M1 Seminar 第2回
こんにちは!横浜国立大学 光りろん研究室 M1の五十嵐です。
もう6月です!自分の中で2024年の5月が人生で最も短いと感じました。(今だけです)
B4輪講、M1輪講と続き、M1によるSeminar(研究の進捗報告、論文紹介)も着々と進んでいます!
Seminarでは英語での発表、質疑応答ができるようにするのを目的としています。
私は大学院から横浜国立大学に来たのですが、この英語での発表が大学院生活でも最初の鬼門でした。。
今回は私が2週に分けて日本語と英語で論文紹介をさせていただきました。ゼミの内容を伝えつつ、雰囲気も味わっていただけたら嬉しいです!
2024/5/30 論文紹介
1週目は日本語で著Anna-Luisa E. Römling, Akashdeep Kamraの「Quantum Sensing of Antiferromagnetic Magnon Two-Mode Squeezed Vacuum」という論文をまとめて発表させていただきました。
私は、研究テーマとして、量子スクイージングを用いて量子情報処理に適したプロトコルを検討していくというものがあります。この論文では、量子スクイージングにより、マグノン(磁性体のスピンの量子エネルギー)組成を明らかにすることが研究されており、それが実際にどのように量子情報に活かせるかを考えていくことができました。
簡単にこの論文をまとめると、反強磁性体に量子ビットを結合させることで系の基底状態が励起状態での重ね合わせで表せることを理論的に示していくというものです。
最初にスピンモデルでのハミルトニアンを着目し、そこからボゾンの形に書き直してからスクイーズド変換していきました。スクイーズドして対角化されたハミルトニアンの固有状態を表すことができ、その基底状態を励起状態で表すことができました。
実験提案的には量子ビット分光法を扱っていきました。これは、結合させた量子ビットを励起して射影することでその量子ビットを結合した反強磁性体の基底状態も励起して考えることができます。量子ビットを励起させるドライブ周波数を変化させていくとそれに対応して励起した状態を読み取ることができました。
これにより反強磁性体のをスクイーズさせてドライブさせる量子ビットを操作することで生成される状態、マグノン状態を生成していくことを導きました。
質疑応答で議論を深めていったこととして、スピンハミルトニアンがどのような状態を表しているかというところがありました。実際に式を見ながら、どのような状態で安定な形をとるのか、どの方向にスピンが向いているのかというのを考察していくことができました。自分では気づけなかったことでも議論を深めていくとわかることがあるなと再確認できました。
2024/6/5 論文紹介 in English
2週目は1週目と同じ論文発表を英語で行いました。ここではやってみての感想を少し述べていこうかなと思います。
1週目で論文を理解している状態であっても、いざ英語で話してみると混乱することがあり、論理立てて説明するのが難しいと感じることが何度もありました。また、反省点として、自分語りになるところもあったなと思います。言いたいことが分かっていても英語に直すという動作がどれほど難しいかを痛感しました。また、質疑応答でも英語での対応となるとその場での英語の難しさが非常にわかりました。まず内容を読み取り、さらに英語で分かりやすく伝えるのに自分の中で整理が追い付かなかったと感じました。論文に対する理解力はもちろんのこと、それを相手に伝えることは論理的な思考力が必要になるとも感じます。
私の最初の発表は非常に困難なものとなりましたが、それを糧により良いものを作っていこうとも感じました。英語力はもちろんのこと、発表するうえで、どうわかりやすく理解してもらえるかも考えながら今後のSeminarも取り組んでいきたいです。
また、今回も少し議論のあったことを取り上げたいと思います。
この論文で述べられた実験提案が実際に正しいのかを確かめる必要があるということです。論文に述べられた論理で行っていくと現れる現象がいくつかあり、それには前提としている条件が正しい必要があります。これは今後論文を読んでいくうえでも必要な力となるのですが、書かれていることがすべて正しいと捉えるのではなく、そう考える根拠まで深く見ていかなければいけないと感じました。
私は今回読んだ論文をもとにこの理論をどう展開していくかを考えていきたいと思います!今回の投稿はここまでです!
Seminarでは論文紹介、研究の進捗報告を行っていますが、ほかにもB4輪講、M1輪講などで一緒に勉強したい方大歓迎で行っています!
次回をお楽しみに!
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