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ロールモデル不在問題の対処法

女性からのご相談で多い、「ロールモデルがいない」問題。なぜ、女性にとって大切かというと、ビジネスの世界では、男性が主体となって作り上げてきた慣習や制度がまだ残っており、女性がキャリア継続で悩むときにモデルとなる人を求める傾向があるからです。

けれども、働き続ける女性の先輩たちが多くなかったという現状もあります。正規社員の女性の継続就業率は2018年69%、2000-2004年は52.4%、1995~1999年は45.5%です。男女協均等法が施行されて女性が男性と等しく就業機会を得たのは、1986年。大卒であれば今の50代後半、高卒であれば50代前半の方が社会へ出た時代です。40代後半以上の方々にとっては、まだ道がない環境の中で、試行錯誤しながら働いていたものの、パートナーの転勤や育児などで退職することも多かった時代です。男性に比べると女性の先輩が少ない、職種の特性で母数が少ない、等の状況があったのではないでしょうか。


ロールモデルが不在の時は、広く周囲を見渡して社外でも探すことや、参考になる部分だけモデルとして複数の方をモデルと設定するとよいでしょう。「同じ職場で年上の人」と限定せずに、枠を外して考えてみると、見つかるのではないでしょうか。

私自身も励まされたり、参考となるロールモデルに多く出会ってきました。そのきっかけも多様です。一部ご紹介します。

NPO法人でのグローバル企業で働く女性:ダイバーシティ&インクルージョンを推進する団体では、2015年当時、グローバル企業で長年キャリアを積んだ女性達が多く関わっていました。団体のビジョン見直しワークショップに参加した際にお聞きした、ライフイベントとの向き合い方や転機の乗り越え方のお話や、普段垣間見る視座の高さと広さがとても参考になりました。

地域で得意を伸ばして活躍する女性起業家:2012年から5年間実施した、地域の起業家向け交流会では、得意な領域を活かして教室運営やネットショップなどを行う女性達にお会いしました。企業に雇用されるだけでない、自ら場を創っていく姿勢がとても参考になりました。その間に、横浜市のイベント、ウーマンビジネスフェスタの実行委員としてお会いした、女性経営者の皆様からお聞きしたお話も、今でも参考にしています。

育児と両立する男性リーダー:2005年まで勤務していた研修コンサルティング会社では、担当日はお子さんのお迎えに行く男性コンサルタント達がおり、タイムマネジメントや周囲へのアナウンスする姿等も見ることができました。また、ファザーリングジャパンのイベントでは、男性が地域で仲間を作る取り組みが紹介されており、当時としてはインパクトがありました。誰もが、ライフイベントと付き合いながら働き続けるためのヒントとして役立っています。


同じ職場でなくても、同性でなくても、年上でなくても、見渡すと意外なところにモデルとなる方々がいらっしゃるかもしれません。


掲載されました:日経doors 初めてのリーダー基本のき