変化の時代と、計画された偶発性理論
心理学者クランボルツのPlanned Happenstance(計画された偶発性理論)は、研修でも頻繁に紹介されるキャリア理論の一つです。
理論では、自分から、偶然の出来事を引き寄せるよう働きかけて、キャリア形成の機会を創出していくことと提示しています。
参考:日本の人事部「プランド・ハップンスタンスとは」
外部環境の変化が大きい現代、実際にはどのような働きかけを行っていけばよいのでしょうか?
書籍の中で印象的だった内容は、
「夢を訊かれて目標が明確になったものの、近づき方を考えていなかったために、夢をかなえられず居心地が悪くなった」という事例や、「ある日誰かが連絡してきて、完璧な仕事をくれることはない」というものです。
市場のニーズや組織からの期待によって、それまでと異なる仕事に就く必要が出てきたとき、私たちは不安や保身から動けなくなることがあります。そのようなときに、キャリア支援者からの質問で、興味があることを思い出して「目標ができた!もう大丈夫だ」という思いを持つことがあります。
けれども、その仕事のニーズが市場にどのくらいあるのか、今所属している組織の需要はどうかという視点がなければ、近づき方も考えられません。
偶然を引き寄せるために積極的に動くだけでなく、外部環境についての理解も深め、夢や目標への近づき方も考えていきたいものですね。
ワークショップやキャリア相談の場でもお伝えしています。