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「どっちが大事なの?問題」について
「仕事と家庭、どっちが大事なのよ!」
「お前はお金をとるのか、それとも友情をとるのか」
「大切にすべきは、今なのか、それとも未来なのか」
AかBかを問われる問題。これを僕は「きのこタケノコの乱」と呼んでいる。ちなみに僕はたけのこの里のホワイトチョコが好きだ。
僕はこの「どっちが大事なの問題」に対する明確なスタンスを持っている。もしあなたがこの問題に巻き込まれて困っているとしたら耳を傾けてほしい。
まず「仕事と家庭、どっちが大事なのよ?」と聞かれたら、瞬時にあなたはこう思うだろう。
「そんなのどっちも大事に決まってるじゃん」
「右脳と左脳、どっちが大事なのよ」って言われても、そんなの「どっちも大事に決まっているじゃん」としか返答できない。それと構造は同じだ。
じゃあなんで、このような問いが生まれるのか。
先に結論から言うと、「本当はどちらが大事かを聞いているのではない」ということ。つまりそもそも「問い」が違う。これは“ひっかけ問題”なのだ。
「仕事と家庭、どっちが大事なのよ?」を正しい問いに変換するとこのようになる。
「あなたに質問します。わたしのこと、本当に大切だと思っていますか? 少なくともここ最近のあなたの態度や振る舞いから、残念ながら私はそのような愛情を感じ取ることができていません。あなたを信じたい気持ちが少し揺らいでいます。このわたしの気持ちに気づいていますか?」
まず大切なポイントが2つある。1つは「質問が2つある」こと。もう1つは「それぞれの問いに明確に答えること」。
まず質問が2つあることについて。
問1「わたしのことを本当に大切だと思っていますか?」
問2「この(不安な)気持ちに気づいていますか?」
この文章問題に対して
A「両方大事に決まってんだろ!」
これはテストでは残念ながら0点だ。そもそもひっかけ問題に対して、見事にひっかかってしまっている。そういう意味では100点ともいえるかもしれないが、それはお笑い番組の中だけで成立するものだ。現実はそう甘くはない。
つまり、この場合の回答は
問1「わたしのことを本当に大切だと思っていますか?」
A1「もちろんだよ」
問2「この(不安な)気持ちに気づいていますか?」
A2「気づいてあげられてなかったよ。ごめんね」
ここまで来ると、正しい回答が見えてくる。
問「仕事と家庭、どっちが大事なの?」
A「そうか。まず君のその不安な気持ちに気づいてあげられなくてごめんね。もちろん君のことを本当に大切に思っているよ」
となる。これは本に書いてあったから間違いない。
さて、これをもう少し応用して考えてみよう。
「AとB どっちが大事?」となった場合。これは“ひっかけ問題”であることを説明した。つまり「問いを変換すること」から始めなければならない。
「AとB、どっちが大事」には、「なぜその問いが浮かんできたのか?」という“問いが発生した理由”があるはずだ。それは多くの場合、「不安」から来ている。
つまり、この「不安の根源」を探る。なぜその質問をしたのか。何がその質問をさせたのか。これこそが真の問いとなるのだ。
「お金か、友情か」には「あなたはお金のために仲間を裏切るのですか?」
「今か、未来か」には「あなたは未来のために今を犠牲にするのですか?」
つまり、どんな「AかBか問題」も、回答フォーマットが決まっている。
「不安な気持ちにさせてしまってごめんね。もちろん●●を大切に思っているよ」
である。これに当てはめて考えてみれば、ほとんどの「どっちが大事か問題」は100点の回答ができる。
あなたを苦しめてきた「AかBか問題」には、今日でオサラバしよう。
ちなみに「AかB問題」を「AKB問題」とした方がキャッチーな気がしてきて、ここまで書いた記事を書き換えようかどうしようか悩んでいる。
「キャッチーだから書き換える、正直な気持ちのまま書き換えない、どっちが大事ですか?」
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