BL/ゲイ映画32作をオススメ紹介する・中編
男の子同士の恋愛映画をオススメするメモの中編です。
前編はこちら:
後編はこちら:
中編はこれらの作品を紹介します。
【中編】永遠に僕のもの/モーリス/ベニスに死す/トム・アットザファーム/キル・ユア・ダーリン/追憶と、踊りながら/スケルトン・ツインズ/シングルマン/英国スキャンダル/J・エドガー/チョコレートドーナツ/タンジェリン
【美しい映画】
美しい映像はゲイ映画の特徴でもあります。ここでは、特に美麗でセンスのイイ映画をご紹介します。
永遠に僕のもの
オシャレで、キレイで、コワい映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★★
美しい度★★★★★ お手軽度★★★★
あらすじ
主人公・カルリートスはブロンドの巻き毛と真っ赤に潤む唇が特徴の、17歳の美男子。彼は平気で盗みをする性分で、優雅に犯罪を繰り返す。そんな生活の中で、犯罪一家の息子・ラモンに恋してしまう。
タイトルから察することはできますが、だいぶ不穏な犯罪映画です。サイコパス的な冷酷さ、淡々としたテンポを持つカルリートスに、犯罪者ラモンが振り回される、そんなカップルになっています。カルリートスは好きなのにラモンが応えてくれないから、「僕のもの」にするためにどうするか…が見どころです。ね、不穏でしょ。カルリートス、言うほど美少年か?と思ってましたが、彼の唇のアップを見ると人生変わるので、見たほうがいいです。プルプルです。
追憶と躍りながら
ベン・ウィショー、可愛すぎる、な映画
いちゃいちゃ度★★★★ セクシー度★★★★
美しい度★★★★ お手軽度★★★★
あらすじ
イギリスで暮らすカンボジア系中国人のおばあさん、ジュンのもとに、リチャードという青年が現れる。リチャードは、つい先日亡くなったジュンの息子・カイの「友達」だと言い、カイのことを話そうとするが、ジュンが心を開かず困り果てる。
リチャードとカイがカップルで、リチャード役のベン・ウィショーがとにかく可愛いすぎる映画です。カップル同士が裸で絡み合うシーンもありますが、身体がきれいすぎる(お相手のカイも綺麗です)し、キスがいじらしすぎるので目が潤います。リチャードの素足をカイが無理やり自らの胸に押し付けるシーンが、脳裏に焼き付いています。物語は雑な作りに感じますが、ウィショーのうさぎ系な泣き顔で粗さは帳消しとなっています。
キル・ユア・ダーリン
デイン・デハーンとダニエル・ラドクリフがチューするってやばくない?
な映画
いちゃいちゃ度★★★ セクシー度★★
美しい度★★★★ お手軽度★★
あらすじ
大学で詩を勉強するアレンは、ルームメイトのルシアンという青年の、妖しい魅力に惹かれる。そして、共に文学での革命を画策しつつ、アレンはルシアンの魅力にに惹かれていく。
真面目系文学青年アレン役・ダニエル・ラドクリフ、小悪魔的存在のルシアン役・デイン・デハーンが結ばれるのか、結ばれないのか見守る映画です。はっきり言って詩がどうとかはよく覚えていませんが、年上の元カレやダニエル・ラドクリフを突き放したり甘えたりして翻弄するデハーンだけでも、見る価値ありすぎます。スキンシップも多いし、顔も近づけるくせに追いかけると逃げていく、でも困ったときには頼ってくるデハーンが本当に悪魔。振り回されるダニエル・ラドクリフもいいものです。
モーリス
英国的な雰囲気がお上品な映画
いちゃいちゃ度★★★★ セクシー度★★★★
美しい度★★★★★ お手軽度★★
あらすじ
舞台は20世紀初頭のイギリス。主人公・モーリスは、大学でクライヴという青年と知り合い、恋人関係になる。やがてお互いに成長し、家庭や地位を持ったり、同級生の同性愛者が逮捕されたりして、お互いの心は離れていくが、モーリスは、クライヴのことを忘れられないでいる。
デカデカとヒュー・グラントの顔がパッケージに写っていますが、ヒュー・グラントはモーリスではなくクライヴのほうです。時代的に許されないながらもクライヴとの恋愛を諦めきれないモーリスと、ゲイから目を背けるクライヴ、そして密かにモーリスに恋心を寄せるグイグイ系使用人青年の恋物語となっています。男性陣が常にしっとり(?)汗ばんでいていい感じです。若いヒュー・グラントはセクシーでかっこいいしモーリスとクライヴの恋仲を応援したくなりますが、クライヴが拒むのでもどかしい気持ちになります。
ベニスに死す
言わずと知れた美少年で目が潤う、不朽の名作な映画
いちゃいちゃ度★ セクシー度 美しい度★★★★★ お手軽度★★★
あらすじ
ドイツ人ベテラン作曲家アッシェンバッハは、静養のために赴いたベニスで、美少年を見つける。その少年はタジオという名で、家族と一緒に海に訪れていた。アッシェンバッハはタジオに心を奪われ、陶酔する。
2時間まるまるおじさんが美少年を見つめるのを見る映画です。でもタジオがどうしようもなく美少年だからいいのです。タジオが、セーラー服や軍服のような服、水着など着替えるたびにアッシェンバッハもニコニコだし見ているこちらもニコニコです。アッシェンバッハおじさんとタジオの接触はありませんが、タジオの誘惑的な視線のやり取りくらいはあります。そのような、純潔でプラトニックな恋愛を眺める美しい映画なのです。
トム・アット・ザ・ファーム
静かに溺れていくような、危険な愛の映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★
美しい度★★★★★ お手軽度★★
あらすじ
主人公のトムは、恋人であるギョームが亡くなったために、葬儀のために恋人の故郷を訪れる。その中で、ギョームは母親に恋人関係を偽っていたことを知り、また、ギョームの兄である暴力的なフランシスに、ギョームを重ねるようになる。
LGBT人間ドラマに定評のあるグザヴィエ・ドラン監督主演作品です。監督が主演しているだけあってメッセージ性が強い作品で、難解かもしれません。だけど美しい作品です。フランシスがとにかくサイコで暴力的なのですが、そんなフランシスを愛し、暴力されても気持ちよくなり始めるトムが不思議と素敵な映画です。フランシスとトムが農業倉庫で手をとって踊るシーンが、美しく印象的でした。
【おじさんが可愛い映画】
主人公が決して若い人ではないけど、可愛い&切なくなっちゃう映画
スケルトン・ツインズ
どうしようもない姉弟のダメ恋愛を応援する映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★★
美しい度★★★ お手軽度★★★
あらすじ
主人公・マギーは、疎遠になっていた双子の弟・マイロが自殺未遂をしたと連絡を受けて迎えに行く。マイロはゲイで、失恋の末自暴自棄になったという。また姉のマギーも恋愛が上手くいかない中、故郷の家で久しぶりに一緒に暮らすことになる。
ゲイの弟マイロ役のビル・ヘイダーが繊細な乙女すぎるのでオススメです。ヘイダーに繊細なイメージはありませんでしたが、冒頭のバスタブでリスカするシーンは美しくて、見入ってしまいました。かつての高校教師を訪ねワンナイトがあるのですが、年上のおじさんに甘えん坊するヘイダーにキュンキュンします。姉のマギーはLGBTでは無いですが、なかなかのダメ恋愛をしていて、姉も弟もダメな恋愛をしている中で二人の絆が甦っていくところが面白い映画です。泣いたり、笑ったりするヘイダーの演技をぜひ見てください。
英国スキャンダル
ベン・ウィショーとヒュー・グラントのドタバタ史実映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★★ 美しい度★★★ お手軽度★★
あらすじ
1960年代のイギリス、国会議員のソープは、元恋人のノーマンという青年から訴えられそうになり、困っていた。同性愛が世間にバレることを恐れたソープは、恋愛していた証拠を隠滅しようと奔走する。
1時間×3話の眺めな作品ですが、テンポがよく、かといってコメディすぎもせず、面白い作品です。ていうかヒュー・グラントとベン・ウィショーというだけで充分面白いし、年を重ねてセクシーダンディになったヒュー・グラント、寂しいと死んじゃうんですと言わんばかりの小動物系ベン・ウィショーのラブラブがめちゃくちゃ可愛いです。ヒュー・グラント演じるソープ議員は恋愛していた過去を消したい(同性愛って面目たたないし)、だけどベン・ウィショー演じるノーマンくんはちゃんと愛されたかった…という関係もドラマチックで良いです。ソープがなぜノーマンを恋人に選んだのかの理由が第3話で明らかになりますが、グラっとくるほどキュンとしました。
シングルマン
病みコリン・ファースが可愛い年の差恋愛映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★
美しい度★★★★ お手軽度★★★
あらすじ
大学教授のジョージは、同性の恋人を亡くしたショックから立ち直れず、自殺を考えていた。しかしその日、教え子であるケニーと仲が親密になったり、元妻に呼び出されたりして、自殺願望が揺れ動いていく。
コリン・ファースってなんとなくお堅い真面目なキャラというイメージがありますが(個人の感想です)、あ、教え子に手を出すんだ~とニヤニヤできた映画です。くたびれて哀愁があるおじさんだけど、なかなか死ねなくて、恋人のことばかり思い出す寂しがりやな一面も可愛いです。また、新しい恋人のケニーくんは人懐っこく、年上&年下のカップル感がとても良いです。回想がところどころ挟まるので、色々な心理状況のコリン・ファースが見れるのが楽しい作品になっています。
J.エドガー
共依存でFBIの上下関係カップルの映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★ 美しい度★★★ お手軽度★
あらすじ
FBI長官のエドガーが、昔を振り返る物語。エドガーは若いころから、正義を貫き、犯罪捜査に尽力していた。自分にも他人にも厳しかったエドガーは、自身の側近である副長官・クライドに抱かれていた友情以上の感情を知り、自身も抱く「クライドへの好意」に気づいて動揺する。
主人公のエドガーを演じるのはレオナルド・ディカプリオです。レオ様です。エドガーとクライドは仕事上の相棒でありながら私生活も共にしていて、だけど恋人関係ではなくて、とはいえ愛し合っていて…という不思議な関係です。老人のエドガーが若いころの自分を振り返る回想型のお話なので、時間が行ったり来たりするのが少し厄介。老けメイクのレオ様に一瞬!?となりますが、慣れてくるとおじいちゃん同士のラブラブも尊く見えてきます。部下であるクライドがいないと生きていけないエドガーも、他に女作ったら仕事をやめると脅迫めいたことをするクライドも、お互いへの依存レベルが高くていいと思います。
【トランスジェンダーな映画】
ゲイの登場人物もいますが、トランスジェンダーの登場人物が光る作品たちです。
チョコレートドーナツ
理想のカップル夫婦生活すぎてきゅんきゅんな映画
いちゃいちゃ度★★★★★ セクシー度★★★
美しい度★★★ お手軽度★★★
あらすじ
ショーダンサーのルディと、ゲイを隠して弁護士をしているポールは交際し、共に暮らしている。ある日ルディは、アパートの隣人である麻薬中毒者が逮捕されたことで、その息子でダウン症のマルコを引き取ることになる。
めちゃくちゃお母さんなルディと、スパダリすぎるポールの夫婦が最高すぎます。理想のカップルすぎる。ポールがルディさんの後ろから手を回してネクタイ締めてあげるシーンがやばくて語彙力が無くなりました。マルコのことを思って奮闘するルディはもちろん、同僚に同性愛を馬鹿にされ悔しい思いをしながらも裁判に全力で臨むポールが素敵すぎる、尊いポイント満載の映画です。このカップルは珍しく喧嘩もしないので、本当にラブラブです。ありがとうございました。
タンジェリン
登場人物全員パンチ力ありすぎ大渋滞な映画
いちゃいちゃ度★★ セクシー度★★★
美しい度★★★ お手軽度★★★★★
あらすじ
ゲイとトランスジェンダーの娼婦の街の、クリスマスイブ。出所したてのトランスジェンダーの娼婦・シンディは、友人から彼氏であるチェスターが正真正銘の女性と浮気していた、という話を聞き激怒する。そして、浮気相手と彼氏を問い詰めるために街へ繰り出す。
この映画のオススメポイントは、主人公のシンディ、シンディの親友、シンディの彼氏チェスター、その浮気相手の娼婦の女性、シンディに思いを寄せるタクシー運転手…などなど登場人物全員がキャラクターにパンチ力ありすぎだしコミュニケーションが面白すぎるところです。クレイジー、だけど人間的な温かみがあって、全員愛せます。楽しく見られるので楽しくなりたいときに見てください。音楽もクラブみたいな音楽がメインです。主人公のシンディは凶暴なキャラですがとっても綺麗な人で、彼氏のチェスター(P.J.ランソンさん)は薬中で遊び人のクズだけど、言動甘々だしキスがセクシーだし、眼福です。
以上、中編の紹介でした。後編へ続きます。