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第4回キャラクター考察「マナ」

サプライズ?それともプレゼント?モンドリⅡに向けて仕込まれていた壮大な伏線とは一体、、、


1,始めに

初めましての方は初めまして!お久しぶりです、オゾン墨(おぞんすみ)です。2024年ももう9月下旬となり、モンストもまもなく11周年を迎えます。来週末にはモンストフリーク2024の周年放送も行われるということでとても楽しみでね。
さてそんな中、今回は今年のモンドリⅡのフィナーレにて獣神化・改を果たしたマナについてのキャラクター考察を行なっていきたいと思います。

2,テーマに入る前に

さて、早速マナのキャラクター考察を行いたいのですが、まず前段階として記述する必要のある話題がある為、今回はまだ結論を述べず、話の順序を遡って解説していきたいと思います。
まず、この考察の始まりは去年の末登場した、sinギルティから始まります。(以降、モンストディクショナリーから参照した内容は全て項目9の参考資料に記載しています。)

3,キャラ同士の関係性に関する考察1

1,辰年と"ドラゴン"の共通点

去年の末にsinギルティ、さらに今年の3月にゲキリンが激獣神祭に登場しました。これらはどちらもドラゴンがモチーフであり、今年2024年が辰年ということもあって、今年は5連続でドラゴンに関係したキャラが実装するのではないか、ということが巷でも話題となっていましたね。(結局続いたのはモンテクリストであり、この説は否定された訳ですが。)
一応2キャラを軽く説明しておきます。
・sinギルティ:ドラゴンの姿をした、神から任され人類の罪を裁く存在
・ゲキリン:世界を創生した伝説の双竜の娘であり、世界の管理を任されている

sinギルティ(左)とゲキリン(右)

そしてここで、次に話すべきキャラとして上がってくるのはナイトメアです。

2,ナイトメアと"ドラゴン"の共通点

・ナイトメア→夢の世界に封印されていたヴァンパイアの少女

ナイトメアの元ネタであるヴァンパイア。ヴァンパイアとは中世ヨーロッパで創作された生き物ですが、そのヴァンパイアの元ネタは、史実上に存在するウラドツェペシュドラキュル(ウラド3世)という、中世ヨーロッパのワラキア公国の君主です。名前のドラキュル、というのは添え名であり、これはハンガリー王国から任命された”ドラゴン騎士団”というキリスト教騎士団の団員に由来するものです。
つまり、sinギルティ、ゲキリンに続いてナイトメアにも"ドラゴン"の共通点が含まれているのです。

sinギルティ(左)とゲキリン(中)とナイトメア(右)

3,モンテクリストとナイトメアの”〇〇”の共通点

・モンテクリスト→元船乗りエドモンダンテスの復讐劇。モンストディクショナリーでも、割と原典に近い内容になっている。

さて次に見ていくのはモンテクリストです。モンテクリスト伯とは、19世紀フランスで書かれた小説の主人公であり、このモンテクリストからは、ここまで見てきた内容、つまり”ドラゴン”との共通点は見られません。しかし、ここで全く別の観点からキャラ同士の関係性を見出していく必要があることに気付かされます。

この主人公モンテクリストの名前は、エドモンダンテスが復讐をすると誓った際に自身の本名を捨てるために名付けた別の名前であり、作中では、自身が滞在した島であるモンテクリスト島、から取って名付けられています。これは実際に存在する島であり、その名前の意味は、”キリストの山”のイタリア語訳。中世では参礼の地でもあったようです。
つまりここから、先ほどの記述と繋ぎ合わせると、間接的にナイトメアとモンテクリストは”キリスト教”という要素で繋がりがあるということが分かります。(ウラド3世はキリスト教騎士団であった)

ナイトメア(左)とモンテクリスト(右)

4,マナに関する考察、及び”キリスト教”の共通点

4,マナから見られるキリスト教要素

・マナ→言わずと知れた2018年の新春キャラ。モンストアニメにも長く登場。モンドリⅡにて晴れて獣神化・改を果たした。

さて、ようやく本テーマのメイン、マナについての解説をしていきます。まず軽い結論から述べると、モンストのマナは"キリスト教"と深い関係があると断言できます。ここからはその理由を4つ(5つ)述べていきます。

1,マナのSSのセリフ
マナ進化とアニマ獣神化に見られるセリフ、「悲しい時も、寂しい時も、悩んでいる時も」。この元ネタは、結婚式にて神父が言うセリフ、「健やかなる時も、病める時も、〜」のオマージュなのではないでしょうか。
このセリフは、キリスト教式結婚式における、5つの決まり事として定められているもの。(実際マナはモンストアニメ主人公の焔レンと結婚している為(描写上恐らく)、その伏線でもあるのかもしれません)

2,マナ・アニマと”赤い月”について
“アニマ”とは、魂のラテン語訳であり、ANIMAとして、キリスト教世界観において生まれた概念であり、当時の芸術作品からも多く見られます。そして“赤い月”は、「ヨハネの黙示録」において記述されている、”世界が終わる時に現れる血塗られた月”が元ネタである可能性が高いと思われます。(実際、マナアニマはモンストアニメ上で世界の終末の際に解放者として現れた存在。)

3,マナの父親
モンスターであるマナの父親の名前は「サリエル」だとモンストアニメ内で語られています。この元ネタは、旧約聖書に登場する大天使サリエルだと考えて良いでしょう。ここからも関連性が見られます。

4,マナの誕生日
マナの誕生日は12/26。この日はクリスマスの翌日であり、「ボクシングデー」と呼ばれ、キリスト教圏ではクリスマスに渡されたプレゼントを開けるというめでたい日とされているようです。マナとはモンスト世界におけるプレゼントの象徴のような存在と考えられるのではないでしょうか。(マナの誕生日がクリスマス当日でないのは、、、さらに後述して内容を記述)

※5,ミロクの存在
ミロク、の元ネタは大乗仏教における未来に現れ世界を救う存在、弥勒菩薩から来ているのは間違いなく、つまり、モンストアニメでも描かれたマナとミロクの対立とは、「異なる宗教観における世界の終末の相違点」というテーマが根底にあったのかもしれません。

以上の4つ(5つ)の要素の通り、マナにもナイトメア、モンテクリストと同じく、”キリスト教”と関係があるキャラクターだと言えるのではないでしょうか。
そしてこうして考えてみると、sinギルティとは、ドラゴンの見た目をしているだけで、テーマはかなりキリスト教的価値観に近いように思われます。

5,sinギルティから見られるキリスト教要素

キリスト教には「原罪」という考え方があり、これは人類は神によって生まれながらにして罪を背負っている、という考え方です。(所謂アダムとイブの知恵の実)
これをsinギルティと比較してみると、ディクショナリーでは、これらと全く同一の言及ではないものの、”楽園”という単語を出していたり、神によって使わされたという設定など、ストーリーはかなり聖書に近いと感じられます。(そもそもモンストにおける”神”とは?気になる所ですが)
因みに、sinギルティが実装された際に登場したサイト、「sinギルティの懺悔部屋」。懺悔部屋の元ネタとは、主にカトリック教会における洗礼以後に侵した罪の赦しを与える施設であり、ここにもキリスト教的要素があります。
また、デザイン案に記載されている"シンのマーク"は十字であり、これはカトリック十字架のような比率にもなっています。

そして、モンストには更にキリスト教と深い関わりがあるキャラクターが見つかります。それは、、

6,マギアから見られるキリスト教要素

・マギア→暗い真実を背負った魔法少女の女子高生。

結論から述べると、マギアの元ネタはイエスキリストそのものです。マギアの誕生日は12/25であり、まさしくクリスマス(誕生祭)の日で、これはイエスキリストの誕生日。また、ディクショナリーに登場する「ベツへレムの星」と「ワイズマン」(東方三賢者)とは、マタイの福音書に登場するキリスト誕生が書かれた逸話から来ているものであり、ディクショナリー内で対峙する「ヘロデ」とは、キリスト誕生時のユダヤ圏支配者の名前です。また、舞台は新宿ではなく"罪"宿。(先ほども述べた通り、罪とはキリスト教における重要な考え方。)これらの内容から、ここまで述べてきたキャラの中でも随一であまりにもキリストと想起させるものが多くなっています。

真獣神化前マギア。
背景にデザインされている花はオオアマナであり、これもキリスト教を想起させる要素の一つ。

そしてここで注目したいのは、マギアが実装されたタイミングです。マギアが実装されたのは、去年の11月、つまり10周年のイベントや内容諸々が完結したタイミングで実装されているのです。

5,結論

以上より、導かれる内容が1つあります。

それはつまり、23年の11月から24年の7月にかけて、マギア→sinギルティ→ナイトメア→モンテクリスト→マナ、と、これらの限定キャラが数珠繋ぎのようにキリスト教という軸によって結ばれていた、ということです。そしてまさしく、マギアというキャラが実装されたそのタイミングから、モンドリⅡにてマナをフィナーレに発表するという伏線を貼っていた、ということなのではないでしょうか!

本考察の結論のまとめ。

これが今回の考察内容の結論になります。いかがだったでしょうか。1つ目としての結論はこれで以上ですが、ここからはその他の要素の整理や確認を行いたいと思います。

6,更に深めて

さてここで振り返ってみると、始まりはsinギルティとゲキリンに”ドラゴン”としての共通点が見られたことからでした。しかし、この考察における結論として用いられた話題はキリスト教でした。
しかし、この前者の繋がりにも意味があったと考えます。それを説明するため、更に別のキャラを見ていく必要があります。
(その前に。これらのキャラ同士の共通点は、それが見られるものを述べており、実際には独立して全く関係の見られないキャラも存在していることには注意が必要です。例えば今年2月に登場したタルタロスは、キャラの設定として適正である5の園のボスキャラクターであるコキュートスとは"ギリシャ世界での地獄"として関連性が見られるものの、他の限定キャラとの共通点は特には見られません。)

7,星霜とナイトメアが導く”ドリーム”としての繋がり、そして「DERAM DAZE」へ

星霜→宇宙を探検して人々に夢を届ける少女。

ここで注目すべき点はキャラの誕生日です。星霜の誕生日は6/10であり、これは「夢の日」として制定されています。(む(6)ちゅう(10)から)
そしてナイトメアの誕生日は10/6で、これは「夢を叶える日」として制定されています。(ド(10)リーム(6)から)
これらの2体は、”夢(ドリーム)”という要素で繋がっており、さらにこれらはモンスト内の最大オフラインイベント、「DERAM DAZE」を想起させる共通点であるのはいうまでもありません。

星霜(左)とナイトメア(中)とDREAMDAZEのロゴ(右)

(因みに、星霜の好物である金平糖は、日本において初めて伝来したのがキリスト教宣教師の影響だったりもしますが、流石にキリスト教との関係性として見るには少し遠いので割愛。)
(更に余談。その他のマギア~マナの間に見られるキャラの内、クリムト(ギリシャ正教会)、アナスタシア(ロシア正教会)、ナイチンゲール(プロテスタント)からは、
それぞれキリスト教との関連性は見られますが、これらは史実上実在した人物を元にしたキャラクターであり、現実世界(特にヨーロッパ)でのキリスト教の派生度合いを考慮すると、この繋がりを必ずしも意図して組み込んだとは断定しづらい為、ここに備考するに留めて置きます。)

8,もう一つの結論、そして終わりに

以上のように、キャラ同士の関係性を探っていくと、かなり多くのキャラ同士に関連性が見られるということが言えました。そこで、以下の内容を今回の考察の2つ目の結論としてまとめます。それは、
「2024年のモンストの限定キャラ同士には、”キリスト教”という大きな”幹”が存在しており、そこに”ドラゴン”や”ドリーム”といった、それぞれ”枝”のようなテーマが付け足されていったことで、伏線だけにとどまらず、モンスト全体としての纏まりのある時間的変化を齎しているのではないか」
ということです。これは、モンドリⅡのフィナーレであるマナまでの出来事だったのか、それとも今後も続いていくことなのかは、現時点では分かりません。(追記:これ以降に登場した限定キャラ、ルミナス・久遠からはキリスト教的要素は見られないため、一旦幹としてのテーマは途切れたと見て良さそうです。)

ここまで長らく読んでいただきありがとうございました。これらの内容が実際にどこまで仕組まれていたものなのか、或いはまだ気付けていないキャラ同士の繋がりが存在しているのかは分かりませんが、今後のモンストからも目が離せませんね。それではまた次回のキャラクター考察にてお会いしましょう!

9,参考資料

項目4にて述べたSSのセリフ
項目4にて述べたSSのセリフ
sinギルティとキリスト教との関連性。
内容に創造神や楽園などの、キリスト教との共通点が見られる。
懺悔部屋
シンのマークの形が十字架に近いことが読み取れる。
マギアとキリスト教との関連性。
”罪”宿やヘロデが登場している。
マギアとキリスト教との関連性。
ワイズマン三賢者やベツヘレムの星が登場。
因みに心願マギアのディクショナリーはトップクラスで長文。
星霜の誕生日は6/10。
ナイトメアの誕生日は10/6。

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