではルビー・ラウンドハウスとなり、〈スキル〉空手・太極拳・合気道・ダンスファイティング、〈弱点〉毒、というタフでセクシーな戦士のキャラになっている。
4人目。ベサニー。スマホ依存症で朝からSNSに投稿するために自撮り。頭の中は自分をどう可愛く見せるかでいっぱいで、彼氏や友人からの「いいね!」の数に一喜一憂する日々を送っている。
ゲームの中ではシェリー・オベロン教授となり、〈スキル〉地図製作・考古学・古生物学、〈弱点〉持久力、というおデブの地図専門家というキャラになっている。
性別も性格も身体もすべて真逆に入れ替わっているのが大変おもしろい。しかし、キャラ設定が変わったところで、性格はもとのままなので、気弱は気弱、俺様は俺様、真面目は真面目、ギャルはギャルのまま。
特にジャック・ブラックが演じるオベロン博士の中身はイケイケ女子高生。そのギャップが最高におもしろい!!デブオヤジがときおりギャルの女子高生に見えてくるもんだからジャック・ブラックの演技力は末恐ろしい。これは一見の価値ありです!
このお話、本当によく練られている。ゲームの中に入ったアドベンチャーものという顔をしているが、本当はスクールカーストもの。立場が逆転したことによって、そのことが浮き彫りになる。
スクールカーストが上でも下でも、それぞれに悩みがあり、抱えているものがある。自分の学生時代の時を思い出してもそうだが、カースト関係なく、みんな他人のことをよーく見ている。学校という小さな集団の中で、他人から自分がどう見られているのかが、アイデンティティのすべてと言っても過言ではないだろう。
そんな土台の中で、キャラが様変わりしても、お互いが互いの個性を認めて、許しあい、関係性を築いていく姿はとても頼もしく、清々しい気持ちにさせてくれる。人が人をそのままで認めて信頼し合う姿はなんだったら感動すら覚える。高校を卒業して軽く20年以上経つけど、ちょっと泣きそうになったわ。
映画としてもおもしろく、ジャングルの中で次々と襲い来るミッションをクリアしていったり、格ゲーっぽい要素が出てきたり、ラブの要素(プラス1名の効果は絶大。左端)もあったりと、盛りだくさんで目が離せないストーリーに仕上がっており本当に脱帽。みんな色々と笑かしてくれる。
一人ひとりが自分と向き合って成長していく姿がホントに最高。うまくいかないことも青春のほろ苦さでよろしおす。
ウエルカム・トゥ・ジュマンジーー!!
すでに次作が決定しているのもうなずける作品です。
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