見出し画像

天下五剣(かかあ天下)

 結婚をすることを考えたころから、相手はいなくとも、仕事を辞める自分は想像できなかったのと、家庭生活家事育児に苦労していた(実母にすべて任せていた)母の姿しか見ておらず、共働きで家庭を維持するためにどう効率よく動いたらよいのか?実家の2親等以上に頼られること「」っても、支援されることは不可能とわかりきっていたので、子どもを育てることはAC(アダルトチルドレン)の自覚もあったので考えたくなかったものの、ワーキングマザーに関する勉強をたくさんしていた。勉強と言ってもネットや本だけど。無茶苦茶頭でっかちになっていたが学生時代の家庭をもつ母となった友達とあった時、その差にびっくりした。共働きの極意(家電、時短、病時保育)といったヘルプに関する知識がほとんどなかった。比較的近い距離に実家があるからいいか、だったのにはびっくりしたが、これが実情なのだろう。だから話が合わないっての。
それはおいといて、私は共働きで家事負担等をどうしていくのかということにはかなり情報を持っていた方だと思う。しかし使えなかった。相手が悪かったと気が付いたのはしばらく経ってからだ。完全に使えないことに気づいたのは最近である。 
作戦変更。
それまでは、一般的な、「男性が引き受けたくなるようなお願いの仕方をしています」だとか「紙に書いて共有しています」とか「振り返りの時間を持ちます」などというのも読んだので試してみた。最近、ようやくわかった。奥さんと協力して家事育児をできるイクメン、あれは定型発達の範囲の方々なのではないか。
私は旦那に対して、なにが問題だったのかと考えた時、旦那は上記の具体的な「 」内事例をしたところで、極端な認知の仕方であるために、指示ややるべきことが届いていないのではということに気が付いたのであった。
たとえば、お願いの仕方を変えたところで、指示を聞く、話を聴くということがなっていない、態度が悪いからこちらがプンスカ、ということだけではなく、「相手の指示を聴いてそのようにやるのが良い」と微塵も思っていない。「俺なりのやり方でやり終えればそれでOK。できなくても頑張る。それが一番大事☆」の大事マン☆であるのだということがわかってきた。その姿勢を崩さない限りは、私の望む家事育児掃除(ふつうです)はいつまでたってもなされるはずがない。大黒柱無理、家計はできる分しか払えません、ないの払えない当たり前でしょと半ば逆切れ気味の旦那(いうなら子どもできる前に言ってほしかったと思う)を、どうして広い心でうけとめることができるであろうか。「こうやって、と言ったでしょ」「ここにも書いたでしょ」と、一通りのところをやってみたのであるが、俺が一番大事な大事マンは、いまさら自分のやり方を変えられないようで、書いてあるところを読み飛ばす、言ったことも聴いていない(どういうわけか残っていない)、といったことの繰り返しで、だったらメモを取る私の苦労は無駄になるので口頭指示をその都度くどくどすることにした。これは私にも選択権があるだろう、私だってやりたくない方法はやりたくない。記録をして指示したところで「わかんなかった。〇〇だと思った。」とまるで私の書き方の方が悪いような言われ方をするのだ。私にもやり方を選ぶ権利はある。たとえそれがけんかの原因になろうとも。

一昨日までは、そう、けんかの原因になっていた。口で伝えるということのデメリットはレスポンスが早い代わりに言い合いになることもある。しかし、私はだんだん理解した。旦那が理解できる言葉で伝えればいい、ということだ。話は聞かないのだが、聞こえはするので、聞こえ度抜群な単語を並べることを試してみた。それが先日の「私仕事辞めるから!!」である。翌朝、働き者になっていた。普段より私の意図をくもうとしていた。

そして、朝の身支度では、いままで子どもの世話をしていたが、旦那の行う子どもの世話を観察することにした。モレヌケはその場で指導するに限る。子どもの特性を、解説しながら旦那のやり方を評価する。
たとえば、旦那が粉薬服薬の水をコップ半分くんでくる。子の目の前に「お水と混ぜて飲むの?」とききながら置く。私が「この水の量で混ぜたら飲みきれないから多いでしょ」と言っている間にADHD娘がもう薬投入してまぜる。飲む。最後の一口吹く。私「水多いって言ってるでしょうが」旦那「のどを潤してから飲むかと思って。奥さんそこにいるし。」「目の前でやらせないとできないよ。水の量はあなたが汲んでるし指示出しながら移動しても聴かないよ。目の前でやらせな。私はあんたの監視。」旦那苦笑い。いつもならブツブツ切れ気味にいうけど、今日は私がさきに切れておいた。ウチの天下五剣とやらの一つ。良い感じで刺さったようだ。
旦那を家庭で使える男にする対応は、「やる気を出すようなお願いの仕方」でも「紙に書く」でも「振り返りの時間をもつ」でもなく。

 弱みと思われる部分にさらに味噌を塗りこみつつ一気にブス!と差し込むようなキレのあるパワーワードを言い聞かせるということだった。発動しない。スイッチ入らない。
これはどこにも載っていない。でも真理なのだと思う。真理だと思う根拠はまたいつか。