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読切漫画『モンキートリック』がジャンプ+にて公開されました! あとがき的な。

株式会社MOBESTの脚本家・桝本力丸です!
この度、桝本が原作を書いた読切漫画『モンキートリック』がジャンプ+にて公開されました。

縄文時代を舞台にしたミステリーというこれまた出オチみたいな題材でも、載せていただけるジャンプ+様の懐の広さに感激です。

※一点補足です。
カャコのアリバイ証言の矛盾ですが、コメントで指摘されている通り誤植ですね。混乱させてしまった方、大変申し訳ございません。

それ以外のトリックの矛盾は、ただの矛盾です。
恐らく存在するであろうトリックの破綻に気づかせないように、勢いで押し切る。ということが大事な作品だったので、違和感で楽しめなかった方がいましたら桝本の力不足です。すみません…。

以下、あとがき的な文章なのでネタバレ注意です。

企画段階

縄文時代の竪穴式住居で密室殺人事件が起こる。
登場人物たちは平和な縄文人だから、計画殺人に太刀打ちすることはできない。さて、どうする!?

という企画の雛形が思い浮かんでから、脚本にするまでにそこそこの時間がかかってしまいました。

というのも、桝本自身ミステリーを書くのは初めてで、縄文時代の話を作るのも初めてだったからです。

図書館で竪穴式住居の資料を広げながら「どうやって人を殺そうかな~」と考えていました。すごく気持ち悪いですね。

ミステリーは好きなんですが、新本格あたりの小説には造詣が深くなく…。

ミステリ小説でいうと、『六枚のとんかつ』とか舞城作品とかが好きですかね。中学生の時ドハマりしていました。

『逆転裁判』シリーズも、『ダンガンロンパ』シリーズも好きです。
まあぶっちゃけバカみたいなトリックが好きなんですよね。逆転サーカスのトリックとか大好物です。あれは衝撃でした。

そこから、ミステリだけではない人間ドラマの感動も生み出せるように試行錯誤し、今の形になりました。
なんとかエンタメとして成立していたのではないでしょうか?

縄文時代について

作中では縄文時代のことを『ギリ猿』と悪しざまに言ってはおりますが、調べていくと当時は本当に発達した文明が存在していました。

ドラマとしての取捨選択の中で、器物や背景でしか文明の美しさを描けなかったのは、少々心残りではあります。

日本は縄文時代が一番幸せだった、なんていう言説もありますよね。

ただ縄文時代は本当にどの文献によっても、参照できる内容が違っていました。当然出土した物から推測するわけですから、言説が細分化されていくのでしょう。

特に、物を巡る信仰については、もっと深々と描くタイミングがあればなーと思っています。貝塚のゴミ捨て場としての役割だけではなく、巡る魂と、凶器に使われた槍との掛け合わせ、なんかも考えたのですが、根本のノイズになるかと思いカットしました。

縄文時代の「悪」ではなく、人が寄り集まり、社会を形成することによって生まれる邪悪に近い物、を描いてみたかったのです。
成立していたでしょうか?

基本的に、プロットに対して都合の良い文献を抜き出して、物語として構成した内容となっていますので、反駁した知識のある方はピンとこない部分も多かったのではないでしょうか。

やっぱロボット様がすごいって話

作画のロボット様には本当に感謝しかありません。
ロボット様が前に描いていた『スチームドラゴン』を拝見して、非常に魅力的な絵だと感じていた中でお願いさせていただきました。

縄文時代でしかもミステリー。
ページ数は66p。
とんでもなくハードな業務内容だったのではないでしょうか?

この漫画がエンタメとしてギリ成立していたのは、ロボット様の作画があったからこそだと思います。
キャラクターのビジュアルも魅力的で、コミカルなお芝居もこなせつつ、終盤のシリアス展開にも対応できる振れ幅は衝撃的でした。

本当に、漫画家さんってすごいですね…。

縄文ファッションも素敵で、クールな内容の作品になりました!

今作にご協力いただいた皆様、
そして読者の皆様、
本当にありがとうございました!
またどこかでお会いできたら幸せです。





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