他者の力を借りて、強みを言語化する
自己効力感の高め方
ある行動ができると考える信念、自信のことを言う「自己効力感」。提唱者のBanduraは、自己効力感を高める情報源として以下の4つを示しています。
①達成経験:成功体験を通して自分にはできる、という信念を持つ
②代理経験:モデルとなる他者の観察し習得方法を取り入れ、自分にもできる、という信念を持つ
③説得・励まし:信頼できる人からの説得・励ましを受け、自分にはその能力があると信念を持つ
④生理的・感情的状態:肯定的な気分を通して、自分にはできるという信念を持つ
参考:「激動社会の中の自己効力」Bandura, Albert他
「Self-efficacy: toward a unifying theory of behavioral change.」(1977)
他者の力を借りて強みを見つける
注目したいことは、他者からの力を取り入れることでも、自己効力感を高めることができることです。ロールモデルを数名選び、その方々がどのような行動を行っているかを観察し、そのやり方を取り入れることもできれば、「自分にもできそうだ」という実感を持つこともできるでしょう。また、自分の能力に関して、信頼できる方から繰り返し言われたり、複数から同じことを何度も言われるとしたら、「自分にはその能力があるのではないか」と考えられますね。
離職期間を経て再就職を果たした方を対象とした研究では、自己啓発中の仲間や講師からの励ましを自分のものとして、仕事探しや自己PRにつなげて再就職を行う方の事例がいくつかあります。離職期間がなくても、自己啓発を経て新たな領域へのキャリアチェンジの場合や、管理職等責任が重いポジションへのチャレンジの場合は、同じことがあり得るのではないでしょうか。
ただし、周囲の力を取り入れられるかどうかは、自分次第です。
好奇心と柔軟性がポイント
「ロールモデルのやり方を、できることから取り入れてみよう」と捉えるか、「他人のことだからやっても無駄だ」と考えるか。
「何度も言われるのだから、自分の能力だと考えてみよう」と捉えるか、「そういわれても自信がないな」と考えるのか。
一旦、取り入れてみるといいですよね。
好奇心を持って情報収集や他者との対話を進めてみると、その行動が蓄積となり、能力向上や機会の創出につながっていきますね!
「自信がない」という言葉も、あまりに使いすぎると「自分自身への理想が高すぎる方なのではないか」と逆に敬遠されてしまいます!周囲の方々に好奇心を持って接し、柔軟性をもって取り入れていくとよいですね。
ワークショップやキャリア相談の場でお伝えしています。