
〜世の男性たちに捧ぐ〜映画「パッドマン」
毎月一度、女にだけやってくるものがある。そう、それは『生理』。ハッキリ言って生理はめんどくさい!血が出るのよ。(血ですよ、あの血!女は血を流していても平然とした顔で日常生活を送ってるんです。男には無理だね。卒倒するんじゃない?)
お腹や腰がこの世のものとは思えないくらい痛い時もある。さらに生理前はホルモンバランスが崩れてイライラはもちろん吹き出物の嵐。胸も張ってチクチク刺すような痛み。書きたいことはもーーっとあるが、本題に入る前に疲れ果てそうなのでこの辺で。
とにかく始まった時から女の人生にとって切っても切り離せないのが生理、そして生理用品なんです!
今作はインドで妻のために生理用品を開発した男性のお話しです。実話に基づいています。 主人公のラクシュミはインドの田舎に住んでいて、手先が器用なため勤務先である修理工場でも一目を置かれている。母と二人の妹がおり、結婚相手であるガヤトリが妻として家にやってきて貧しくも幸せな結婚生活を送っていた。が、そんな幸せな生活を送る夫婦の妻にも月イチのアレがやってくるのです。
もちろん二人の妹にもアレはやってきます。
映画を見て驚いたことがたくさんあった。
インドでは『生理=血』ということは不浄な物で穢れとされ、1週間程度隔離して過ごす。それが専用の『小屋』だったり廊下だったりするのです。「えっ、マジっすか?」って感じなんですが、マジ本気なんです。
しかも、清潔な生理用品は高価なために使用せず、汚れで使い古された布を使っているのです。そもそも使い捨ての生理用品を買うという発想すらない。
生理用品の金額が約55ルピー。1000円程度の価値なんですが、1000円ってすごく微妙な金額。生理用品に1000円ってハッキリ言って今の私でも高い。それがインドの貧しい農村部ならなおさら。しかし、生理用品には1000円は出せないが、お布施には出すんです。しかも、苦しんでいる妻のために生理用品を買ってきた夫に妻は、「こんな高価なもの義母に怒られる、食費がなくなる」と言って泣くのです。
えっ?それは50年くらい前の話でしょって?いえいえ、なんと2001年のお話なんです。21世紀。ものすごく現代ーー!!そして、今も続いていることなんです。
驚きはまだまだ続くよ。当時、インドで生理用品を使っていた女性は約12%ときたもんだ。日本だったら、おそらく100%近く使ってるよね?すでに多種多様の生理用品があったもの。もはやため息しか出ない。
汚れた布を使うことによって感染症になったり不妊になったり、下手をすると死に至ると知ったラクシュミは、妻のために綿を使って生理用品を自作するのです。が、ことごとく失敗。
さらに女の股の間のことに首を突っ込むラクシュミは変態とみなされ、離婚話までに発展するのです。インド社会において生理はタブー。禁忌。たしかに今の日本でも生理の話ってしづらい。特に男性には言いづらい。生理休暇すなるものが存在するらしいですが、伝説の生き物レベルですもんね。
しかーし、このラクシュミさんは諦めなかったのです。(このあたり、この人の粘り強さは変態級だなと思わずにはいられませんでしたが。もちろんいい意味で…)家族も財産も全て投げ打って生理用品作りに没頭するのです。
そこで出会ったのがパリー。インドの都会で暮らし、大学教授を父に持ち、自身もMBAを卒業するという頭が良くリベラルな考えを持つ聡明な女性。
偶然の出会いから、ラクシュミの生理用品作りはもちろん生理用品や知識を広めるためのパートナーとなっていく。パリーのおかげもあり、ラクシュミは安価に生理用品が生産可能な機械を作り出すことに成功する。
生理は穢れたものでは決してない。生理がなければ子どもは生まれない。しかし、現代の日本に暮らす私でも生理の話はしづらい。なんで自分がこんなにタブーと思っていたのか不思議なくらいである。
生理用品があっても、使う人がいなくてはならない。そのために、パリーと共に生理用品はもちろん生理についての正しい知識をインド中に広めていくのである。
さらには生理用品の機械を安価で販売し、知識を伝えることで、農村部に暮らす貧しい女性たちの仕事として雇用を生み出すことに成功したのです。
ラクシュミさん、凄すぎるー!
実際のムルガナンダムさんのインタビューがハフポストに掲載されていたので、読んだのですが、
その時に、秘密を一つ知りました。神様がつくった地上で一番強い強い存在は、象でも虎でもなく、女性なんだと。だからこそ、僕は女性たちの役に立つために絶対にギブアップしてはいけないと、気持ちを持ち続けることができた
僕は次の世代についてこんな風に考えています。男性が力を持つ世界ではなく、女性たちがリーダーシップを取る世界を見てみたい。女性を支えて、力を発揮してもらう。そしたら、世界そのものの色が変わり、すごく美しい色を持った世界になるんじゃないかと思っているんです
こげなことを仰っておられます。もう涙しかないよ。゚(゚´Д`゚)゚。
ありがとう!ムルガナンダムさん!!
映画の中ではラクシュミとパリーの恋愛感情を巡る話も出てきますが、実際には恋愛感情はなかったとのこと。
しかし、パリーさん、めっちゃええ女やぁー。
私の中の2018年ベストウーマンです!!美女。あまりに美女!!