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Revit LT×Twinmotion 最強タッグ

※アトリエ同業者・学生向けの記事となっております

モデリングソフトとCGソフトについて考える

1.Twinmotion 無料化スタート

 多くの方に朗報です!
 2024年4月下旬から、Twinmotionの無料ライセンスが始まりました。

正確には、
「TWINMOTION は学生、教育者、アマチュア デベロッパー、年間総収益が 100 万ドルに満たない企業であれば無料で使用することができます。」
ということで、多くのアトリエ設計事務所で実質無料で使えることになりました。

  今までLUMION 12pro 買切り版を使用していましたが、今後のアップデート等も考えるとTWINMOTIONに移行しようか検討中です。

Revit LT × TwinmotionによるCGパース 作成例


2.Revit LT + AutoCAD + TWINMORION の価格

 また、Revit LT + AutoCAD suite は、税込102,300円(/1年)で購入できるため、約10万円で、作図+CG作成に必要な、Revit LT、AutoCAD、Twinmotionのすべてがそろいます。(※2024年4月時点の価格)

 ちなみに、Revit (フルスペック)になると、427,900円(/1年)となり、急にランニングコストの負荷が大きくなります。ただ、ゼネコンや大手組織設計で扱うような超大規模プロジェクトでない限り、Revit LTで十分対応可能というのが実務における感触です。

 Revitと比較対象になるソフトウェアとして、ArchiCADが有名ですが、下記の価格(2024年4月時点)となっており、バージョンアップ等も考慮するとやはり、Revit LTのコストパフォーマンスが一番と考えています。
・Archicad 27 Solo   税込 779,900円(サブスク:税込 310,200円/1年)
・Archicad 27      税込 1,299,100円(サブスク:税込 434,610円/1年)

 Revit LT はAutodesk社製品のため、AutoCADとの連携はスムーズで「作図において何かが足りない」ということがほとんどなく、しいて言うならば、無料ソフトであるJWCADとの相性が悪く、文字化けしてしまうのが玉にキズです。
 小中規模のゼネコンさんだとJWCADを使用していることが多く、サブコンさんもJWCADであることがあるため、施工段階でのやりとりに少し手間がかかることがありますが、それ以外は、実務で困るポイントがあまり思い浮かびません。


3.作図ソフト と モデリングソフト

 私が学生のころは、モデリングソフトといえばForm Zでした。
モデリングに関心が高い人は3ds MAXを使い、私はどちらも使えなかったのでAutoCADで3Dを立ち上げる程度のことをしていました。
 今の時代の学生は、rhinoceros か SketchUPが多いようですね。

 でも、私のお奨めは、Revit LTで、作図もモデリングも同時並行で。

 rhinoceros か SketchUPは、モデリングは得意でも作図は不得手と思います。ただし、複雑な曲面や、grasshopperのようにパラメトリックな検討、細かいディテールを追求する場合にはrhinocerosがいいかもしれません。
 ただ、そういった複雑な条件を検討する機会は正直少ない、です。

 「2Dの作図しなければいけないのに、3Dモデリングは別ソフトでしないといけない、さらにレンダリングはさらに別のソフトで作成しなければいけない。修正が出たら、2Dも3Dも修正しないといけない」と、ひとつの作業が2倍にも3倍にもなる状況で、果たして仕事はうまくいくのか。
 若いうちは、なんとか馬力でなるかもしれませんが、作業が増えれば増えるほど、手を分けて人を増やしていくことになるのが実情ではないでしょうか。

 使いやすさ・アウトプットの高さ・費用・効率の4つの観点において、
ゼネコン設計部、組織設計で働いた経験をもとに、私がおすすめするのは、「多くの人に汎用性の高いソフトウェアとして、断然Revit LT」です。


4.ゼネコン・組織設計での使用ソフトについて

 では、大手の会社で使用しているソフトは何かといいますと、私は会社員時代、大成建設の設計部と、日本設計のふたつの会社でお仕事をさせていただいていました。
 その際に使用していたソフトは、2社とも共通している部分があります。

① 実施設計:AutoCAD
 理由は、AutoCADユーザーが圧倒的に多く、マンパワーをかけることが容易だからです。逆にRevitの使い手は限定的で、あらかじめ対応可能な技術者を確保しないと、期日の厳しいプロジェクトに対応できないためでした。

② 基本設計:Vectorworks または Revit 
  こちらも理由は明確で、Vectorworksの強みは何といっても色塗り
基本設計段階では、視覚的にわかりやすい図面とすることで、施主打合せにおける資料づくりが簡単になります。
 ささっと、階構成をレイヤーを分けて作図可能なため、概念的な基本プランを作成しやすいのです。

 Revitが発売されてからは、Vectorworksの代わりに、Revitを基本設計で使用するケースも増えていました。BIM推進をするという大きな流れは別として、色塗りは比較的容易で、面積計算を自動で行ってくれるため、面積管理が重要な基本設計で重宝することと、作りながらざっくりとした3Dイメージをすぐに確認できる、ということが強みだから、という理由でした。

 ただ実施設計については、私が在籍中は、2社とも世の中のBIM推進の流れを受けて、「実験的に、実施設計までひとつのプロジェクトをBIMで完結させよう」という程度の動きでした。

 というのも実は、BIMは納まりが比較的シンプルなRC造や木造とは相性が良いのですが、鉄骨造の場合、その複雑なディテールをモデルに反映するのは困難なため、簡略化したものをモデル化することになり、詳細図は別途AutoCADで作成するというのが実情でした。
 そのあたりの勘も、BIMの操作知識だけでは判断が難しいこともあり、納まり上の知識をもったオペレーター養成が必要な点もハードルのひとつになっていました。

 一方で、先述した通り、木造やRC造であればそこまで複雑なディテールが少なく、BIMとの相性が抜群のため、実は鉄骨造が多い大手設計事務所よりもアトリエの方がBIMソフトと相性がいいのではないかと密かに思っていたりします。

4.独立を見据えるならRevit LT

 学生の時は、ソフトを絞ると就職活動で幅を狭めてしまうことになるため、いろんなソフトを使った方が良いと思います。
 一方、もし独立を考えているなら、最終的にはRevit LTがおすすめです。

Revit LT によるボリュームチェック 作図例(企画レベル)

 それは、なぜか。
 独立すると、会社員時代よりも一人でやらなければいけないことが、
 確実に増えるからです。


 ・ボリュームチェックの検討
 ・客先打合せ用資料の作成
 ・基本図面の作成
 ・実施設計図の作成
 ・詳細図の作成
 ・条例資料の作成
 ・見積図の作成
 ・パースの作成
 ・上記の修正作業で延々と繰り返し、、、

 上記に加えて、事務所として処理する経理他雑務など、、、

 その際、作業効率をUPさせることは、致命的なほどに重要です。
そして、小規模事務所であればあるほど、大手の会社ほどバックアップ体制は心もとないため、自分自身が最後の砦になる、というのが大きい点です。

 つまり、作業効率のUPだけでなく、効率化することでミスを最小限に抑え、品質管理にもつながるということが最大のメリットと思います。

Revit LT ⇒ TWINMOTION 10分で上事例のようなCGが作成可


5.まとめ

 〇学生や、若手設計者へのメッセージとして、、
いつか独立して自分で仕事を完結させたいという想いがある人には、
Revit LT+Twinmotionがおすすめ。もちろん、昨今のBIM推進の追い風をうけて、ゼネコンでも組織設計でもRevitユーザーは重宝されます。
 
 〇予算に余裕があるのであれば、レンダリングソフトとしては、LUMIONもおすすめです。こちらについては、また別の記事でご紹介します。

 〇ディベロッパー・地主様(ご依頼者様)へ
 ボリュームチェック段階でも、平行してすぐに簡易パースの作成ができますので、とりあえずボリューム感をイメージしてみたい等のお問合せも、お待ちしております!

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