パワハラに対して思うこと
このあいだ友人から聞いた話が衝撃的だったので、職場でハラスメントにあった女性について考えてみたいと思います。
彼女は東京出身で有名私立大学を卒業後、
地方で公務員(専門職)として働いていました。
その職場は大学で取得した資格を活かして色々企画提案できる環境だったものの、とんでもない上司が2人いました。
特にその組織でトップだった上司は、
以前の担当者が原因で起きたミスの責任を彼女に押しつけ始末書を書くように言ったり、
誰もやりたがらない業務を真っ先に彼女に押し付けたり、上司がすることとは思えないような言動を繰り返していました。
そして係長の女性も上司の理不尽なパワハラをかばうことなく、彼女に対して“学歴はひけらかさない方がいい”だとか“子供を産んでも育休は取らないで”というようなとんでもないことを言ってきたということでした。
友人曰く、彼女はとても謙虚で黙々と仕事をこなす優秀な人ということなので、決して学歴をひけらかしたりしたことはなかったと思います。
そういった環境で、彼女は誰にも相談せず数年耐えていたのですが、アトピーが再発して皮膚や爪がボロボロになってしまい、夜も眠れない日が続き、とうとう限界がきて退職をする決断をしたのです。
その話を聞いたとき、なんてひどい上司なんだろうと思ったと同時に、もし彼女が誰かに相談できていたら、結末は違ったのだろうかということが頭をよぎりました。
きっと彼女は、パワハラについて人事に訴えたら、組織に居づらくなって辞めるしかない、
だからそこで仕事を続けるためにじっと我慢していたのかもしれません。
でもそこまで体と心が限界になる前に、誰かが気付いて手を差し伸べていたら、違う結末になったかもしれないと思うとすごく残念な気持ちになりました。
しかし彼女はすでに東京で転職先も決まっており、もうすぐ引っ越すということだったので、
心機一転環境を変えて新しい職場に行くという選択ができて、良かったと思います。
転職活動ができないほどに追い詰められて、再起不能な状態までにならず、本当に良かった。
ただ、友人が言っていたのは、
組織にとって彼女のような優秀な人材がいなくなるのは相当なマイナスになるということでした。
いや、本当にそうだと思います。東京から地方自治体に就職して、地域を活性化するために一生懸命頑張ってきた将来有望な彼女を潰してしまうなんて、これからその組織が変わらない限り、きっとまた同じことが起きてしまうでしょう。
そのためにはどんな言動がハラスメントになるのか徹底的に研修などで周知をして、未然にそういったことを防ぐ努力を組織内ですること、そして問題が起きても、悩みを相談できる環境を作り
、絶対に当事者を一人にしないことが大事だと思います。
組織内で全て出来ないなら外部の相談窓口や医療機関、社外のカウンセラーと連携して取り組むこともできるし方法はいくらでもあるのだから。
大事なのはハラスメントは絶対に許されないという意識を組織に根付かせることではないでしょうか。
私自身も古い体質の企業で働いていた時は、
とても封鎖的で、女性はお茶汲みも仕事のうちのような雰囲気のなかとても息苦しかったのを覚えているので、そういう意識をガラッと変えることがどれだけ難しいのかは理解しています。
しかし、ハラスメントを受けたのが自分の家族や大事な人だと想像したら、居ても立っても居られないはずです。
世の中は変化しており、性別や年齢、国籍、障がいのあるなしに関わらず誰でも活躍できる環境がどんどん広がっています。
日本でも、育児や介護と仕事の両立をサポートしたり、LGBTQの社員への理解がある会社も増えています。
そんな魅力的な会社が地方にも増えたら、
人口が増えて、税収も増えて地方がどんどん元気になるかもしれない。
色々な課題はありますが、そんな日がくることを心から願っています。