見出し画像

守るだけでは楽しくない! 変革と挑戦は最高の楽しみ!

※この記事は、2012年8月22日に取材した内容です。

今回インタビューした社長はこちら!

近畿刃物工業株式会社 代表取締役 阿形 清信 氏

■ニッチなダンボール刃物に特化し、深掘りする道を選択

ダンボール加工機械の刃物メーカー、近畿刃物工業株式会社は、国内唯一のダンボール刃物専業メーカーだ。

創業当時、ダンボールの加工機械は海外輸入が主で、その加工機械の刃物が持ち込まれ、複製してほしいという依頼に応えるところから事業が始まったという。
だが、次第にクライアントの要望に応えようと様々な刃物を複製する仕事を請け負うようになった。

「それをどんな機械に取り付けるのか、何を切るのかすらわからないまま、持ち込まれた刃物と同じ物を作って提供していました。産業用刃物は範囲が広く、言ってみれば何でも屋になっていた。結果、その各刃物の付加価値すらわからず、価格をクライアントに聞く始末。ただ作れば良いと思っていたんです」と語るのは、代表取締役である阿形清信氏だ。

次第に膨大な種類の刃物を作る中で限界を感じた同社は、改めて原点に回帰するべく起業のきっかけとなったダンボール刃物専業メーカーの看板を掲げて勝負することにした。
「『何でもできる=何もできない』ということ。当社の強みはやはりダンボールの刃物で、他社よりもダンボール刃物のノウハウを蓄積していた。

その強みを伝える『専業化』によって、お客様は減るがビジネスは広がると確信していました」

製品写真

■自己満足が従業員満足となり、顧客満足につながる!

顧客満足という言葉が一人歩きするのは間違っている、と阿形氏。
「自社の資産をすり減らし、苦しみながら顧客を満足させるのは限界があります。あくまで自分や従業員が幸せで笑顔じゃないと、私自身が面白く感じないし、顧客満足なんて実現できません。だから、まずは自己満足。自分が満足しているか問うてみることが大切です。自分が楽しんで仕事に取り組んではじめて、お客さまは自社のファンになってくれるのです」

ニッチなダンボール刃物専業メーカーに尖って事業を展開したのは、必要な加工技術を取得し、最適な人材育成を行うことで様々な成果を生むためだった。
これにより、着実に進化していく近畿刃物工業が、楽しみながら満足できる仕事をする源泉となっている。
この考え方は、近畿刃物工業のあらゆる取り組みに反映されている。
例えば、会社のイメージとして阿形氏発案の仁王像と七福神をモチーフにした社員が船に乗っているイラストが描かれている。

「面白いでしょう(笑)このイラストは今の近畿刃物工業を描いているんですよ。この船全体を見守る仁王像が私(守護神)。笑顔の社員たち(七福神)と一体になって、会社という船が世の中の荒波を乗り切って行く様子を表現しています」

変革と挑戦も経営や仕事に対する考え方ひとつだという阿形氏。

「何かに取り組もうとする時、経営者は常に会社のことを『自分ごと』として事前の一策を考えなければなりません。その『自分ごととして考えること』こそが、スピードが伴った変革と挑戦につながるんですよ」

■人を驚かせ、人を笑顔にする会社をめざす

常に変化と進化を続け、挑戦する会社をめざすという阿形氏。

「人をもっと驚かせたいし、もっと笑顔にしたい。そう考えれば常に変化を志すようになります。新しい機械を一台入れれば仕事のボトルネックは変化し、 人の動きも変わる。その変化を見れば、またさらに新しいことを考えて…と、変革や挑戦に取り組まずにはいられなくなるはずです」

利益追求は二の次、経営とは生き方だという阿形氏。
この会社はどんな生き方をして、何をめざしているのかが伝わればいい、と。

最後に将来の夢について尋ねるととても面白く、興味深い答えが返ってきた。

「仕事ができて元気な限り、年齢に関係なくずっと雇用する会社をめざします。つまり、定年を越えた真の終身雇用。こうした取り組みによって、 社員に会社の方向性が伝わり、安心して楽しく働いてもらえる環境が提供できると信じています」


■MOBIO担当者 兒玉のコメント

切らなくていい所にも注目!
得意先の工程を知り尽くすことで、切る所と切らなくていい所のメリハリをつけた仕事をすることが自分満足・顧客満足になる!
挑戦を継続される阿形社長からはこれからも驚きが生まれると感じた取材でした。


■そのほかの社長インタビューはこちら

■MOBIO常設出展企業一覧はこちら

いいなと思ったら応援しよう!