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光りろん研究室 M1輪講 第4回

こんにちは!横浜国立大学 光と物質の相互作用(光りろん)研究室M1の五十嵐達己です。

3人で輪講を回しているので早くも2回目です。M1輪講も軌道に乗ってきました!少しでも学びの役に立てたらうれしいです。

M1輪講では、物理化学分野の反応速度論について学習を進めています。

扱う教科書として幸田清一郎先生の「大学院講義物理化学(第2版)Ⅱ.反応速度論とダイナミクス」です。
この研究室でも今年始まったばかりの輪講なので、馬場先生、M1を中心に学びを深めている最中です。
化学反応の物理についてぜひ一緒に勉強したい、輪講に参加したいという方がいれば、どなたでも大歓迎です!!対面とオンラインのハイブリッドでオープンに開催していきます!
興味のある方は馬場先生までお問い合わせください!


2024/5/23
今回は、教科書の
2.4章 微視的反応速度論実験法
3.1章 状態から状態への化学反応
を学んでいきました。

微視的反応速度論実験法

2.4章では微視的な反応を扱う2種類の実験方法を学びました。

1つ目に2分子間の衝突反応を微視的に扱う基本的な実験法として交差分子線実験法を説明します。反応対象の化学種を含む2つの分子線を直角に交差させて衝突する関係を各粒子の速度ベクトルを表したNewtonダイヤグラムから研究していきます。反応を解析していくうえで実験室系での微分散乱断面積と重心座標系での微分散乱断面積の関係を求めていきました。
また、分子線技術の発展が進んでいったことで反応により生成した物質の速度分布やその生成物の状態の分析まで可能になったことを学びました。

2つ目に化学種の濃度の分析や、量子状態の分析さらに詳細な光化学反応の解析を可能にした超高速時間分解実験法について説明します。これは反応を開始させるための光源としてパルスレーザーを用いています。1990年代にフェムト秒科学の実験領域が開かれ、超高速現象を微視的な視点から反応の追跡が可能になったそうです。非常に短い時間での反応分解ができ、
de Broglie波長(0.01nmオーダーの波束)の生成や検出が可能になりました。

状態から状態への化学反応

3.1章では微視的に化学反応をとらえる考え方が始まりました。これを化学反応ダイナミクスといいますが、その原点となった研究を紹介します。1928年にM.Polanyらによるナトリウム希薄炎の実験で分子の量子状態やエネルギーの移動について議論が始まりました。ここから原子・分子のふるまいをまるで見えているかのように扱っていきます。M.Polanyの息子であるJ.C.Polanyによる赤外化学発光の実験から生成物の内部状態分布を直接観測されました。
この研究から化学反応を内部状態まで指定して、状態から状態への化学という考え方が深まりました。教科書では、振動励起した生成物、回転励起した生成物が起こる反応を確認しました。

M1の中でも高分解能レーザーによる回転励起した生成物の配向の観測について議論が深まりました。生成物がどのような平面で回転しているのか、どのようにしてその平面で回転するのがわかるのかについて学ぶことができました。


今回はここまでです。言葉ばかりの説明になりましたが、輪講では図を見ながら活発な議論がされています!
もっと話を聞いてみたい、一緒に議論に混ざりたい方大歓迎です!直接横浜国立大学の教室でも、遠隔地でオンラインでも参加を待っています!
次の投稿をお楽しみに!




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