コヒーレンス状態とスクイーズド状態
こんにちは。横浜国立大学 光と物質の量子論研究室(略称:光りろん研) 新B4の小幡(おばた)です。
研究室に初めて入ったときは、でかいホワイトボードがあってテンションが上がりました。これが理論物理の研究室か…!
私たちは越野和樹さんの「共振器量子電磁力学」を使って輪講を行っています。
現在、共振器量子電磁気学(共振器QED)の土台となる量子電磁気学(QED)を学ぶ章を進めている段階で、今回はコヒーレント状態とスクイーズド状態の学習をしました。
教科書の流れ
教科書は①謎のハミルトニアンを定義して②固有状態を求めてみると③その固有状態の真空(n=0)の時がコヒーレント状態(orスクイーズド状)だった!という流れでした。
【コヒーレント状態】
①$${\hat{H}}$$を定義する
$$
\hat{H}_c = \hbar\omega \hat{a} ^\dagger \hat{a} + \hbar(E^*\hat{a} + E\hat{a} ^\dagger)
$$
②固有状態を求める
$$
\hat{H}_c\hat{D}(\alpha)|n\rangle = h(n\omega - E^2/\omega) \hat{D}(\alpha)|n\rangle
$$
③n=0のときがコヒーレント状態!
$$
| \alpha \rangle = \hat{D}(\alpha) | 0 \rangle
$$
【スクイーズド状態】
①$${\hat{H}}$$を定義する
$$
H_s = \hbar\omega\hat{a}^\dagger\hat{a} + \hbar\left(\frac{E^*}{2}\hat{a}^2 + \frac{E}{2}\hat{a}^{\dagger 2}\right)
$$
②固有状態を求める
$$
\hat{H}_s\hat{S} (z) |n\rangle = \hbar \left( n\lambda + \frac{\lambda - \omega}{2} \right) \hat{S}(z) |n\rangle
$$
③n=0のときがスクイーズド状態!
$$
|0, z\rangle = \hat{S}(z)|0\rangle
$$
$$
\left| a, z \right\rangle = \hat{D}(\alpha)\hat{S}(z)\left| 0 \right\rangle
$$
他にもいくつかの教科書を参照しましたが、ここまですっきりコヒーレント状態とスクイーズド状態の関係がわかるものはありませんでした。「共振器量子電磁力学」、すごいなあ。
議論が盛り上がったところ
せっかくなので、議論が盛り上がったところをまとめます。
・最初に定義したハミルトニアンはなぜその形になるのか
・回転系へのユニタリ変換
・相互作用描像
・コヒーレント状態は完全性、規格性、直交性のどれを満たすか。
何か思いついた人が前に出てホワイトボードで説明をしました。煮詰まると馬場先生が指針を示してくれました。新しい発見のある、楽しい議論でした。
今回はこれで以上です。ちなみに、光りろんは光りろんと読むそうです。しゃれてますね。
光と物質の量子論研究室では輪講に参加するメンバーを歓迎しています!共振器量子電磁力学などを勉強したい方、一緒に参加しませんか?
同大学の学生以外でも、また学生でなくても大歓迎です!またオンラインとオフラインのハイブリッド形式で行えるため遠隔地でも参加できます!
今回の投稿は以上です、最後までご覧いただきありがとうございます
次回はB4の大竹さん、髙橋さんの初投稿です!お楽しみに!