日本三大定食(中)
くだらないことを思いつく「バカ脳」を取り戻すべくリハビリ中です。
日本三大定食・和食の部はこちら
日本三大定食・中華の部の決定戦の様子についてですね、
ええ私はその会場にいました、私の主観でよければお話しします…。
満員の観客がひしめく決定戦の会場は、開始前から異様な雰囲気に包まれていました。
客席の一角を陣取った「半チャン軍団」と呼ばれる一軍は明らかにタダナラヌ様子で、一触即発といった殺伐としたオーラを露骨に放っていました。
予選会が荒れに荒れたという、
「ラーメン半チャーハン」もしくは「チャーハン半ラーメン」が定食として認められるか、
という判断が冒頭で発表されると伝えられていたのです。
その2つ双方での内輪もめもあったようですが、「定食は汁・飯・菜からなるもの」という条件を満たしている、また町中華の店ではすでに当然のように定番化しているメニューだというのが彼らの主張です。
しかし…開始時間になり、アナウンスで放送されたのは「定食とは認めない」という、却下の決定でした。その根拠は大方の予想どり「汁・飯はあっても麵を菜とは認めない」というものでした。
ここぞとばかり、半チャン軍団は用意してきたレンゲでどんぶりを叩いて抗議します。
それは耳をふさぐほどの大きな音で会場に響き渡りました。
しかし、突然の大きなドラの音、その一発で会場の雰囲気が一変しました。
候補定食の入場行進です!
酢豚定食を筆頭に、エビのチリソース定食、回鍋肉定食、青椒肉絲定食、レバニラ炒め定食、八宝菜定食、油淋鶏定食、麻婆豆腐定食、麻婆茄子定食、カニ玉定食…
超重量級のスーパースターばかりが続々と入場してきました。
餃子定食はこの中では小兵ですが圧倒的なフォロワー数を誇ります。
冷凍食品の隆盛とともに突如人気が急上昇した焼売定食。
そして本場中国からの刺客とも報じられた、白身魚甘酢炒め定食、牛肉のオイスター炒め定食、卵とトマトの炒りつけ定食。
「定食とは日常食であり、贅沢は相いれない」という和食部門の判断をあざわらうかのような、きらびやかでゴージャスなラインナップ。
そんな面々が会場で広く円になり、中華式回転テーブルにならって客席むかって回りながら顔見せをする、
その演舞に圧倒されてあれだけ騒がしかった半チャン軍団も抗議を忘れてすっかり魅入っていました。
(のちにラグビーニュージーランド代表が、この演舞を元に「ハカ」という試合前のパフォーマンスを考案したのは有名な話です)
壮麗かつ雄大な歴史を感じさせた開幕の演出とはうってかわり、
代表選考はきわめて科学的なやりかたで行われました。
身長体重・胃袋の容量・咀嚼力や消化力・腹の好き具合がまったく同じ若者(判定員)15名がそれぞれ一品づつを食べ、
完食する速さと脳内の快楽物質・エンドルフィンの分泌量で測定されるという、
「おそ松くん形式」と呼ばれる方式が初めて採用されたのがこの時なのです。
…結果はもうご存じなんでしょう?
圧倒的な食べきりの速度で麻婆豆腐定食が優勝しました。
しかしここで、会場では一波乱起きていました。
麻婆豆腐定食を食べるのが早かったのは、単に辛かっただけなのではないか?だから白米を食わざるを得なかったのでは?と抗議の声があがったのです。
その意見が会場に伝えられるとまたたくまに同調するものがあらわれ、ふたたびレンゲでどんぶりを叩く抗議の音が会場に鳴り響きました。
「待ってくれ!」
ここで声をあげたのは、当の麻婆豆腐定食を食べていた判定員~おそ松くんのひとり~でした。
「確かに痺れるように辛かったからメシが進んだのは事実だ。でも俺は甘い麻婆豆腐も食べたいんだ、甘い麻婆豆腐も出してくれ!」
目の前に甘口の麻婆豆腐定食が出されると、おそ松くんは再びがっつくようにかきこみ始めました。
その様子を見た他の判定員たち~カラ松・トド松・十四松たちも、一斉に麻婆豆腐を注文します。
美味しそうに辛口や甘口の麻婆豆腐定食を食べる15人のおそ松くんたち、それを見るともう会場に異議を唱えるものはいませんでした。
日本三大定食・中華の部が、麻婆豆腐定食に決まった顛末はこんな感じです。こんな説明でよかったでしょうか?
この時の映像やもっと詳しい資料は、
日本の麻婆豆腐の祖・「陳建民博物館」に行って調べて見るといいですよ。
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意図的にくだらないことを書こうとしています。
お読みいただいた方、お付き合いありがとうございました。
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