物乞いをしていた人との話

こないだの日曜日、所用を済まして、難波というか湊町の高速入り口付近の堀(で分かるかな)の橋の上で物乞いしている人がいた。

その人は、座り、両肘を地面について祈るような姿勢で座っていた。

手には透明の長方形のケースを乗せていて、多分、そこにお金を乗せてほしいんだろうなと思ったので、財布から1000円を取り出してそこに乗せた。

風でお札が飛ばされてはいけないので、ケースをコンコンと指で叩いて、その人に知らせた。

その人はありがとうございますと言った。自分はその場を立ち去った。

少し歩いたのだけど、その人のことが気になって仕方ない。それに、1000円を渡したが、お金が無くて物乞いをしている大の大人に1000円を渡したところで、どうにもならないだろうと思ったので、引き返した。

その人はまだ同じところで同じ姿勢でいた。

真夏なのに日向にパーカーを頭まで被り座っている。

自分はその人のところに行き、2000円を渡して、さっきと同じようにケースをコンコンと叩き、その人にそれで足りますか?と聞いた。

その人は「2日間何も食べてません。日雇いの仕事をしていたのだけど、緊急事態宣言でたやろ。あれで仕事がなくなってしまったんです。」と言った。

少し無精ひげが伸びて、顔は痩せこけてしまっていたが、30代から40代の男性だった。

自分は財布に残っていた5000円札を渡して、これも使ってくださいと言った。

その人はこんなにもらっていいんですか?と言ったが、自分からすると、2日間食べてなくて、無職の大人にはそれでも足りないんじゃないかと思った。(5000円渡すのは、正直少し躊躇したけれど)

そして、ここは暑くて危ないので、場所を移動したほうがいいですよと伝え、その人もとりあえず、このお金でなんとかなる(的なニュアンス)から移動すると言って移動していった。

帰路についてからも、その人のことがずっと気になった。

自分の彼に対する行動は充分だったのだろうか?

もっと他にできたことはなかっただろうか?

もっと話を聞いておくべきだっただろうか?

次に同じような人を見かけたら、よりよい応対ができるようにしたいなと思う。

終わりです。

いいなと思ったら応援しよう!