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第七回輪読会~グリーン関数によるフェルミの黄金律の表現とLambシフト~

こんにちは~、光りろん研(正式名称:光と物質の量子論研究室)所属B4の山田です。ちょっと見ない間に光りろん研で決定したみたいですね・・・(誰もなにも意思決定してないです by 馬場)
僕は「光量子物理学理論研究室」ぐらいゴテゴテなのが好きだったのですが
気を取り直して、7回目の輪読会について報告していきたいと思います!


2023/05/29
今回の輪読会では、
1:前回導いたフェルミの黄金律の成立条件と自由空間中の2準位原子への適用
2:グリーン関数を用いたフェルミの黄金律の表現とLambシフト
という大きく分けて2つのテーマを扱いました。
教科書は越野和樹さんの「共振器量子電磁力学」です。

Lambシフトによりエネルギー準位にずれが生じる

前回のnoteでフェルミの黄金律について扱ったので、今回はグリーン関数法とLambシフトについて簡単にご紹介したいと思います。

グリーン関数法とは物理現象を記述する際に、頻繁に登場する、微分方程式(たとえば、シュレディンガー方程式)を解く手法の一つです。扱う物理系によってその表式は多岐にわたるため、ここでその全容をお伝えすることはできません・・・
輪読会の資料を作るにあたり、僕が参考にした書籍を以下に示します。
小泉義晴 . 工学者のための量子物理学とグリーン関数<講義・演習ノート>
今村勤 . 物理とグリーン関数

これらの知識を用いると相互作用のある場合の原子グリーン関数は、相互作用のない場合の原子グリーン関数を用いて以下のように表されます。

越野和樹「共振器量子電磁力学」より引用

ここでΣは励起原子の自己エネルギーを表します。これは無限等比級数であることから高次の摂動まで体系的に取り入れられていることがわかります。
自己エネルギーは周波数の関数ですが、ここでは極付近の振る舞いに注目して、周波数が原子の遷移周波数にほぼ等しいという近似を用います。
このとき、自己エネルギーの実部は、以下で表されます。

越野和樹「共振器量子電磁力学」より引用

遷移周波数と光子場の周波数の寄与(分母の部分)以外にもξの寄与(分子の部分)があることがわかります。これによりエネルギー準位がずれることをLambシフトと呼びます。

いかがでしたでしょうか?おそらく多くの人が「何もわからない」と思うでしょうが、今回は特に数学的な要素が強く、この場ですべてを説明することはできません・・・ご容赦ください・・・
しかし最後にご紹介したLambシフトについては、実験でも観測され、Wikipediaによれば、ブラックホールの熱放射の予測に重要な役割を果たしたそうです!
原子などのミクロの世界から宇宙スケールの予測が生まれるなんて、面白いですね!

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