見出し画像

牡蠣の養殖が盛んな小さな漁師町へ 冬の日生でカキオコを食べてきた

暖かかった秋が終わって やっと寒い冬がやって来た!
今年もJRを使って西へ日帰りの旅
牡蠣の養殖が盛んな小さな漁師町をブラブラ散歩してから食べたのはプリプリの牡蠣! 旨かったーっ

牡蠣の養殖が盛んな小さな漁師町で生まれたソウルフード

訪れたのは岡山県東端に位置する小さな漁師町の日生(ひなせ)
牡蠣の養殖が盛んで岡山県産牡蠣の5割以上は日生が産地
ちなみに岡山県は牡蠣の生産量が全国3位になっている

なので漁港のあちこちで見かけるのがホタテの貝殻
この貝殻が日生湾に浮かんでいる養殖いかだの下に何個もぶら下がっている
そこに牡蠣の赤ちゃんがくっついて育つという仕組み

その日生で古くから愛されているソウルフードが牡蠣を使ったお好み焼きカキオコ

日生で牡蠣の養殖が始まったのが50数年前のこと
当時、牡蠣の剥き子さんたちが商品にならない牡蠣を持ってきて
お好み焼きに入れたのが始まりなんだとか
関西と広島といった二大お好み焼き帝国に挟まれた岡山で生まれた絶品グルメがカキオコ

日帰りカキオコ旅のこだわり

瀬戸内の海岸線は冬のツーリングにオススメなコース
日生に立ち寄ってカキオコを食べるのも良いけどビールが飲めないのでバイクはNG
それほど自分にとってカキオコにビールは必需品!
牡蠣・ソース・ビールの相性は抜群だから

なので毎年JRを使って日生へ行っている
赤穂線のレトロな車両に揺られていると旅気分も盛り上がってくるし
小さな漁師町の駅を出ると目の前に広がる海
何があるのか 小さなワクワク感も忘れないようにしている

駅前の港は日生諸島へ向かう船の乗り場がある
手前は大生汽船のNORINAHALLE(のりなはーれ)
後ろには126mの楯越山(みなとの見える丘公園)が写っている

日生で過ごした後はそのまま帰らず
よく岡山や播州赤穂、姫路などに立ち寄っていた
その時に重宝していたのが1日単位で使えた青春18きっぷ
途中下車が何度もできたしね

でも便利に使えてたのは過去の話
今では3日連続 or 5日連続での使用しか出来なくなってしまった…
日帰りの旅には使えなくなった切符

日生を散歩してからカキオコのお店へ

毎年カキオコを食べるお店は決まっている
そこに行くには日生駅前から国道250号沿いに歩いて行くと分かりやすい

けど自分のお気に入りは日生中学校北側の細い道を歩くルート
少し遠回りだけど散歩を楽しみながらお店へ向かうことを心地良く感じている

途中で紅葉が綺麗な上山公園にも立ち寄る
左手に見えてくる階段を上がると
そこには他に人は訪れない自分だけの静かな空間が広がっている

朝の柔らかい日差しを浴びて発色する紅葉
ほわーっと赤く色づいた空気が穏やかな雰囲気を作り出している
春には公園一帯が桜色に染まる隠れた名所

突き当りを右に曲がれば西念寺が見えてくる
このお寺の特徴は迫力のある棟門
この棟門は岡山藩主池田氏の家老土倉氏の陣屋門を明治初期に移築したもの

下から覗き込むとさらに迫力あり

このような三軒一戸の形式を持った棟門で現存するのは
東京大学の赤門と高知市城北町の開成門の二棟のみなんだとか
なかでも西念寺表門が最も古く陣屋門の構造と意匠を残す貴重な文化財になっている
いつも見に来てしまうお気に入りの棟門

南に少し歩けば春日神社がある

金ピカなお神輿を見ることができる神社は創建時から伝わる神事芸能の獅子舞も有名
獅子舞は九州五島列島の平戸から伝わったと言われていて
山中から獅子を追い出して手なづけるまでの所作を表現している

さらに南には4代続く地元のお魚屋さん鈴木鮮魚

ガンゾウヒラメの干物

このお店の自慢は日生牡蠣
それと店先で焼かれている“国産炭火焼きアナゴ”

軒先に吊るされているガンゾウ(タマガンゾウビラメ)の干物も気になる
実はこの干物も日生名物!
カチカチに干したガンゾウを炭火で炙れば美味しい酒の肴やご飯のお供になるらしい

そして忘れてはならないのは店先に並ぶお惣菜の存在
旨そうな牡蠣飯を「カキオコ食べた後でお腹いっぱい」という理由で買わなかったことは今も悔やまれる
次は買おうと心に決めるも今回も見つからず

漁師町にきても海が見えない散歩道
カキオコを食べる前の準備運動にはなるはず

カキオコ発祥のお店

目的のお店はカキオコ発祥の“ほり”さん
創業は昭和37年で、2001年1月26日にカキオコという名が生まれたお店

ここ数年の注文は変わらず“カキの鉄板焼き”と“日生カキオコのカキ増量”
いつもはカキの鉄板焼きが先にくるけど
大口注文が入ってたせいか先に焼き上がったのはカキオコ

カキオコが焼きあがると店員さんに「瓶ビールもらいますね!」っと一声
そして冷蔵庫から瓶ビールとグラスを取り出すと準備は完了

あとは鉄板から焼きたてアツアツのカキオコを口へ放り込む
ハフハフしながら頬張って冷たいビールで流し込む
この瞬間がたまらない

もちろん牡蠣の食感はプリプリ
日生で水揚げされた新鮮な牡蠣は余計な水分を含んでいないから縮まないらしい
途中で辛ソースで味変するとさらにビールが進む

遅れてやって来たカキの鉄板焼きは、七味を一振りした自家製ポン酢でパクリ
あっさり味なんだけど牡蠣のプリプリ感と風味が楽しめる
やっぱりビールが進む 旨い

店内はカウンター6席と4人掛けテーブル2つ
明るくてスペースに余裕のあるつくり
テーブル席にも鉄板があるので最後まで熱々の鉄板焼きが食べられる

関西風でも広島風でもない? カキオコは日生焼き

カキオコの作り方は“日生焼き”というもの
関西の混ぜ焼きと広島の重ね焼きとを合わせたような調理法が独特の食感を産み出している

お店によって焼き方が少し違っていて
“ほり”さんだと、こんな感じ ↓

先代から受け継ぐ特製出汁で溶いた生地と千切りキャベツをボールに入れて混ぜる
それを鉄板に広げて焼いていく ← 混ぜ焼き
追い千切りキャベツをのせてから天かすをパラパラ
その上に牡蠣をのせ生地を軽く回しかける
鉄板に落ちていった生地が焼けてくるとひっくり返して蒸し焼きに ← 重ね焼き
コテで潰した生卵の上に焼きあがったカキオコをのせれば完成
仕上げはオリジナルのブレンドソースとカツオブシ
辛ソースやカツオブシ、青のり、紅しょうが、七味は好みで

カキオコモダンはキャベツ、天かす、そば、牡蠣を重ねて焼く
生地が鉄板でクレープ状に焼かれていく

生地でサンドして蒸し焼き状態になるので
キャベツの甘みとモッチリした食感が特徴かな

2024~2025年シーズンの日生では
11月14日から牡蠣を剝き始めて
生牡蠣でのカキオコがスタートしたのは11月15日
今年の牡蠣の出来具合は、例年と同じ大きさプリプリ感だった

日生の牡蠣は11月中旬~3月くらいが旬の時期
なんだけど牡蠣の身が栄養を蓄えふっくら太り
大粒が揃う一番の旬の時期は12月末~2月頃!

この時期はカキオコにも大粒揃いの牡蠣が入ってくる
なので牡蠣を食べるならこの時期が狙い目

他にもある日生の魅力

夕方から予定が入っているので日帰り旅はココまで
今回は海が見えない道を散策してからカキオコを食べに行ったけど
実は冬の日生にはカキオコ以外にも旨い粉もんがあったりする

それは大粒の牡蠣をのせて薪窯で焼くピッツァ
食べると口の中が牡蠣の旨味と風味で一杯になる幸せの“柚子香る牡蠣のピッツァ”
日生湾に面した“海とピッツァ”さんのメニュー
お店は日生駅を少し西に歩いた先にある

牡蠣・チーズ・クリームソースの相性がとても良く
柚子が濃厚な味を爽やかにしてくれるのでピザ1枚を軽く食べることも…
柚子風味の余韻と一味唐辛子のアクセントも心地よい

ドリンクはリンゴの甘みと酸味、ピリっと生姜の効いた自家製“アップルジンジャーエール”がおすすめ
お気に入りのシードル“TEKIKAKA HARD CIDRE”を飲みながら食べてみたい一品

見学するならBIZEN中南米美術館かな
中南米を専門とする日本唯一の考古美術館
公式マスコットキャラクターのペッカリーに一目惚れすること間違いなし

カカオ豆の発祥が中南米ということや
古代からカカオドリンクが儀式で飲まれていたこと
知らないことがたくさん出てくる

さらに興味深いのは
そのカカオドリンクを入れる笛吹式土器の説明
注いだり傾けたりするとピーーとかピロピロとか音がする
名物館長の森下さんが笛吹式土器を吹いてくれたり
分かりやすい解説で楽しく展示物を見ることができる
予約が必要だけど必ず新しい発見がある美術館

他にも五味の市や加子浦歴史文化館、みなとの見える丘公園など
日生には楽しいスポットがある
瀬戸内海の漁師町 “備前市日生町” 行ってみたくなったかな?

いいなと思ったら応援しよう!