あなたは私の彩りだった、
あなたは私の彩りだった、
あなたの後ろを辿ると、広がる世界は美しく紅葉していた。
赤や黄色やオレンジに、色とりどりの色が輝いて見えた。
暖かく染め上げるように包み込む。幸せの色だ。
しばらく進むと、ちらちらと雪が降り始めた。
冷気が差し込んでくる。
何か変化が訪れるような、そんな予感とともに。
どれくらい歩いただろうか、ふと顔をあげて。
もうあなたは居なかった。
辺り一面は銀世界。
涙なんて凍るほどに真っ白だった。
途端に寒気が走る。
気づけばひとりになっていた。
辺りを見渡しても、誰ひとり出会わない。
美しい秋は幻想だったかのように、冷えた風だけが在り、それを受け止めるしかなかった。
もしこの雪が溶けたら、暖かな春は私を迎えてくれるだろうか。
秋とは違う穏やかなピンク色で、私を癒してくれるだろうか。
淋しさだけが残る。私に彩りはなかった。
真冬の中、桜の開花を待つ。
此処にヒトリ。