架空コント「ヴァンパイアハンター」
明転、AB共に板付
A:ヴァンパイアっぽい格好
B:ヴァンパイアハンター(神父っぽい格好)
B「とうとう見つけたぞ、吸血鬼め!」
A「ちょっと待って。えっ。何のことですか」
B「甘くみたな!俺には伝説の銀の十字架があるんだ!」
(B、身の丈程の十字架を掲げる)
A「だから待てって!俺は吸血鬼じゃないって!」
B「お前もこれでおしまいだ!くらえ!」
(A、倒れこむ)
(B、Aの上にマウントを取り十字架でボコボコにする)
A「ちょ、ちょっと待って」
B「なんだ、今更命乞いか!」
A「十字架の使い方が思っていた感じじゃないのよ!」
B「なんだ!騙そうといったってそうはいかないからな!」
A「だから吸血鬼じゃ…」
(B、ふたたびAをぼこぼこにしようとする)
(A、逃げて立ち上がる)
A「そんなボコボコにする必要ないのよ!」
B「どういうことだ!」
A「銀の十字架って吸血鬼の弱点だから。掲げられただけであいつら瀕死になるのよ」
B「効果が薄そうだったら直接やった方が早いって聞いて」
A「そんなやり方教えたサイコパス誰よ」
B「この十字架をくれた神父さん」
A「こっわ。そんなんが神父やってるとか吸血鬼より怖いわ」
B「身長2mでムキムキの大男だった」
A「そいつ絶対元武闘家でしょ。途中で神父に転職したでしょ」
B「司祭服が黒いと返り血が目立たないから良いらしい」
A「もしかして十字架に有刺鉄線巻いているのも神父のせい?」
B「こうした方がダメージが大きいだろうっていうから巻いてみた」
A「戦い方と発想がヤンキーなのよ。勇者がすることではないのよ。お前がボコボコにしてるのが吸血鬼じゃなくて人間だったらどうするつもりやったん?」
B「その場合は目撃者は俺しかいないから闇に葬ればバレないかなって」
A「吸血鬼よりやべーやつじゃん」
B「勝利のためには多少の犠牲はやむを得ない」
A「あんたが犠牲者を増やしかねないのよ」
B「ともかくおしゃべりはここまでだ!くらえ!」
(B、攻撃を再開しようとする)
A「ちょっと待って。もう一個気になっていたんだけど、あんた十字架にニンニク塗りたくっているでしょ」
B「ニンニクも吸血鬼の弱点だっていうから」
A「だから絶対そういう使い方じゃないって。掲げたりするだけでいいのよ。十字架がもうヌルヌルだしあんたもニンニク臭くなっているじゃん」
B「勝利のためには多少の犠牲はやむを得ない」
A「だからそれ絶対払わなくてもいい犠牲だから」
B「顔を背けるあたり、やはりニンニクが弱点!貴様は吸血鬼のようだな!」
A「いやもうあんた普通の人でも近寄りたくないレベルでニンニク臭いから」
B「うるさい!さぁとどめだ!くらえ!」
(B、Aの胸に十字架を打ち付けようとする)
(A、Bをはねのける)
A「胸に十字架ぶっ刺されたら吸血鬼じゃなくても死ぬわ!」
B「まだそんな力が残っていたのか…!」
A「これ頑張っているほうよ。もう最後の力を振り絞っているから」
B「ここまでやって倒れないとは…あなたもしかして本当に吸血鬼じゃないんですか?」
A「だから最初からそう言ってるだろ!あんた危うくニンニクまみれの殺人鬼やぞ!」
B「やってしまった…とりあえず麓の神父さんのところで治療してもらいましょう」
A「いや絶対会いたくないわ!」
暗転
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