インク沼とスタンプ沼の住民は『ウキデル』を使うべし
シヤチハタの、押した印影が塗ると浮き出るスタンプパッド『Ukidel(ウキデル)』。2023年に開催された、東京インターナショナルペンショーにてサンプルが配布され、約一年の時を経て2024年11月5日に一般発売された。
インクとスタンプを集めがちな、いわゆる“インク沼とスタンプ沼の住人”である私は、『Ukidel(ウキデル)』の一般発売を心待ちにしていたので、さっそく試してレビューしてみた。
『Ukidel(ウキデル)』とは?
キャッチコピーの通り、『Ukidel(ウキデル)』を使って紙にスタンプを押し、上から水性染料インキを使った万年筆インクや水性ペンを塗ると、白く印影が浮き出るアイテムだ。これは、『Ukidel(ウキデル)』が水性染料インキを弾く特殊なインキを使っているためである。
注意したいのが、『Ukidel(ウキデル)』はゴム印のスタンプを対象としたアイテムということ。クリアスタンプや消しゴムはんこには使用できない。特殊インキを落とすための溶剤が強く、印面を痛めてしまうそう。
新たなスタンプやインクの使い方として楽しめる『Ukidel(ウキデル)』。例えば、万年筆インクの色見本や、カード作りなどに使える。
セット内容は左上から、
専用補充用インキ(黒キャップ)
専用クリーナー(黄キャップ)
スタンプパッド
補充用トレイ(パッケージ上部の丸い部分)
取り扱い説明書
となっている。
専用補充インキと専用クリーナーがなくなってしまっても、シヤチハタオフィシャルショップにて単品で取り扱っているのがうれしい。
『Ukidel(ウキデル)』の使い方
『Ukidel(ウキデル)』はスタンプインキを自分でスタンプパッドに補充するタイプ。また、特殊なインキを使っているため、取り扱いに注意が必要だ。
初回準備
インキを染み込ませる時間が少々かかるので、余裕のあるときに準備したい。
1.パッケージから補充用トレイ(パッケージ上部の丸い部分)を切り離す。
2.補充用インキ(黒キャップ)を、キャップをしっかり閉めた状態でよく振る。本体を強く押すとインキが飛び散る恐れがあるので注意。
3.補充用インキを補充用トレイの内側の線まで入れる。
4.スタンプパッドのキャップを開けて、補充用インキを10分間染み込ませる。
5.補充用トレイのインクが全て吸い上がったら、準備完了!
実際に使ってみる
『Ukidel(ウキデル)』の他に準備するもの
必要なもの
ゴム印のスタンプ
水性染料インキの万年筆インクまたは水性ペン
スタンプを押す用紙
(万年筆インクを使う場合)絵筆
(万年筆インクを使う場合)絵筆を洗う水を入れたコップなど
スタンプや絵筆のお手入れに使う布やティッシュ
スタンプのお手入れに使う用紙
あるといいもの
(万年筆インクを使う場合)インクを入れるボトル
(万年筆インクを使う場合)インクを入れるスポイト
印鑑マットやスタンプマット
絵筆に残った水分などの混入、ボトルキャップを開けっぱなしにすることによる蒸発など、インクの経年劣化を防ぎたいなら、使う分だけボトルに入れるのがおすすめ。
また、印鑑マットやスタンプマットを使うと、紙にしっかりスタンプインクが乗りやすくなる。
『Ukidel(ウキデル)』を紙に押す
1.『ウキデル』を付けたスタンプを紙に押して10分待つ。
2.『Ukidel(ウキデル)』のインキが乾いたら、使いたいインクを塗る。今回は水性染料の万年筆インクを使った。
3.塗ったインクが乾いたら完成!
『Ukidel(ウキデル)』使用後のスタンプのお手入れ
どのスタンプインキでも、スタンプの寿命を延ばしたいなら、使用後はお手入れをおすすめしたいところ。特に、『Ukidel(ウキデル)』の特殊インキは固まりやすいため、使用後のお手入れが必須なのだ。
1.いらない紙にスタンプをインキがつかなくなるまで押す
2.専用クリーナー(黄色いキャップ)を数滴染み込ませた布やティッシュペーパーを使い、インキが取れるまでスタンプのゴム面に軽く押し当てる。このとき、ゴム面を強くこすらないこと。
3.お手入れ完了!
『Ukidel(ウキデル)』を上手に使うコツ
『Ukidel(ウキデル)』は特殊なインキを使ったアイテム。そのため、使い方に悩んでしまうことも。実際に使って掴んだコツなどをまとめてみた。
まずは説明書通りに使う
まずは説明書通りに使うのが成功のポイント。インキを乾かす時間や使うアイテムなど、書かれた通りに使ってみる。
例えば、万年筆インクをよく使う人は、広範囲を塗る場合、綿棒を使う方もいると思う。ただし、『Ukidel(ウキデル)』の場合は、絵筆をおすすめしている。実際に使ってみると、綿棒で塗った方の印影はぼやけてしまった。
紙との相性も大事
『Ukidel(ウキデル)』を使うときは、紙との相性も大事である。基本的に、“スタンプと万年筆インクがしっかり乗る、厚めの紙”が使いやすい。そのため、厚めの紙である画用紙やフールス紙などは印影が出やすい傾向にある。
コピー用紙は、水分の多いインクで書く場合、にじみやすい傾向にあるのであまり向いていない。
また、薄めの紙でもインクがにじみにくいノートやルーズリーフなどは、万年筆インクのベタ塗りには裏抜けのおそれがあるため向いていないものの、水性ペンなら使える場合もある。
スタンプの線とインク色にも注目
『Ukidel(ウキデル)』を使う場合、スタンプの線が“はっきりしているもの、デザインに面があるもの”の方が印影が出やすい。単純にスタンプに付くインキ量が増えるので、成功しやすいのだろう。
また、『Ukidel(ウキデル)』は「白く印影が浮き出る」スタンプインキのため、上から塗る水性染料インキは、高明度(=明るく白っぽい色)よりも低明度(=暗く黒っぽい色)の方が印影が出やすい傾向にある。
ただ、印影の出かたは個人の好みだと思うので、あくまで参考程度にとどめてほしい。繊細なスタンプデザインと淡いインクの組み合わせも、個人的には好きである。
インク沼とスタンプ沼を『Ukidel(ウキデル)』でもっと楽しもう
筆記用で頻繁に使うならまだしも、趣味で使う万年筆インクというものは使う量に対して、インクが入っている量が多い。その上、魅力的な色のインクを見つけると、思わず増やしてしまう。
そんなとき、インクをたっぷり使えて、その上スタンプまで楽しめる『Ukidel(ウキデル)』は、文具好きには2度おいしいアイテム。この記事を読んで興味を持ってくれたら、ぜひ試してみてほしい。
▼『Ukidel(ウキデル)』はこちら。
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▼Instagramもやってます。『Ukidel(ウキデル)』にインクを塗っている様子を動画にしていますよ!