見出し画像

【考察】現代から読み解く——2025年を生き抜く『シンデレラ』はこうなる! #003

ディズニーのプリンセスの中でもいまだに根強い人気の『シンデレラ』。
元は世界中で語り継がれる有名な童話ですが、そのストーリーは時代ごとに異なる解釈がなされてきているって知っていましたか?

古くは中国やエジプトにも類似した物語があるらしく、話者などの影響を受け形を変えながら伝えられています。
本記事では、2025年の視点で『シンデレラ』を読み解いたらどうなのか、
「格差社会」
「外見至上主義」
「女性の主体性」
「テクノロジーの役割」
といった観点から考察していきます。

それでは早速見ていきましょう!

1. シンデレラと格差社会――階層を超える物語か、それとも偶然の成功か?

シンデレラは、継母と義理の姉たちに家事を押し付けられ、搾取される生活を送っています。
彼女がどんなに努力しても状況は変わらず、「生まれた環境によって人生が決まる」という構図が描かれています。

この設定は、現代の格差社会にも通じるものがありますよね。
たとえば、貧困家庭に生まれた子どもが十分な教育を受けられず、夢を持っていても叶える手段がない、といった問題は今もなお存在します。
シンデレラは「一夜の奇跡(魔法)によって人生が変わる」物語ですが、現代ではそれを「努力やスキルによって格差を乗り越える」と解釈することも可能です。

しかし、ここで問題となるのは、「シンデレラが本当に自分の力で成功したのか?」という点です。
彼女が舞踏会に行けたのは、魔法使いがドレスと馬車を与えてくれたからであり、最終的に幸せを掴んだのは、王子に見初められたからです。
つまり、彼女自身の能力ではなく、外部から与えられたチャンスが成功の要因になっています。

さら考えたいのは、「努力できること自体も才能」と言われることがあるということ。
例えば同じ環境にいても、モチベーションを維持してコツコツ頑張れる人と、そうでない人がいますよね。
つまり、「努力できる力」も、もともと持っている資質や育った環境の影響を受けるのです。

これを現代の視点で見れば、
• 「偶然のチャンスを掴むことも才能の一部」
• 「社会的支援(いまでいうと、奨学金やキャリアサポート)が人生の転機になり得る」
という考え方につながります。

2. 外見至上主義と「見た目で選ばれる」シンデレラ

シンデレラの成功要因の一つに「美しさ」があります。
魔法で美しいドレスを着た彼女は、舞踏会で王子に見初められます。
これは、「見た目が良ければチャンスを掴める」というメッセージを含んでますよね。

特にSNSが普及した今、外見が評価基準になりやすい環境が生まれています。
InstagramやTikTokでは、美しい写真や映像が評価されやすく、「映える」ことが成功への近道になっています。
シンデレラの物語は、まさに「美しさが成功をもたらす」という構造を持っており、これが現代においても再現されていると考えられます。

しかし、本当に重要なのは「外見だけで人を評価することの危うさ」です。
王子はシンデレラの顔を覚えておらず、彼女を探す手がかりとしてガラスの靴を使います。
これは、「人を単一の要素(外見、持ち物、学歴など)で判断することの危険性」を示しているとも考えられます。

現代からみるとこの王子はあまりイケてないですよね。
外見で人を判断したり、シンデレラを探すのにガラスの靴に足がはまるかという判断でしか持ち合わせていなかたり。
しかも探すのに自分は動かず人をつかう(家来)なんてどうなの?と思ってしまう。

3. 「王子に選ばれる」という受動的な女性像からの脱却

シンデレラは王子に「選ばれる」ことで幸せになります。
しかし、現代の価値観では「受動的な女性像」は批判されることが多く、女性が自分で人生を切り開く物語が求められています。

現代版シンデレラを考えるなら、彼女は王子に選ばれるだけでなく、自分自身で人生を選択するキャラクターとして描かれるべき。
たとえば、彼女が王子との結婚を通じて社会的な地位を得るのではなく、舞踏会で得た人脈を活かしてキャリアを築く、という展開も考えられます。

また、現代では「恋愛=ゴール」という価値観も変わりつつあります。
物語の最後に「王子と結婚して終わり」ではなく、その後の二人の関係性や、シンデレラ自身の成長が描かれることが理想的です。

現に最近のディズニーのプリンセスは「王子と結婚しました。ちゃんちゃん」という結末ではなく、自立した女性が描かれていますね。アナとエルサしかり、モアナしかり。

4. 魔法=現代のテクノロジー?

シンデレラが成功する要因のひとつに「魔法」があります。
これは、現代の視点で考えるとテクノロジーや教育の力に置き換えられるかもしれません。

例えば、SNSや動画プラットフォームの発展により、才能がある人は自己発信できる時代になりました。
もし現代にシンデレラがいたら、魔法を使う代わりにYouTubeでドレスの作り方を学び、SNSで発信し、注目を集めるといった方法で夢を叶える可能性があります。

結論:現代のシンデレラは「自ら夢を叶える存在」へ

『シンデレラ』は、「困難な状況を乗り越え、幸せを掴む物語」です。
しかし、これを2025年風に読み解くと「受動的に救われる」物語ではなく、「自ら行動して人生を切り開く」ストーリーとして再解釈することが求められています。

現代版シンデレラを描くなら、彼女は王子の救いを待つのではなく、自分自身の才能を磨き、社会で活躍する人物として描かれると多くの共感を生みそうですね。

もしかすると、次のシンデレラは「王子の舞踏会」ではなく、「自分自身の舞台」で輝く、つまり自分の力で新しい道を切り開く女性なのかもしれませんね。あなたならどんなシンデレラの物語を描きますか?

いいなと思ったら応援しよう!