〜「好き」の尊さよ〜映画「彼の見つめる先に」
身体がふわふわして、思わず頬がほころんでしまう。これが幸せな気持ちってやつなんだろう。高校生の恋愛話なんて関係がないと思って見ていたのに……。なんなら青春の甘酸っぱさなんてクソ食らえーー(涙)と思っていたのに……。やられたーーーっ。今、思い返しても胸のあたりがじんわりと温かくなる。ちょっと泣きそうになる。
舞台はブラジルのサンパウロ。高校生のレオは先天的に目が見えない。そのためクラスメイトの男子からイジメ半分、からかい半分の仕打ちを受けている。親友は幼馴染のジョヴァンナ。いつもそばにいてレオをサポートしてくれる。
ある日、レオのクラスに転校生・ガブリエルがやってくる。ガブリエルは巻き毛がステキな男の子で女の子からの視線も熱く、ジョヴァンナもひと目見て彼のことを気に入った様子。レオの後ろの席に座ったガブリエルは、レオの目が見えないことは気にかからない感じで話しかけてくる。そんなガブリエルとレオ・ジョヴァンナの二人は仲良くなっていく。
レオのお世話はジョアンナがやることが当然だった生活の中で、レオとガブリエルが二人で学校の課題をやることになったことから、徐々に3人の仲に変化が生まれてくるのです——。
目が見えないことからくる両親の過保護が鬱陶しく感じていたレオ。ガブリエルと出会い、普通の高校生と同じように映画を見に行ったり、夜中にこっそり家を抜け出して月食を見に行ったり、好きな音楽を教え合ったりしていくうちに、レオに新たな感情が生まれてくる。それはガブリエルも同じだった。
高校生の間に感じるであろう友人やクラスメイトとの関係。そして何よりも自分の美醜や性への目覚め。相手の気持ちがわからなくて、焦って空回りしたり、嫉妬したり…。
それは障害のある・なしに関わらず、みんなが通る道で、大人になったらそういったことから逃れられるのかと思ったけれど全く違った。だいぶいい大人になったけど、今でもモヤモヤ・あせあせ・ジタバタしている。これはきっと一生続きそう。
ただ、私はいくら年齢を重ねても変わらない事に気がついた。外野から人のことを茶化して、楽しんでいる人たちはいつまで経っても物語の主人公になれないってこと。失敗してもかっこ悪くても自分で決めて、自分で体当たりしていく以外、ずっと「外野のまま」だ。それは恋愛だけでなく、仕事でも人生でもそうだと思ってる。
今作の素晴らしいのが、劇中歌がベル・アンド・セバスチャン!!ってこと。青春の甘酸っぱさを加速させてくれてます。胸キュン♥ もうホントにずるいよー。こんなの好きすぎるわ。この映画が最高だってことは、開始5分で気がついてたけど……。いい映画の匂いがするんだもん。
そして、この画もずるい!!もう最高!!!ブラジル行きたい!