ほっとする
オリンピック選手の試合後のインタビューで、特に優勝し金メダルを獲得した選手からは、「ほっとしました」という言葉が聞かれます。特に試合直後は、勝てたことの実感、金メダルととったことの実感というよりは、長い間、重圧に耐え忍んできたことからの開放感が先に来るのかなと思います。特に勝って当たり前の様に言われてきた選手は本当にほっとするのだろうと思います。我々、医師、特に重圧のかかる手術を多くしている医師にも共通なほっと感があります。手術直後のほっと感、手術後も何もなく無事退院するときのほっと感、退院後初めての外来で調子も悪くなく、病理の結果も良く、病気が治ったであろう(そうは言っても長期間見ていかなければなりませんが)と感じた時のほっと感。特に前立腺がんの手術後は尿の漏れがないのを確認できた時のほっと感は大きいです。医師を志した頃には、患者さんが治って退院する時には万歳もので高揚感がすごいのではとも想像していましたが、実際は、そういう劇的な場面はなく、患者さん・家族とも大きなほっと感、我々もほっと感じているのだと思います。もしかしたら、世界中の人々が経験している重圧の中で、オリンピックも一つのほっとする材料になったのかもしれません。世界が早く真にほっとできる状況になれば良いなと思います。問題がなくなったら、素晴らしいオリンピックの競技場へ行き、ほっとしながら競技を見たいものだと思います。
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