第1回ビルダーズデッキ賞「エーカコントロール」
2022年の7月17日に第1回を開催させて頂いた遊戯王非公認交流会
「ビルダーズフェス」
通常の交流会・対戦会を行いながら、参加者投票によりオリジナリティ溢れるコンボデッキや拘りのキャラクター・テーマデッキを表彰しようという趣旨で企画したイベントで、イザジンにてイベント参加者募集を開始した後から追う形でTwitterの告知アカウントを作るという為体だったのですが、興味を持ってくださった多くの方にご参加いただき、今冬に行った第2回目へと繋げる事ができました。ありがとうございます!
今回はそんな第1回ビルダーズフェスにて
オリジナリティ溢れるコンボデッキを表彰させて頂く部門
「ビルダーズデッキ賞」
において見事 票獲得率1位を記録し大賞に輝いた方のデッキをご紹介させていただきます!!(下記ツイートは当時のレシピ
「エーカコントロール」
作成者:re1ns (@re1ns)さん
リミットレギュレーション:2022年7月1日〜適用
※レシピは受賞当時から更新されています。
レシピ考察
「炎獣使いエーカ」…スプライトやティアラメンツを世に生み出した強力パック「パワー・オブ・ジ・エレメンツ」にて登場した効果モンスターの一体であり、自身は特別何かのテーマには属していないがサーチしやすい攻撃力1500というラインと炎属性の守備力200で「真炎の爆発」に対応しているという優秀なステータスを持っている。
特筆すべきは①の自身の召喚・特殊召喚成功時に誘発する効果で、魔法・罠ゾーンに表側表示で存在するモンスターを自分フィールドに特殊召喚する事ができる。
パッと思いつくシナジーだとスケールとして能動的にフィールドに出力できるペンデュラムモンスターなどが頭に浮かぶが、スケールが崩れてペンデュラム召喚が難しくなったり
そもそもペンデュラムモンスターは自身の効果でモンスターゾーンへの出力が可能なものが多かったりなど、実は意外と上手い組み合わせは難しい。
このデッキでは同時期に登場した「ヴァリアンツ」などを上手く添える事でその効果を最大限に活かしている。
ヴァリアンツのテーマ的な紹介は省略するが、エーカとのシナジーを考えていくと
百識公国で相手のモンスターを能動的に魔法・罠ゾーンに送り込む事ができるほか、Pスケールに置いた「ヴァリアンツの巫女-東雲」を東雲自身の効果に頼らずに特殊召喚することで特殊召喚の制約を躱しながらヴァリアンツ魔法をサーチする事が可能でありそれだけでもかなり恩恵が大きいだろう。
作成者re1nsさんに聞いた基本の展開ルートは下記の通り
①「昇華騎士-エクスパラディン」召喚、召喚時効果でデッキから「チューン・ナイト」を装備
②チューンナイト自身の効果で特殊召喚後、2体で「聖騎士の追想 イゾルデ」をL召喚
③イゾルデ特殊召喚時効果でデッキの「炎獣使いエーカ」をサーチ。イゾルデの起動効果でデッキから「『焔聖剣-デュランダル』」を墓地に送りながら「焔聖騎士-リナルド」Aを特殊召喚、リナルドA効果でデュランダルを墓地から回収
④デュランダルを場のモンスターに装備して効果でリナルドBをサーチ、手札のリナルドB効果でチューナー化して特殊召喚。
⑤⭐︎1リナルドAとチューナーになっている⭐︎1リナルドBで「フォーミュラ・シンクロン」をシンクロ召喚。
場のイゾルデとフォーミュラシンクロンで「ギガンティック・スプライト」をエクシーズ召喚
⑥ギガンティック効果で「ヴァリアンツの巫女-東雲」をデッキから特殊召、東雲の特殊召喚成功時の
効果でデッキから「VV-百織公国」をサーチ
以上のルートで、エクスパラディン1枚の召喚から、
フィールドにATK3200の「ギガンティック・スプライト」
手札に相手のモンスターを魔法・罠ゾーンに押し込むカードと押し込んだモンスターを自分の場に特殊召喚するカード「炎獣使いエーカ」が揃った訳である。
エクスパラディン1枚から始まるのは理想ルートではあるそうだが、そもそもイゾルデ1枚さえリンク召喚できれば実質的にこの状況まで持っていけるので、「キリビレディ」+戦士族の組み合わせでもスタートできるなど再現性は高い。
既に手札にリナルドやデュランダルを引いていた場合、ルート③のイゾルデの効果から「御巫」カードに触りに行ける点もかなり心強い。
「御巫の水舞踏」単体として見ても場のエーカに装備する事でエーカを手札に戻しつつ「剣の御巫ハレ」までアクセスできるので、戦線維持的な意味でもエーカの再利用を狙える点でも相性が良い。
更には「ヴァリアンツの巫女-東雲」が破壊されずに自分のターンに返ってきた場合、魔法使い族である東雲1体で「聖魔の乙女アルテミス」をリンク召喚することでエーカの②の効果によってアルテミスを装備、装備されたアルテミスの効果でデッキから「結晶の大賢者サンドリヨン」をサーチすることができる。
墓地にレベル4のモンスターがいれば「優麗なる霊鏡」から手札のサンドリヨンを特殊召喚でき、効果で融合カード「聖なる法典」を手札に加えるところまで狙える。
ヴァリアンツモンスターは機械族と魔法使い族の混成テーマであり、このデッキでは前述の東雲や「ヴァリアンツの忍者-南月」など魔法使い族も採用されているため、「法典の守護者アイワス」の融合召喚も狙いやすい。
ヴァリアンツモンスターが場か手札に複数体いれば「ヴァリアンツの聚-幻中」の融合召喚も選択肢になる。
エーカによりフィールドと魔法罠ゾーンを反復横跳びしつつモンスターを奪い実質的な妨害として機能するアイワスと、条件もコストも何もなくモンスターを魔法罠に埋めておまけのバーンまで飛ばしてくる幻中は使われたら厄介な事この上ない。
一見ルートに関係無さそうなリナルド以外の焔聖騎士の面々は、オリヴィエやオジエが自身の効果で墓地から装備カードとして場の戦士族に装備でき効果破壊に対する耐性や対象に取られなくする耐性を付与できるほか、続くシンクロ体の焔聖騎士もエーカや百識公国の対象にできる装備魔法カード扱いのモンスターをフィールドに出力できるうえに「焔聖騎士将-オリヴィエ」は自分フィールドの戦士族モンスターを装備カードにしながら墓地からチューナーとして特殊召喚することができるので、追加の破壊効果を持つ⭐︎9最上級シンクロ体の「焔聖騎士帝-シャルル」まで繋げやすい点も評価できる。
「クロス・オーバー」という条件付きの単体除去のようなカードも、戦士族が多めに採用されているこのデッキにおいてはそもそも使う機会は多いだろうがエーカやシャルルかかればそれ以上の効果を発揮する強力なカードになるからおもしろい。
相手のカードを装備する手段として「ヴァイロン・ディシグマ」や魔法使い族・機械族の混成であるヴァリアンツの動きから戦士族の動きに軌道修正できるリンクモンスター「剛炎の剣士」、エーカの効果で奪ったモンスターでエクシーズを狙いやすい「真血公ヴァンパイア」「公血鬼-ヴァンパイア・シェリダン」などEXデッキにも面白いカードの採用が光っている。
駆け足で紹介してきたが以上が
第一回ビルダーズフェス ビルダーズデッキ部門大賞
re1ns作 「エーカコントロール」
である。
何がなんでもエーカの効果を使い倒すという強い意志に加えて様々な状況を想定されて採用されたカード群。
実際にデュエルしてみるとエーカってこんなに強かったんだと相手に納得させられる説得力を持ったこのデッキは、コンセプトからその完成度に至るまで唯一無二で正にビルダーズデッキ部門大賞として素晴らしいものである。
re1nsさんは他にも個性的なデッキを多く作られている優秀なデッキビルダーなので、個人的にもこれからの活躍に期待させていただいている。
「エーカコントロール」、良いデッキです!!!
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