本命馬キミノナハマリア考察
いきなりですが、今回のエリザベス女王杯本命馬は◎⑨キミノナハマリアです。
今回は何故この馬が本命なのか、推しポイントを解説しようと思います。
2024年4月20日
福島牝馬ステークス
このレースに同馬は出走していました。
結果は14着。
1着馬から24.7秒差の断トツ最下位でした。
このレースを見た方ならご存知の通り、このレースは2頭の落馬があり、落馬した馬を回避する為に大きくルートから逸れて途中で競馬を止めたための14着でした。
落馬した1頭はライトクオンタム。
シンザン記念を勝ち、将来を嘱望されこれからが楽しみな1頭でしたが、残念ながら怪我が完治せずそのまま繁殖牝馬入りとなりました。
騎乗していた吉田隼人Jはこの落馬でくも膜下出血の大怪我を負い、長期間のリハビリを経て10月6日にカムバックし10月27日に7ヶ月半ぶりの勝利を挙げました。
落馬したもう1頭は、今回エリザベス女王杯でも人気をしているシンリョクカ。
この馬が挟まれ躓き落馬したのをきっかけにライトクオンタムが落馬、キミノナハマリアが大きく影響を受け実質競争を止め、他数頭も影響を受ける形になりました。
その後、シンリョクカはキ甲3個所骨折の大怪我を負い4ヶ月の休養。9月1日新潟記念で復帰し木幡初也Jと共に人馬初重賞制覇を成し遂げ完全復活となりました。
このレースの通常映像では、落馬後の空馬2頭と影響を受け競争を止めたキミノナハマリアの映像は映っていません。
しかしパトロールビデオにはゴール後、空馬と共に最後まで走るキミノナハマリアの映像がしっかりと映っています。
まだ見ていない方は是非見てみてください。
空馬2頭に抜かれ、それでも競争を止めず最後まで走る人馬。その「悔しさ」と人馬の「誓い」がはっきりと映像から感じられるはずです。
その後、同馬は2戦を1着、3着と連続好走するのですが、この福島牝馬Sのパトロールを見て人馬の気持ちを考えながらレースをみるのと、ただ直近2走のレース映像をみる「だけ」では雲泥の差があると考えています。
もし時間がありましたら福島牝馬Sのパトロール映像をみてからその後の2レースを順番に観ることをおすすめいたします。
2024年7月7日
五稜郭S 函館芝 1800m 稍
福島牝馬Sの実施競走中止から臨んだ1戦目。
鞍上は福島牝馬Sから継続騎乗の鮫島J。
隊列縦長になる中、道中を中段後方に位置。
4角手前から激しく手を動かし外から捲っていき、直線は上がり最速で2着以下を-0.3突き放し1頭抜けた圧勝でゴール。しかもまだまだ余力を残しての圧勝劇でした。
鮫島Jは同馬にデビュー戦函館1800mと11戦目京都2000mの2回騎乗しておりどちらも連帯しています。しかし注目すべきは仕掛けるタイミングと馬の動かし方、ゴール前での馬の反応が今までと明らかに変わった事。
同馬は先行して直線で差すか粘るかが多い馬なのですが、仕掛けるタイミングが早かったり遅かったりでなかなか勝ち切れず好走はするもののもったいない競馬が続いていました。
このレースで鮫島Jが見せた「早めの鬼シゴキ仕掛け」は同馬のポテンシャルを最大限に引き出し、持てる脚を余すこと無くフルに活用するベストな仕掛けだったと感じました。
2024年8月3日
札幌日経ОP 札幌芝2600m 良
福島牝馬Sからの2 戦目。
前走圧勝した1800mから大きく距離を延長し初の長距離となった同レース。このレースで同馬は3着に好走します。
先行好位から脚を溜め、ここでも4角手前で前走同様「早めの鬼シゴキ仕掛け」を敢行。2600mと今までとはまったく違う札幌のスタミナが要求される長距離レースで、直線上がり2位の脚を使い前の2頭を追いつめる形で3着に好走したのです。
このレースを見て、私は直感しました。
「鮫島Jはこの馬を手の内に入れたのだ」と。
仕掛けられてから、最初の馬の反応は少し鈍く、それでも上手くコーナリングし、直線ではトップスピードに乗り、最後は更に距離伸びれば突き抜ける勢いでのゴール。
この2戦を見る限り、どのタイミングでこの馬を動かしていけば、直線で最大限の脚を使えるのかが鮫島Jには分かっているのだと思います。
直近の1800mと2600mを見る限り、今の同馬のベスト舞台は
・少し時計のかかる重ための馬場
・距離は2000m〜2200m
・4角から下り坂でロンスパになる京都
この条件がベスト舞台だと考えます。
そこに本格化を迎えた馬、完全に馬の仕掛けどころを手に入れた騎手。
重賞未勝利馬とG1未勝利騎手がG1で輝くとしたらこの舞台なのでは無いかと思います。
更に、距離短縮組は今回同馬のみとなります。
例年では同レースは距離延長組との相性が良く、距離短縮組は成績が良くないデータがあります。
しかし、1800m→2600m→2200mは直近のレース内容と今のスタミナを要する京都の馬場を考えれば例外的にプラスに働くのではないかと考えております。データ派に嫌われてオッズが上がるなら面白い。これは実際レースをよく見ていないと分からない事なので、そこに今回1番の妙味を感じています。
冒頭に書いた通り、ただ直近2レースを見ただけでは本当の真価はわかりません。
福島牝馬Sで落馬し競走中止となったシンリョクカは、人馬ともその後の復活劇でメディアでも取り上げられ、今回の舞台でも上位人気に支持され『G1初制覇』を期待する記事も多く出ているようです。
木幡初也Jは29歳
鮫島克駿Jは28歳
同世代の騎手として、鮫島Jが燃えない訳がありません。確かにシンリョクカは強くなったし、馬も騎手も事故を乗り越え成長したと思います。
しかし、あの時同じ4歳馬の中で、同じように悔しい思いをした存在を世間の殆どは忘れています。
手応えや動きが抜群だったにもかかわらず実質競争中止を余儀なくされ、最後にはカラ馬2頭にも抜かれ、先頭から24.7秒も遅れ、それでも諦めず最後まで走りきりゴールした人馬。
あの時「絶対に勝って見返してやる!」と言う強い気持ちと誓いが、直近2戦の鮫島Jの鬼シゴキと、それに応えてハミをとるキミノナハマリアから伝わってくるのです。そして確実に見えない力が人馬を突き動かしているように感じるのです。
余談ですが、この馬の5枠「黄色帽」は今まで4回あり、成績は2.0.1.1。
着外は実質競争中止の福島牝馬Sのものであり、実質は2.0.1.0とパーフェクト馬券内。
そしてこれらは全て鮫島J騎乗によるものです。
更に鮫島J騎乗は2.1.2.1。
こちらも着外は福島牝馬Sのものなので実質は2.1.2.0とパーフェクト。
※ちなみに今回と同じ馬番⑨は京都で武豊J騎乗が1回あり1.0.0.0です笑
そして「黄色い帽子」は福島牝馬S→五稜郭S→札幌日経ОP→エリザベス女王杯と4戦連続。
福島牝馬Sのあの日からずっと同じ『幸運の黄色帽』が今回も与えられたのです。
これは単なる偶然ではなく、神様が鮫島Jとキミノナハマリアに『ここで勝ちなさい』と言っているように私には思えてならないのです。
華々しい復活を遂げた同じ4歳馬のライバル・シンリョクカとの因縁の対決。
福島牝馬Sで強い勝ち方で1着となったコスタボニータとの再戦…
データからは福島牝馬Sとエリザベス女王杯の相性は良くないのは知っています。しかし今回ドラマがあるならば、キミノナハマリアとこの2頭のリベンジマッチでは無いかと思っています。
競馬にはストーリーがあります。
福島牝馬Sから始まったシンデレラストーリーは様々な苦難を乗り越え、ライバルとの激闘を経てこのG1エリザベス女王杯で完結すると信じています。もちろん、涙と笑顔のハッピーエンドで…
現在キミノナハマリアは11番人気。
見たいですね。鮫島克駿JのG1初勝利とキミノナハマリアの重賞初制覇。
エリザベス女王杯
私の本命馬は◎キミノナハマリアです。
お読みいただきありがとうございました。