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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.55「図書館の神様」

「図書室」と「図書館」の違いって何だろう。

「図書室」は校内にあるもの。「図書館」は町の施設。一般的な回答はこんなイメージかな。

と、するならば。今回、なぜ「図書室の神様」ではなく「図書館の神様」としたのだろうか。読み終えたあとに、ふとそんな疑問がわいた。

傷ついた心を癒すのは、全てを受け止めてくれる弟か。それともたった一人の文芸部の生徒か。あるいは、不倫相手の男性か。

今回の引用。文芸部の垣内君が、学生時代にバレー一筋だった先生に、「文系クラブって、毎日同じようにしてメリハリがなくてつまらなくない?」と言われたときの返答。

「毎日筋トレして、走りこんで、パスして、後はレシーブ練習サーブ練習などなど。バレー部の方が、毎日同じことの繰り返しじゃないですか。文芸部は何一つ同じことをしていない。僕は毎日違う言葉をはぐくんでいる」

僕は元バレー部で、正直文系クラブの人に同じ印象を持っていた(ごめんなさい)ので、この返答には思わずドキッとした。今は本が好きだし、毎日違う言葉をはぐくんでいるという実感はあるけれど、それを学生時代に思えた彼は素晴らしいと感じた。

本書を「図書館の神様」とした理由を友人に聞いてみた。すると

「図書室だとショボいからじゃない?」

……ここにも神様がいた。ニュアンスの神様。その適当さに、どこか羨ましさを感じてしまった。

明日また頑張ります。

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野見 将之
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