今日気になったニュース 2020/12/7
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今日というよりも正確には昨日のニュースではあるけれども,まずははやぶさ2の帰還を喜ぼう.科学的な意義は大きいし,これからのプロジェクトにも注目が集まるだろう.
宇宙開発,いや正確には宇宙を探索したり利用するための技術開発は実際この数十年の間に身近に感じるようになったのだろうか.日本国内に関して言えば僕にはむしろ遠いものになったように感じる.確かに大学や民間企業が人工衛星を製作し,宇宙空間で何か実験をするということは増えたと思う.
天気予報や衛星通信,衛星放送は確かにこの数十年でインフラと化し地上での僕たちの生活を支える上でなくてはならないものになっている.もちろんこれは最新のエンジニアリングによって実現されていて,ここまでたどり着くために多くの技術革新が必要だった事も事実だと思う.
だが相変わらず宇宙という新たなフロンティアは憧れを抱く遠い存在であり,身近な現実と感じる事ができる人はごくごく一握りに限られると思う.多くの人間にとって宇宙工学の発展よりも自分の所得や隣国との緊張の方がよっぽど関心があるはずだ.
かつてSFなどで描かれた宇宙で学術的目的以外で働くという選択肢は未だ存在しない.数十年で近付きはしたが多くの人が宇宙空間で仕事をするというものはまだまだ未来のことと言えるだろう.地球上で暮らしていればこの星にあるものが全てであるように感じるし多くの人にとっては実際に全てだと思う.だが鉱物資源や実験環境などは宇宙空間にある他の星や小惑星のような場所の方が優れるものも多くある.地球上で一部からしか産出できない地下資源を求めて外交で争う事は結構だが,視野を広げれば宇宙空間に数多存在する星から探す事も出来るはずだ.
人間は目の前のひとつの甘い果実よりも1年後に甘い果実を困る事なく確保するための行動ができる数少ない動物のひとつであると思う.かつて新たな植民地や市場を求めて大海原に漕ぎ出したように宇宙に多くの物を求めて大規模に進出を行う未来は決して遠いものではない.きたるべきその時に備えて,技術力や法整備などの準備を十二分に行うためのリソースを配分することは子や孫の世代のための大切な投資だ.
宇宙で人間が経済活動を行うために,宇宙をより当たり前のフロンティアとするために,宇宙というフロンティアを活動の場と出来るのは国の機関のみであるという暗黙の了解を打破し,民間による貪欲な宇宙進出が今後大きな流れになって欲しいと思う.