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3Sで変革に成功し、自社ブランド商品で新たな挑戦
※この記事は、2014年6月5日に取材した内容です。
今回インタビューした社長はこちら!
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■変革と挑戦の第一歩、それが3Sだった
製缶・板金加工、液晶画面表面のフィルム加工などに用いる乾燥機の炉体、さらには省力化・自動化機械などの設計・製作を行う株式会社山田製作所。
現在は3Sで企業変革を実現した会社として、世界中から会社見学希望者が集まる。
代表取締役の山田 茂 氏によれば、そんな山田製作所も1999年までは社員9名のごく普通の町工場だった。
「工場の床は土のように汚れ、機械の周囲には工具が散乱していた。最新機械もオンリーワンの技術もなく、扱う商品はすべて1点ものでコスト競争はできない。何の特徴もない工場でしたね」
そんな山田製作所を変えたきっかけは1999年1月に売上が95%ダウンしたこと。
必死の新規営業活動を行うが、ある言葉に跳ね返されてしまう。
「どの営業先でも『あなたの会社の強みは何ですか」と聞かれ、それに対して私は満足な答えを返せなかったんです」
そんな時、ある無料セミナーで3Sに出会う。
しかも変革成功事例として、取引先だった京都の企業が登場していた。
「あのセミナーが終わった瞬間、一緒に参加した弟と『俺たちがやりたかった会社はこれや!二人でこれをやりきろう!』と決意しました」
そして、同時期に3Sに取り組み、大阪リエンジニアリング研究会をともに立ち上げた大阪の企業との切磋琢磨や、社内での地道な取り組みが実を結び、世界中から見学者が集まる工場に変革した。
だが山田 氏によると、まだまだ進化の余地は十分にあるそうだ。
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(MOOV,Press画像より)
■3Sに加えて自社ブランド商品開発に挑戦
3Sの取り組みで工場が変わり、社員の考え方も行動も変化したと語る山田 氏。
もちろん会社の売上や利益にも良い影響をもたらした。
「まず依頼される仕事が変化しました。医療系や化粧品に用いられる機械製作など、清潔さが求められる業界から新規のご依頼をいただくようになりましたね」
また3Sは受注獲得に向けた『強力な武器』となった。
工場に来てもらえれば確実に受注に結びつくのだ。
もちろん既存のクライアントに対してもその効果は絶大だ。
「弊社の取引先やエンドユーザーが見学に来られたら、信頼を高めて帰っていただけます。中にはエンドユーザー様から『山田製作所で製造した機械を使いたい』とご指名をいただくこともあるほどです」
3Sに取り組んで以来、工場見学を営業活動に組み込んだ山田製作所。
「当社は『良い現場は最高のセールスマン』という言葉を実践しています。工程管理システムや社員教育も含めた工場全体が大きな信頼を形成し、売上につながっています」
山田製作所に大きな変革をもたらした3Sだが、山田 氏はさらなる目標を持っている。
それは顧客満足ならぬ『顧客安心』『顧客信頼』だ。
「工場での3Sはもちろん、定期報告や社内の仕組みを見える化し、お客様の満足を積み上げることで、数か月かかる仕事も安心してお任せいただくことをめざします。これを顧客満足から一歩進んだ『顧客安心』や『顧客信頼』として、今の私の目標としています」
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■3Sに加えて自社ブランド商品開発に挑戦
山田製作所では3Sに続く新たな挑戦として、自社ブランド『ワイデクル』を立ち上げ、工程管理ボードの販売を開始した。
「工場見学の方々から『工程管理ボードは販売していないのですか』と聞かれることが多かったのですが、『自分で作れますから』と説明していました。そんな時、お付き合いのある企画広告会社さんが商品化企画を持って声を掛けてくださり、コラボレーションして商品化しました。だから当社の工程管理ボードよりとても高機能(笑)。展示会でも反響が良いですよ」
3Sで会社を変革した山田 氏に、会社変革をめざす中小企業経営者がどう行動するべきなのかうかがった。
「まず、MOBIO-Cafeでも異業種交流会でも良いので、経営者が集まる場所に参加することです。そこで元気がある人を見つけてコミュニケーションを取りながら、さらに団体の役職を積極的にやってみる。大変かもしれませんが、物事の中心に行くほど楽しく、自身に返ってくるものも必ずありますよ」
最後に、今後の目標についてお話をうかがった。
「現在は下請型の仕事中心ですが、直接取引の比率を高めていきたい。めざすのは自社設計、自社製造による直接取引の増加。そしてもう一つは、自社ブランド『ワイデクル』をさらに広めること。社内には自社商品を作りたいという想いがずっとあったので、形になったのはうれしいですね。また、3Sを通じて日本の中小企業に何かを伝えられる会社をめざします」
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■MOBIO担当者 兒玉のコメント
「集いや物事の中心に近づき正しい情報を直接入手すること。それが社員の教育者でもある経営者の心構え」と認識されている山田社長。
『良い現場は最高のセールスマン』活動から自社設計品を伸ばす新たな事業展開へと、率先垂範の積極的な挑戦を続けておられました。
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