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映画「ある少年の告白」

「こんなことって現実にあるんだ」と最初は思ったが、確かにあるんだろうなと思い至った。同性愛者であるかもしれないと苦悩する少年が、救済施設という名の矯正プログラムに参加したことで起きた悲しく、そして痛ましい出来事。しかし、それは今もなお続いている――。

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今作、大変難しいけれど、目をそむけてはいけない事柄がテーマとなっており、その分、見る方の気も重くなりがちだが、キャストが超豪華なのが救い(?)である。主人公は若手人気俳優のルーカス・ヘッジズ、母親役にはニコール・キッドマン。そして父親役はラッセル・クロウ。脇を固めるメンバーも豪華で見ているだけで目の保養&色気の権化、グザヴィエ・ドランさま。このメンバーを揃えたことからも制作側の本気が伝わってくる豪華俳優陣である。

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さて、話を本題に戻します。主人公のジャレッドはスポーツも勉強も万能。かわいい彼女もいる。父は牧師で街の人からも尊敬されており、母は身なりは派手だが夫・子ども想いの良き女性。そんなジャレッドが大学へ進学し、寮生活をスタートさせた時、「ある事件」が起き、自分がゲイであるのではないか?という想いを抱き始める。しかし、その「ある事件」がきっかけとなり、ジャレッドのゲイ疑惑が両親の耳に入る。牧師である父はそんな息子を容認することができずに矯正施設へと送り込むのです。もちろんジャレッドもゲイかもしれない自分を恥じ、両親のためにもなればと矯正プログラムを受け入れるのです。

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「両親のため」というのがポイントですね。しかも、父親はカトリック教会の牧師。身内に同性愛者がいるなんてことは許されるばずがない。それは、ジャレッド本人もよくわかっている。なので、自身が変わることで両親に平穏が訪れるのならばと矯正プログラムを受け入れた気持ちは痛いほど理解できる。胸が痛い……。

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施設での矯正プログラムは「洗脳」と「虐待」が合わさったようなもので、見ているのもしんどくなるほどであった。しかし、それを受け入れる参加者たち。なぜなら、自分が世間や宗教などからはみ出している、もっといえば背いていると思っているからに他ならない。

……でも、心は変えられない。そんなことは当たり前なのに、当たり前が当たり前として受け入れられない社会。それは社会の側に問題があるはずなのに、個人的な問題となってしまう。どうすればよいのかわからない…。

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#映画 #コラム #感想 #ある少年の告白 #018

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