【観劇】推しの子/東京ブレイド
開演前
シアターHにて公演中の、演劇【推しの子】2.5次元舞台編を見てきました。
Amazon Primeの実写ドラマでは東京ブレイドがドラマになっちゃってたので、今回の舞台化をとっても楽しみにしていたのです。
シアターHは最近できた劇場で、東京モノレール大井競馬場前駅に初めて降りました。物販でパンフを購入し、二階の展示コーナーへ。
出演者への花が展示されているのですが、ちゃんと「今日あま」から有馬かなと鳴嶋メルトに、「今ガチ」から黒川あかねと星野アクアに、B小町のルビーとMemちょから有馬かなに、それぞれなるほどこういう感じだよね!という花が展示されています。こういう世界観の演出、大事すぎる。
ちなみに、演劇推しの子のパンフの他に、東京ブレイドのパンフ風フォトブックが売っていたので買いました。東京ブレイドの方は、金色の糸で和綴じになっています。薙王とハバキのビジュアルも載ってたら最高だったのに…
第一部
基本的には原作やアニメを履修した人を対象にしているため展開はハイスピード。第一部は稽古のシーンがメイン。
驚いたのは、回想や別場所のシーンなどがちょいちょい挟み込まれるため、衣装の早替えが多いこと。
稽古着から私服や制服とかはまだしも、東京ブレイドの衣装になったり戻ったり…ウィッグも付け替えてる!すごいな…
演出で面白かったのが、ゼッケン芸。
スタンドイン(代役)で使うようなゼッケンやビブスに「モ」「デ」「ル」(後ろを向くと「打」「上」「げ」)とか「台詞」とか「強火」と「新規」とか書いてあって、情報量を付加している。すごくわかりやすい…
スマッシュヘブンは、客席降りありの舞台なんですね。
調子に乗って曲にあわせて拳を振りあげたのですが、周りの人はあんまりやってなかったな…こういう演出、自分も舞台の一部になれた気がして好きです。
あと「キャラメルなんとか」「なんとかボックス」「キャラメルボックス」言っちゃってるじゃん。「タイムスリップしがち」に私は大笑いしたのだけど、一部の人間にしかウケてなかったw
鴨志田さんのナンパのシーン(原作では相手はルビー)、A9に座ってる人がナンパされてました。
男性が座っててもその席の人がナンパされるのかな…
雷田さんが第一部の狂言回しなので、すごく力量が感じられた。安定感抜群。
有馬かなと黒川あかね、どっちもアニメから抜け出してきた?と思うほどアニメの声や芝居に寄せている。すごい。
でもこんなにそっくりにしなくてもいいんじゃないかなとか思ったりもした…元から声が似てる方がキャスティングされてるのかもしれないけど…
鳴嶋メルト、下手な演技がうまい。
確実に下手な演技だって伝わるのはうまいってことだ…
鮫島アビ子先生と吉祥寺頼子先生のシーンすごくよかった。
幕間のアナウンスが東京ブレイドの開演前アナウンスになってるの、心憎いー!
こういう現実と虚構が入り混じるのが舞台の醍醐味だなって。
第二部
冒頭は、みたのりおの生着替え。
ちょいちょい舞台裏を挟むが、第二部は基本的に東京ブレイドの舞台が進行する。
ブレイド、姫川大輝の時のボソボソしゃべりとうってかわって華やかな芝居。これを生で浴びれたの嬉しい…!
安西慎太郎さん、朝日のような夕日をつれてでゴドー1をやっていらっしゃったのが初見だったので、2.5次元病を思い出しました。ブロマイドの売り上げはどれだけ演者に還元されるんだろう…?
鞘姫、歌がうまい…
新約リリウムでリリーをやられていたようなので、新約リリウムやっぱり見たいな…と思うなど。
というか、鞘姫の父、薙王(演:馬場良馬)めちゃめちゃかっこいいじゃないですか…!GOA役だけかと思ってたら…ハバキも美しいし…出番少しなのに、印象に残ります。え、ブロマイドなんで薙王とハバキのCP無いの???パンフ風フォトブックに載せるべきでは???
推しの子、アニメを見ても原作を読んでも、東京ブレイドって結局どういう話なのかさっぱりわからなかったのですが、この舞台を見てようやく理解しました。ちゃんと話あったんだ…
ブレイドは、刀とともに捨てられていた孤児。
よろず(実は大風水師)というじいちゃんに育てられていたが、16歳になり刀に選ばれ剣士の力を目覚めさせた。消えたじいちゃんを探しに東京へ。
強い相手と戦うことが大好きで、戦い終われば皆仲間という考えの持ち主。
勝った相手を従えていくことになる。
つるぎは、母しろがねを探して東京に来ていた。国盗りの力を求めていたが、ブレイドに負け仲間となる。
キザミは新宿クラスタのリーダー。
部下思いの気のいい奴。
ブレイドに負け、新宿クラスタのリーダーを譲り仲間になる。
匁は、渋谷クラスタから新宿クラスタに潜入していたスパイ。
だが渋谷クラスタにも新宿クラスタにも不満を持っていた。
キザミやブレイドの毒殺を試みるが、別の部下がつまみ食いで毒入りの食事を食べてしまう。
キザミは匁を信じていたが、匁に返り討ちにあい傷を負う。
匁は、渋谷に逃げる。
渋谷クラスタは、鬼と人間の血を引く鞘姫を頂点とした組織。
鞘姫は戦いを無くしたいと思っている平和主義だが、術者ナカゴの「争いを避けようとするほど、血が流れる」という言葉に新宿クラスタとの合戦を宣言する。
匁を追ってきた新宿クラスタと渋谷クラスタの抗争が始まる。
鞘姫の許嫁である刀鬼も、鞘姫のため戦うが、ブレイドとの戦いでピンチに陥り、鞘姫が身を挺して守る。
刀鬼覚醒、刀を捨て、鬼の本能で戦うがブレイドに負ける。
戦いが終わるが、傷を受けた者の傷も塞がっているのに鞘姫だけが実際に受けた傷に対して重症である。
なぜなら、これは鞘姫の盟刀・桜花の力。
本来は自分の受けた傷を配下に移すという使い方だが、争いを好まない鞘姫は、負傷者の傷を自分に移し替えていたのだ。
味方だけでなく、敵の傷さえも。そして毒を飲んだもののダメージさえ引き受けていた。
それに気づいたブレイドは、桜花の本来の使い方で力を使い、鞘姫を助けたいと思った仲間全員でその傷を引き受け、鞘姫の命を助ける。
鞘姫も助かり大団円。
だが、その間に匁は千代田クラスタに逃げていた。
ブレイドは強い相手と戦うため、つるぎは母を探すため、鞘姫は争いの世を終わらせるという目的のため、刀鬼も仲間に加わり(鞘姫は戦わないので渋谷で待っている)、次は千代田に向かう。
と、こんな話でした。
歌あり、ダンスあり、アクションあり、エンタメ性の高い、これぞ2.5次元!といった感じです。
東京ブレイドの舞台が終わっての舞台挨拶、姫川大輝があまりに塩なので、2.5に慣れている鴨志田咲夜がしきるとか、すごくわかる…と思いながら見てた。
つるぎは、演じているベースがアイドル有馬かな!という感じで覚醒後キラキラしていてかわいかった…
東京ブレイドの初日の幕が下り、乾杯をしている舞台裏、そしてその場にいない、姫川大輝とアクアだけのシーンで全体の舞台の幕が下ります。
舞台東京ブレイドの終わりで終わっちゃって多幸感いっぱいでい終わってもいいのかなーとも思いましたが、これは演劇「推しの子」なのでそうはいかないんですね…
終演後、東京ブレイドのビジュアルチケットが出口で配られていました。
こういうの嬉しい…
一粒で二度おいしい
「推しの子」と「東京ブレイド」の二本の舞台をみたような(ついでにスマッシュヘブンも)、一粒で二度おいしい舞台でした。
入れ子構造の舞台ってそんなに珍しくはないけれど、自分も観客としてその場にいる舞台の、表と裏が見られるのって、ただ演劇を見るだけではない体験という感じ。
あと終始演出家(金田一)は舞台に出てこないのもよかったのかもしれない。
劇団ララライのメンバーは劇団員で構成されていたり、アクア役の小宮璃央くんは普段映像芝居がメインだったり(全領域異常解決室の最終回も帰ってから見た)、さらに現実という大きな入れ物の中からメタとして楽しむというオタクの性が刺激される、それこそ「推しの子」の物語の一部に加担している気になれました。
当日券や配信もあるみたいなので、気になった方はぜひ。
ただし上演時間が3時間あります。