架空漫才「いきなりだけど」
ツッコミ「どうもー[コンビ名]ですーよろしくお願いしますー」
ボケ「よろしくお願いします」
ツッコミ「いきなりなんだけどさ、実は相談したいことg…」
ボケ「ちょっと待って」
ツッコミ「ん?」
ボケ「いきなり、じゃないよね?」
ツッコミ「ん??」
ボケ「今度彼女と行く予定のデートプランを相談したいんでしょ。知ってるよ。だって練習したから」
ツッコミ「そりゃあそうかもしれないけどさぁ…それは言っちゃダメでしょ」
ボケ「一週間前から話し合って今日このネタでいくって決めたじゃん」
ツッコミ「あんまし漫才師が裏で話し合ったとか言うなって」
ボケ「なんならネタ書いたのも俺だしね」
ツッコミ「書いたとか一番言っちゃダメでしょ」
ボケ「とにかく、いきなりじゃないのにいきなりって言われても気持ちがノらないわけ」
ツッコミ「じゃあどうやって漫才はじめたらいいのよ」
ボケ「んー、ご存知かとは思いますが、とか?」
ツッコミ「ご存知かとは思いますが、そう来たか」
ボケ「お客さんの中にはこのネタ知っている人もいるかもしれないから、そういう人にも配慮されているしさ」
ツッコミ「あんまり漫才にリピーターって概念持ち込むやついないと思うんだけどなぁ」
ボケ「いいからそれではじめてみてよ」
ツッコミ「分かったよ……えー、ご存知かとは思いますが実は相談したいことがあって」
ボケ「なんですかなんですか」
ツッコミ「今度彼女と行く予定のデートp…」
ボケ「ちょっと待って」
ツッコミ「ストップ早くない?俺まだ一セリフ目を言い切れてないんだけど」
ボケ「毎回そういうけどさ、結局今度デート行かないじゃん」
ツッコミ「いやそれこそもうそういうものでしょ」
ボケ「毎回行きもしないデートの相談をされるこっちの身にもなってみてよ。やる気出ないよ」
ツッコミ「お前それ言ったら漫才って概念全否定していることになるからな」
ボケ「最初からさ、行かない予定のデートって宣言してよ。そしたらこっちもそれなりのテンションで付き合うからさ」
ツッコミ「なんだよ行かない予定のデートって」
ボケ「いいからいいから」
ツッコミ「分かったよ…えーご存知かとは思いますが相談したいことがあって」
ボケ「皆さんももうお分かりですよね?」
ツッコミ「……今度彼女と行かない予定のデートプランについて相談に乗って欲しいんだよね」
ボケ「もう行先がマンネリ化しているから、目新しいのを一緒に考えて欲しいんでしょ?」
ツッコミ「そうだけど先に俺のセリフいうのやめてくんない?まだようやく台本の3行目を完走したとこなんだわ」
ボケ「そして俺が製鉄所、宇宙センター、俺の実家とどんどん変なところを提案して、結局いつものところに行くんでしょ」
ツッコミ「ボケ内容もオチも最後まで言ってんじゃねぇよ!!!!」
ボケ「やっぱりもう全部知っているとやる気出なくて」
ツッコミ「何回もしている話をさも今初めてしているかのようにするのがプロの漫才師だろうが!!!!」
ボケ「その点落語家ってすごいよな。何百年も同じ話していて飽きないんだもん。忘れっぽいのかな」
ツッコミ「むしろあれは記憶力のステータスMAXだろうが」
ボケ「それにもういい時間になっていたしさ」
ツッコミ「お前が変なところつつくからだろ」
ボケ「というわけでフルで見たい方はYouTubeとかで調べてみてください」
ツッコミ「いやそれが一番予定外だったわ。一旦辞めさせてもらいます」
ボケ「どうもありがとうございました」
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