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シチリアワインレポート|世界のワインの未来

Decanter誌(2024/11/20)- 翻訳

「世界のワインの未来はイタリアにある。」

国際ワイン機構(OIV)の会長であるルイージ・モイオ(Luigi Moio)氏は、9月にイタリアのEtnaで開催された会議でそう語った。

同氏は、ナポリ大学の醸造学教授であり、カンパーニャ州のQuintodecimoワイナリーのオーナーでもある。

モイオ氏は気候変動に直面する中で、晩熟品種の重要性を強調した。

「NerelloやCarricante、Grilloなどの晩熟品種について言えば、これらは独自の特性を持ち、適切なブドウ栽培を行えば、いくつかの利点がある」と述べている。

シチリアのワインへの高まる期待に、誰もが心を躍らせている。

Grilloは、かつての大量生産向けMarsalaワイン用品種から、情熱的なフルーツの風味を持つアロマティックなものから、明るく塩味のあるレモンのような味わいまで、魅力的な多様な辛口スタイルを提供する品種へと進化を遂げた。

Sauvignon BlancやChablisを好む愛好家にとって、素晴らしい橋渡し的な品種である。

Planetaワイナリーのアレッシオ・プラネタ(Alessio Planeta)氏によれば「おそらくシチリアで最も興味深いブドウ品種の一つ」とされている。

Grilloの可能性は、イタリアの3人のマスター・オブ・ワイン(Gabriele Gorelli MW、Andrea Lonardi MW、Pietro Russo MW)による「Officina del Ventoプロジェクト」によって裏付けられている。

彼らはMarsalaのStagnone自然保護区内にある、以前は放棄されていた1ヘクタールのGrillo畑から初めてのワインをリリースする予定だ。

Carricanteは、Etnaを代表する白ブドウ品種である。還元的でフリント(火打石)のような特徴を持つPuligny風のスタイルで造られることが増えており、これは品種の長所を最大限に引き出している。

Grilloが初日から表現力豊かであるのに対し、Carricante(特にEtna産)はセラーで育つ美しさを持ち、その真価を発揮するには数年の熟成を要する。

西のGrilloと東のCarricanteというこの2つの品種は、シチリアの明るい包括的な未来を完璧に表現している。

記事内で紹介されているシチリアワイン

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参考文献

Decanter:Sicily Report 2024: Etna’s golden opportunity

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