男性経験のない私が風俗に飛び込むまで
私は今、風俗の仕事をしています。
今回は風俗という業界に飛び込むことになったきっかけをお話したいと思います。
バンドにハマった学生時代
高校時代からあるバンドにハマり、一年に一度ほど親に許可を得て、地方都市のある隣県までライブを観に行っていました。
田舎に住んでいて、自称進学校に通っていた私は、勉強漬けの毎日と、ちょうどその時家庭環境がズタボロになってしまい、家族とも友達ともほとんど遊びに行くことができませんでした。
大学生になったら東京に出て、好きなことを学びながらも沢山遊べるようになりたい、今よりライブに行けるようになりたいと考えていました。
訳あって東京に出る夢は頓挫してしまいましたが、先述の地方都市の大学に行くことになり、一人暮らしを始めることになったのです。
これでやっと、親の許可もいらず、ライブにたくさん行ける。
そんな思いで、スケジュールに都合のつきやすい単発バイトを重ね、始めは県内から、どんどん都内や他の都市にも遠征をするようになっていきました。
挫折と甘い罠
そうこうしているうちに、お金が足りなくなっていきました。
生活費はもちろん、ライブのチケット代、グッズ代、遠征の交通費、ホテル代、お土産代…今思えば削ろうと思えば削れた出費も沢山あったのでしょうが、それまではろくな楽しみもなく生きてきた人生だったので、折角ならば楽しみ尽くしたい!という気持ちがあったのだと思います。
それに、あろうことか好きなバンドのメンバーを本気で好きになってしまいます(いわゆるガチ恋、リアコというもの)。
恋愛経験が皆無だったものですから、仕方がないといえば仕方がなかったのでしょうが、今思えばとても愚かで恥ずかしいことだったなと思います。
同じ方のファンにどうしても負けたくなくて、ライブやイベントに行く本数や、購入するCDの数がリリースやツアーの度に増えていきました(というのも、CDを買うとツーショット写真を撮れたりサインをしてもらえたりといったイベントがあったから)。
やりたいことを全部叶えようとする私には、さまざまな出費がのしかかります。
そんなある日、同じバンドの他のメンバーが好きな友人にこう誘われました。
「原宿に○○さんが行きつけの服屋さんがあるよ、面白そうだし行ってみようよ」
そのメンバーはいわゆる『推し』ではなかったのですが、当時の私はその方がしている服装が好きで、とてもリスペクトしていました。
実際、そのお店は彼がブログで紹介していたこともあり、とても信憑性があるな、と思いました。
まあ見るだけならいいか、と特に難しいことは考えずについて行くことにしました。
まず店に入ると、明るい男性が出迎えてくれました。
話を聞いてみると、どうやら彼がいつもそのメンバーの担当をしているのだといいます。
彼は店内を回って、「○○さんはこういうの好きそうだよ!あなた(筆者)にはこういうのが似合いそう!」とマシンガントークで商品を紹介し始めました。
「よし!じゃあ試着してみよ!」
何があったのかよく覚えていないのですが、気づいたら試着をすることになっていました。
友人を呼ぼうとしましたが、友人は離れたところで別の店員に接客されています。
まあ試着だけ…と仕方なく着てみると、「こんなに似合う人いないよ!ライブに着て行ったら○○さん喜ぶよ!」と凄い調子で褒められました。
試着の際に気づいたのですが、そのお店の商品には全て値札がついていませんでした。
しかし、古着とオリジナル商品を扱っているお店だったことや、そのメンバーがリーズナブルなのにおしゃれ!とブログで紹介していたこともあり、そんなに高くないだろうとたかを括っていました。
「じゃあ…セットで買います!おいくらですか?」
「7万円です」
たっっっっか。
ただでさえ遠征費やライブの費用でお金がいっぱいいっぱいの状態なのに、服にそんなにお金は使えません。
ましてや、ほとんどが古着かつ高級ブランドのものでもないのに、靴とスカートとシャツの3点で7万円なんて、どう考えてもおかしいのです。
「あの…こんなにお金持ってないし払えません」
「クレジットカード持ってる?リボ払いにすれば月々数千円払えば数ヶ月後には払い終わるから大丈夫だよ!○○さんに見せたくないの?」
お恥ずかしいことに、当時の私はリボ払いについての知識が全くなく、何ヶ月かかかっても払い終わるならいいか…という安易な考えでいました。
それに、お店に行った翌月にそのメンバーの誕生日ライブがあり、そこでその服を着たいという気持ちもあったのでした。
それでも買い渋っていると、
「じゃあ特別に5000円値引きしておくから!6万5000円で!」
「わかりました…」
あれよあれよと口車に乗せられ、クレジットカードで決済をしてしまいました。
当時はまだ接客されるようなお店で買い物をしたことがあまりなく、断りごとができない気の弱さも見抜かれ、気をよくさせられて騙されたのだと思います。
後から考えれば、完全にカモにされたのでした。
余談ですが、友人も何か買わされていました。
さらに余談ですが、自分の中でちゃんと払うし大丈夫…と何度も言い聞かせましたが、ノリで人生で一番高い買い物をしてしまったことが大変なショックだったのか、帰りのバスで失神、救急車で搬送されてしまいました。
それぐらい衝撃的な出来事だったのだと思います。
低くなってしまったハードル
そのことがあってからもライブに行くことは続けていました。しかし、そのお店で服を買ったことで月の支払いが数千円ずつ増えてしまったので、さらに家計を圧迫していました。
このことは、家族や友達にも相談できませんでした。
好きなメンバーに会いに行くのが生き甲斐だった私は、ライブやイベントに行かなきゃいいじゃんと言われるのが怖かったのだと思います。
そうだ、リボ払い…。
後から払えば大丈夫。
気づけば、普段の生活費や遠征費もリボ払いに回すようになってしまいました。
一度リボ払いにすることを経験したことで、リボ払いをすることに抵抗がなくなってしまったのです。
以降、払えなくなったらリボ払いに回せばいいか!という安易な考えで、次々とリボ払いを利用するようになっていきました。
やがて、リボ払いを利用できる枠すらなくなってしまい、これはいよいよ払わないとまずいぞ…というところまで来てしまいました。
払っていないのがバレたら、親にも叱られるどころか、実家に連れ戻されてしまうでしょう。
しかし、普段の単発バイトや派遣バイトで得たお金では賄いきれません。
じゃあ、どうしようか?
そこで思い出したのが、街でもらったポケットティッシュに入っていたチラシでした。
「女性のための簡単高収入ワーク♪」
ポップな文字、可愛いイラストで、チラシにはそう書かれていました。
そのような事になる前にも、何度か同じポケットティッシュを貰ったことはあったのですが、こんな怪しいのやるわけないよな〜と思い、チラシは捨てていました。
簡単、高収入、この言葉に釣られて、とりあえずチラシにあったQRコードを読み込み、ホームページから詳細を確認してみることにしました。
ホームページを見ると、画面越しに男の人とお話するだけで一日5万円も夢じゃない♪、綺麗なオフィスビルで安心♪などと、魅力的な文言が並びます。
察しのいい方はお分かりかと思うのですが、これはチャットレディの募集広告だったのです。
ものは試し…最悪話を聞くだけでも…と思い、藁にもすがる思いで書いてあったメールアドレスに問い合わせのメールを送りました。
次回、チャットレディ編に続きます。
⭐︎しくじった私からのアドバイス⭐︎
○他の人と張り合うのは自分が苦しくなるだけ。推し活は自分の身の丈に合った範囲内でやろう!
○ガチ恋はしてる時は楽しいけれど、後々後悔するのでほどほどに!(多分無理)
○リボ払いはやめよう!
(後々記事にする予定ですが、筆者はこれで債務整理することになります)