弱いつながりと、大人の就活の関係
人脈には強いつながりと弱いつながりの2種類があります。マーク・グラノベッターによる「弱いつながりの強さ(The strength of weak ties)理論」では、弱いつながりの方が、本当の必要な人脈への橋渡し役をすることなどが示されています。
普段の生活の中でも、勉強会や趣味のイベントで一緒になった方からの情報で、次の仕事につながることがありますね。“強いつながり”である同僚や家族等と異なり、先入観なく見てくれるので新たな視点をもたらしてくれるメリットがあります。
“弱いつながり”をうまく活用して、就活につなげている方の特徴に、以下の点が挙げられます。
☑自分の興味や、やりたいことを発信している
☑相手やコミュニティにとって有益な情報を、積極的に提供している
☑相手やコミュニティと一緒に、新たな関係を創り上げている
つまり、周囲に自分の存在や考えを伝え、自分から関わって関係構築を行い、双方にとってwin-winの関係を築いているということです。
会社員の方でも、普段の仕事の中ですぐに試せることがあります。他部署や取引先、地域活動での他者とのやりとりの中で、少し意識して自己開示を行ったり、相手に質問をすることです。存在感が高まると、相手が新たな仕事を創出する際には想い出してもらえたり、引っ張ってもらえる可能性もあります。
初めての副業への挑戦や、それまでと異なる仕事へのキャリアチェンジの際は、特に意識して動いてみるとよいですね。
中高年になると、人の縁での仕事獲得のケースが増えます。全体の4割が人脈での仕事決定という調査結果もあります。※ 言い換えれば、エージェントや求人サイトだけでは、話が進みにくくなるということです。経験がありすぎることで、採用側も慎重になるという事情があります。間に人の縁が入ることで、その壁を突破しやすくなりますね。
※ 労働政策研究・研修機構「中高年齢者の転職・再就職調査」より
次の仕事獲得した背景や、新たなポジションに抜擢された背景には、それまでの情報発信や行動の蓄積があるんですね。取り入れられそうなところから、真似していきたいところです。